にこにこしながらこちらを見ていたアスクレピオスさんは、取り出した猫を見てギョッとしたような顔をした。
レ「え、えっ、猫?猫使うの??なんで??」
ア「…神獣だからです。神素を発するので丁度いいかと…」
レ「いやまぁそんな事どうでもいいんだけどどっから来たの??ここ一応病院併設されてるんだよ??そこら辺の動物連れてきちゃったらダメでしょ。」
ア「いや…それはその、」
レ「何?アインツ、君のことは信用してるけど、やりすぎることも知ってるよ。正直に話しなさい」
アスクレピオスさんからはさっきの笑顔が消え、厳しい表情になっている。先ほどまでは代理国王?の威厳など無かったが、今は彼が国王だと言われても誰もが納得するような威圧感を出している。
ア「いや、あー…」
大丈夫ですか、とアインツさんを見ると目で「大丈夫な訳ないだろ」という雰囲気を出してきた。
まぁ、だろうな。と思いながら猫を触る。知らない人がいるからかくるくる控えめに喉を鳴らしている。
ア「……」
レ「…ねぇ、言わないの!?黙ってもダメだよ!?」
ア「………」
アインツさんはそっぽを向いている。早く言えばいいのになぁと思うが、そういえばバレたくなかったのか。そうかそうか。それはそうとして早く言わないとやばくないかと目配せをすると、キッと睨まれた。
------------------------
【アインツside】
ー余裕そうな顔をして黙っているが、この男、内心とても焦っていたー
…いや、どうする。まずいぞ。想定はしていたがとてつもなく言いたくない。本当に言いたくない。理由は沢山あるが、とにかくイメージに合わないからだ。…ぶっちゃけ我ながらとても多才で近寄りがたいタイプの男だと自分でも思っている。部下たちにも「アインツ様って、めっちゃ気難しそうだよね…」と言われているのを耳にしている。いや、そうなのは確かだ。多才ではあるし偏屈な上級国民なのも事実だが、蓋を開ければ猫が好きなただの一個人にすぎない。
オレは今までエリートで近寄りがたいというイメージを必死に守ってきた。「猫を飼っています」という一言だけでこれが崩れるのはとても嫌だ。しかも相手はあのアスクレピオス。噂垂れ流し系のヤバいやつだ。絶対に広まる。嫌だなぁ…言いたくない…申し訳ないが、湊にはここでくたばってもらうしか…
レ「…いや、言わないと追い出すけど。安全性の担保ができないからね……え、いいの…??」
…ふと湊の方を見ると、目が合った。こちらを不安そうに見ている。そして、腕の中の可愛い可愛いうちの猫もこちらを見ている。……ウチで飼っていると言わなければこの子はどこにいくのだろうか…
……………
ア「……[小文字]部屋の子です[/小文字]」
レ「え?」
ア「…部屋で、飼ってる、子、…です」
レ「…え?」
ア「だから飼い猫ですって!」
レ「…えぇ!?」
くそ……終わった……と絶望していると、こちらを湊が見ていることに気づいた。くそ、こっちを見るな。やめろ。「え、言うのそれ」みたいな顔をするんじゃない…
レ「…えぇ!?あのアインツに飼い猫?そんな訳ないじゃーん。嘘つくのも大概にしてよ。ねぇ?」
湊は声をかけられてビクッとし、困りながらも返事をする。
湊「…え?まぁ、はい…?」
ア「いや、お前が否定しなくてどうする」
湊「え、これ何て言ってるの…?あれ、ダメなやつだった?」
ダメなやつだぞ。と目で教えると、「やば」と言った感じで撫でを再開した。必死にごまかしているが、隠しきれない動揺が滲んでいる。
レ「あり得ないでしょ〜あのアインツだよ?冷たい目で僕に書類渡してくるアインツだよ?いやーないない」
ないよねぇ、と言っているが動揺しているのがわかる。…やっぱりこうなるから嫌だったんだよ…
レ「え、ないよね??挨拶しても基本会釈しかしないしずっと腕組んでるから威圧感パなくて部下から『もしかして私達のこと嫌いなのかな…』って思われてるアインツが??」
ア「え、知りたく無かったです…」
レ「ずっと死んだ目してて人殴るの好きそうだなって感じのアインツが??生き物を?飼う?とか結構あり得ないと思うけど…」
ア「そんな事思ってたんですか??」
え、なんかもう知りたく無かった事ばかりなんだがどうしよう……なんかいじられてるし……嫌だ…
レ「……え、ほんとなの?」
ア「…本当ですよもう……だから嫌だったんだよ…」
広まるんだろうなぁと思うとやる気が無くなってきてへたりこんでしまいそうになる。めんどくさいなぁ…どうやって仕事しよう…
------------------------【湊side】
猫をなでていると、アインツさんがいつの間にかへたりこんでしまっていた。何か会話していたが、半分以上理解できなかった。でも、何か言われたんだろうなぁ…ということだけはわかる。
レ「え、そんな落ち込む…?ごめんよ。すごく意外でさ……ごめん…休暇は許可するから…ね?」
ア「……[小文字]いつまでですか[/小文字]」
レ「え…?」
ア「いつまで、ですか」
レ「そりゃもう無期限でいいよ…ごめん。だから許して…」
落ち込むアインツさんにアスクレピオスさんが声をかけている。項垂れていて、いつもの上から目線な感じからは想像もできないような小さい声で返事をしている。
ア「それ、本当ですか」
レ「もちろん、!今サインしたっていいよ。だから、ほら元気出して?」
アスクレピオスさんがアインツさんの手から紙を受け取り、さらさらとサインを書く。
レ「ほら、これでもうサインしたから。…大丈夫?」
ア「大丈夫です!!」
急にアインツさんが立ち上がり返事をする。
レ「うわぁっ、びっくりした…もうそういうのやめてよ…!」
ア「もうサインしましたね??よし、行くぞ湊」
レ「えっ、あ、もう行くの??ねぇ、待ってよー」
ア「行くぞー」
アインツさんが先に行ってしまったのでボクもついていく。あー…待ってー!と言うアスクレピオスさんを無視してずかずかと進んでいく。
部屋のドアをバタンと閉めて、ため息を吐く。
湊「……大丈夫ですか?」
ア「…もう大丈夫だ。というか、どうでもいい。あそこで言わなかったらどうなるか分からないし、結局バレる事だからもういいよ」
すっきりした顔で言うアインツさんは少しかっこよかった。
湊「急にかっこいいですね。なんか」
ア「それはいつもだ。あと、明日から行かないんだからもうどうでもいい」
…最後の一言が無ければ、もっとかっこよかったんだけどなぁ…
レ「え、えっ、猫?猫使うの??なんで??」
ア「…神獣だからです。神素を発するので丁度いいかと…」
レ「いやまぁそんな事どうでもいいんだけどどっから来たの??ここ一応病院併設されてるんだよ??そこら辺の動物連れてきちゃったらダメでしょ。」
ア「いや…それはその、」
レ「何?アインツ、君のことは信用してるけど、やりすぎることも知ってるよ。正直に話しなさい」
アスクレピオスさんからはさっきの笑顔が消え、厳しい表情になっている。先ほどまでは代理国王?の威厳など無かったが、今は彼が国王だと言われても誰もが納得するような威圧感を出している。
ア「いや、あー…」
大丈夫ですか、とアインツさんを見ると目で「大丈夫な訳ないだろ」という雰囲気を出してきた。
まぁ、だろうな。と思いながら猫を触る。知らない人がいるからかくるくる控えめに喉を鳴らしている。
ア「……」
レ「…ねぇ、言わないの!?黙ってもダメだよ!?」
ア「………」
アインツさんはそっぽを向いている。早く言えばいいのになぁと思うが、そういえばバレたくなかったのか。そうかそうか。それはそうとして早く言わないとやばくないかと目配せをすると、キッと睨まれた。
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【アインツside】
ー余裕そうな顔をして黙っているが、この男、内心とても焦っていたー
…いや、どうする。まずいぞ。想定はしていたがとてつもなく言いたくない。本当に言いたくない。理由は沢山あるが、とにかくイメージに合わないからだ。…ぶっちゃけ我ながらとても多才で近寄りがたいタイプの男だと自分でも思っている。部下たちにも「アインツ様って、めっちゃ気難しそうだよね…」と言われているのを耳にしている。いや、そうなのは確かだ。多才ではあるし偏屈な上級国民なのも事実だが、蓋を開ければ猫が好きなただの一個人にすぎない。
オレは今までエリートで近寄りがたいというイメージを必死に守ってきた。「猫を飼っています」という一言だけでこれが崩れるのはとても嫌だ。しかも相手はあのアスクレピオス。噂垂れ流し系のヤバいやつだ。絶対に広まる。嫌だなぁ…言いたくない…申し訳ないが、湊にはここでくたばってもらうしか…
レ「…いや、言わないと追い出すけど。安全性の担保ができないからね……え、いいの…??」
…ふと湊の方を見ると、目が合った。こちらを不安そうに見ている。そして、腕の中の可愛い可愛いうちの猫もこちらを見ている。……ウチで飼っていると言わなければこの子はどこにいくのだろうか…
……………
ア「……[小文字]部屋の子です[/小文字]」
レ「え?」
ア「…部屋で、飼ってる、子、…です」
レ「…え?」
ア「だから飼い猫ですって!」
レ「…えぇ!?」
くそ……終わった……と絶望していると、こちらを湊が見ていることに気づいた。くそ、こっちを見るな。やめろ。「え、言うのそれ」みたいな顔をするんじゃない…
レ「…えぇ!?あのアインツに飼い猫?そんな訳ないじゃーん。嘘つくのも大概にしてよ。ねぇ?」
湊は声をかけられてビクッとし、困りながらも返事をする。
湊「…え?まぁ、はい…?」
ア「いや、お前が否定しなくてどうする」
湊「え、これ何て言ってるの…?あれ、ダメなやつだった?」
ダメなやつだぞ。と目で教えると、「やば」と言った感じで撫でを再開した。必死にごまかしているが、隠しきれない動揺が滲んでいる。
レ「あり得ないでしょ〜あのアインツだよ?冷たい目で僕に書類渡してくるアインツだよ?いやーないない」
ないよねぇ、と言っているが動揺しているのがわかる。…やっぱりこうなるから嫌だったんだよ…
レ「え、ないよね??挨拶しても基本会釈しかしないしずっと腕組んでるから威圧感パなくて部下から『もしかして私達のこと嫌いなのかな…』って思われてるアインツが??」
ア「え、知りたく無かったです…」
レ「ずっと死んだ目してて人殴るの好きそうだなって感じのアインツが??生き物を?飼う?とか結構あり得ないと思うけど…」
ア「そんな事思ってたんですか??」
え、なんかもう知りたく無かった事ばかりなんだがどうしよう……なんかいじられてるし……嫌だ…
レ「……え、ほんとなの?」
ア「…本当ですよもう……だから嫌だったんだよ…」
広まるんだろうなぁと思うとやる気が無くなってきてへたりこんでしまいそうになる。めんどくさいなぁ…どうやって仕事しよう…
------------------------【湊side】
猫をなでていると、アインツさんがいつの間にかへたりこんでしまっていた。何か会話していたが、半分以上理解できなかった。でも、何か言われたんだろうなぁ…ということだけはわかる。
レ「え、そんな落ち込む…?ごめんよ。すごく意外でさ……ごめん…休暇は許可するから…ね?」
ア「……[小文字]いつまでですか[/小文字]」
レ「え…?」
ア「いつまで、ですか」
レ「そりゃもう無期限でいいよ…ごめん。だから許して…」
落ち込むアインツさんにアスクレピオスさんが声をかけている。項垂れていて、いつもの上から目線な感じからは想像もできないような小さい声で返事をしている。
ア「それ、本当ですか」
レ「もちろん、!今サインしたっていいよ。だから、ほら元気出して?」
アスクレピオスさんがアインツさんの手から紙を受け取り、さらさらとサインを書く。
レ「ほら、これでもうサインしたから。…大丈夫?」
ア「大丈夫です!!」
急にアインツさんが立ち上がり返事をする。
レ「うわぁっ、びっくりした…もうそういうのやめてよ…!」
ア「もうサインしましたね??よし、行くぞ湊」
レ「えっ、あ、もう行くの??ねぇ、待ってよー」
ア「行くぞー」
アインツさんが先に行ってしまったのでボクもついていく。あー…待ってー!と言うアスクレピオスさんを無視してずかずかと進んでいく。
部屋のドアをバタンと閉めて、ため息を吐く。
湊「……大丈夫ですか?」
ア「…もう大丈夫だ。というか、どうでもいい。あそこで言わなかったらどうなるか分からないし、結局バレる事だからもういいよ」
すっきりした顔で言うアインツさんは少しかっこよかった。
湊「急にかっこいいですね。なんか」
ア「それはいつもだ。あと、明日から行かないんだからもうどうでもいい」
…最後の一言が無ければ、もっとかっこよかったんだけどなぁ…