「お前を突き落としたのはこの3人の誰かだろう。」
チクタクチクタク―――ゴーンゴーン時計が12時を告げた。
「あの、ルーベン様。」
「何だ?」
「近いです。近すぎます。距離感がバグってます。」
「そうか?」
彼――クズ野郎のルーベンことルーベン様は2回目の見舞いに来ていた。目的はもちろん、クローディア誰かから突き落とされた事件についての報告だ。
彼の話をまとめるとこうだ。調べてみると、あの舞踏会で紫色のドレスの女性は3人しかいなかった。しかも、3人ともアリバイがある。ローザ様は婚約者とダンスを。マリア様はお友達のご令嬢とお庭を回ってらして、エラ様は家族と一緒に食事していたんだそう。
「えっとそれじゃ気を取り直して…これがその3人の写真だ。思い出せないか?」
「釣り目のローザ様。太めのマリア様。…素朴なエラ様。」
「素朴ってなんだよ。」
(クズ男の主張は放っておこう。)
「3人ともピンときませんわね。」
「ということはやはり…」
「この3人の中にはいないのかもしれません。」
(それはそうよ。まさかあんな方法で犯人が見つけられる訳がないわ。)
「誰かさんがあんな探し方するからですわ。聞き込みと呼びかけで本当にどうにかなるとお思いになって?」
「そんなことは分かっている。」
「あの舞踏会に来ていらした方たちに聞いたって犯人が自ら手を挙げると本気で思ったんですの?
それに公の場で私を突き落したということは犯人はバレてもどうってことはないと思っているか、目撃者に口止めをしているかのどちらか、もしくは両方しかありませんわ。聞き込みはだめです。いくら踊る大捜査が好きだからって。憧れているだけでは刑事にはなれませんわ。」
「僕は刑事になりたい訳でも、なんだかよく分からないがオドルダイソウサセンのファンではない。それにそんな事は分かっている。ダメ元での捜索方法だ。それにこれで分かっただろう。」
「…口止めはしているということですか。そんな事最初から分かっていますわ。」
「なかなか辛辣だな。だがそれだけじゃない。僕はけっこう厳しく聞いて回ったよ。」
「まさか脅しを?」
「手荒な真似は好きじゃないよ。ただ真実を偽る事はこの国の王族を欺く事と同じことだと言ったまで。」
「立派な脅しですわよ。あっ…もしかしてルーベン様そういうことですの?」
「そういうことだ。ここまで聞き込みをしても王宮の権力を振りかざしても情報はあまり出なかった。ということは口止めをしている相手は僕と同じくらい、もしくは同等の身分を持っているという事。つまり、クローディアを突き落としたのは僕と同じ王族かもしれない。」
私は驚いて、ルーベン様と私の20センチにも縮まった距離を注意する気にもなれなかった。
チクタクチクタク―――ゴーンゴーン時計が12時を告げた。
「あの、ルーベン様。」
「何だ?」
「近いです。近すぎます。距離感がバグってます。」
「そうか?」
彼――クズ野郎のルーベンことルーベン様は2回目の見舞いに来ていた。目的はもちろん、クローディア誰かから突き落とされた事件についての報告だ。
彼の話をまとめるとこうだ。調べてみると、あの舞踏会で紫色のドレスの女性は3人しかいなかった。しかも、3人ともアリバイがある。ローザ様は婚約者とダンスを。マリア様はお友達のご令嬢とお庭を回ってらして、エラ様は家族と一緒に食事していたんだそう。
「えっとそれじゃ気を取り直して…これがその3人の写真だ。思い出せないか?」
「釣り目のローザ様。太めのマリア様。…素朴なエラ様。」
「素朴ってなんだよ。」
(クズ男の主張は放っておこう。)
「3人ともピンときませんわね。」
「ということはやはり…」
「この3人の中にはいないのかもしれません。」
(それはそうよ。まさかあんな方法で犯人が見つけられる訳がないわ。)
「誰かさんがあんな探し方するからですわ。聞き込みと呼びかけで本当にどうにかなるとお思いになって?」
「そんなことは分かっている。」
「あの舞踏会に来ていらした方たちに聞いたって犯人が自ら手を挙げると本気で思ったんですの?
それに公の場で私を突き落したということは犯人はバレてもどうってことはないと思っているか、目撃者に口止めをしているかのどちらか、もしくは両方しかありませんわ。聞き込みはだめです。いくら踊る大捜査が好きだからって。憧れているだけでは刑事にはなれませんわ。」
「僕は刑事になりたい訳でも、なんだかよく分からないがオドルダイソウサセンのファンではない。それにそんな事は分かっている。ダメ元での捜索方法だ。それにこれで分かっただろう。」
「…口止めはしているということですか。そんな事最初から分かっていますわ。」
「なかなか辛辣だな。だがそれだけじゃない。僕はけっこう厳しく聞いて回ったよ。」
「まさか脅しを?」
「手荒な真似は好きじゃないよ。ただ真実を偽る事はこの国の王族を欺く事と同じことだと言ったまで。」
「立派な脅しですわよ。あっ…もしかしてルーベン様そういうことですの?」
「そういうことだ。ここまで聞き込みをしても王宮の権力を振りかざしても情報はあまり出なかった。ということは口止めをしている相手は僕と同じくらい、もしくは同等の身分を持っているという事。つまり、クローディアを突き落としたのは僕と同じ王族かもしれない。」
私は驚いて、ルーベン様と私の20センチにも縮まった距離を注意する気にもなれなかった。