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麗しき悪役令嬢は自分のポンコツさ加減に気付かない

#6

思い出し笑いは音を立てずに

「ウフフフ。」

私は笑いを必死でこらえていた。 

(ルーベン様のあの時の顔と言ったら。)

<回想>

『私は誰かから突き落とされたかもしれません。』

『なっ。…あはは!お前それはうそだよな。一瞬でも信じた僕がバカだったよ。』

『本当にございますわ。それと、そんなことを言うのでしたらもう帰っていただいてもよろしくて。』

『クローディア。いつまでそんな他人行儀な言葉を使うつもりだ。それくらいで僕の気を惹こうとするなんて甘――』

『すいませんー!ルーベン様がお帰りで~す!』

『ちょっとま――』

(メイドたちにひきずられていくのはおもしろかったわ。
でも何より面白かったのは…)

『あっ、そうだルーベン様言い忘れてましたけど、私階段から落ちた時の記憶だけでなく全部記憶なくなってるみたいです。』

『えっ、全部記憶なくなって――何で大事なことを最後に言うんだよ!!枝豆追加で~ってノリじゃないんだよ!!ここは居酒屋じゃないんだよ!!』

『ルーベン様お帰りで~す。』

『ありがとうございました!!!×3』

『って何でメイドたちまでノッてん――』

あの時の表情。なんか化け物でもみたような顔だった。ハイライト目に入ってなかったし…。

バタン。ドアが閉まると、ドアごしで声が聞こえてきた。

『いや僕は何もやってないって。』

『じゃあ何で追い出されたりするんですか。なんか言ってませんでしたか。クローディア様。』

これはルーベン様の従者の声。

『あっ、そういえば顔が近いとかなんとか。』

『お嬢様になにしとんのじゃー!!!×3』

『ギャァー!!!!えっちょっと待って、ちょ待てよ―――アッ』

断末魔の叫び声が聞こえた後は、パタリと声がやんだわね。


「ウフフ。…のどが渇いてきたわね。テレサ!お茶を入れて頂戴。」

「はい。」

テレサ(私のメイド。コードネームは[漢字]1[/漢字][ふりがな]ワン[/ふりがな])が入れてくれたお茶を飲みながら私はまたルーベン様の事を考える。

(あの顔、ほんと飽きないわ。)

「お嬢様。」

「何テレサ?」

「何か良い事でもあったんですか?先ほどからずっと微笑んでいらっしゃいますが。」

「えっ。…そうね、良い事があったの、とっても良い事。ウフフ。」

微笑んでいたという自分の頬に手を当てると、私は微笑んで――いや笑顔でそう答えた。










2024/04/07 16:55

あんず
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