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適合者《アダプター》の破壊録

#2

2幕:能力〜前編〜

ドミノ村の中心である噴水に待ち合わせ、そこから能力が貰える村の教会に向かうキドたち。
ドミノ教会へは噴水から北へ約1分程度。ドミノ村は小さな町なので、どこへ向かうにしても時間がかからない。かつての姿とは打って変わり、クムヌ公の時代になって綺麗に舗装されたコンクリート製の道を進むと、直ぐに教会が見えてきた。
「昨日のさぁ、Nー1グランプリめっちゃ面白くなかったぁ?」
「まじでそれ!面白かった!」
ラムダの話にキドが共感を示す。
この世界では「テレB」という最新型の機械で様々な番組などを放送している。
テレBで1番人気の番組、それが「Nー1グランプリ」だ。
毎度抽選された4人の[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持つ能力者が1位を目指し戦うのだ。
昨夜は第9回N−1グランプリ〜in3052〜が放送されていたのである。
「あんたら今から一世一代の能力授与の儀式だっつーに何話してんのよ」
「もう教会の前だよ…」
スピカとオモイは呆れ顔だ。
2人の冷たい視線もあり、雑談は強制終了。ラムダはだって面白かったんだよ、とぶつぶつ言っていたが、オモイの言った通り、気づけば目の前には既にこじんまりとした、だが神聖な雰囲気を持つ教会があった。
ラムダは意気揚々と言う。
「[太字]よし、人生の大舞台、その幕開けだ![/太字]」
「カッコつけてんじゃねーよ!なんか決め台詞的なやつ?それ」
すかさずスピカの冷たいなコメントが寄せられると、熱くなったラムダは少し羞恥を覚えて黙りこくる。
そんなラムダに助け舟を出航させるため、キドは勢いよく教会の飾らない素朴な木製の扉を開ける。
「ごかいちょ〜〜〜!」
その扉を開くとそこにはいかにも教会っぽい美しいステンドグラスと大理石か何かで造られたであろう滑らかな壁、そして教会を左右に分けるように中央に伸びた赤いカーペット、その左右に並べられた幾つかの焦茶色の木製の椅子がキドたちを迎える。そして赤いカーペットが進む終着点にある神父の卓、その左右の大きな花瓶に挿された生き生きとした暖色の花。それに囲まれるように鎮座するのは右手に長方形の何か、左手に程よく中身がふらんだ何かの袋を持つ神の石像である。この神の石像はどこの教会でも共通してあるものだ。この世界の伝承では神はいつもこれらの何かを持っているのだとか。この世界には存在しないものなのか。神の所業は神以外誰にもわからないのである。
「やっぱり教会はいつきても綺麗ですね」
そう最初に感嘆の念をこぼしたのはオモイだ。それにつられてラムダも声を上げる。
「入った瞬間空気が違ぇぜ……」
「[明朝体]よくきましたね、子羊たち。[/明朝体]」
そうキドたちに言葉を紡いだのはドミノ教会の神父、マルクス・ディリジェンテだ。白の布で十字がデザインされた黒の法衣に身を包むその男は、あまり飾らない服だからこその色の対比が美しく、まさしく聖職者の風格がある。それは、ドミノ村というこじんまりとした村には勿体無いほどに。
キドたちはマルクス神父に軽く挨拶をし、赤のカーペットの上を歩き、卓の前に佇む神父へ歩を進める。
小さい村のため、住人全員が顔見知りだ。マルクス神父とも、旧知の仲である。
「[明朝体]さぁ、いよいよこの時ですね…。あんなに小さかったあなたたちも、これからはこの世界を変える力を持つことになります。
 くれぐれも、悪用をすることのないように…。あなたたちに、未来は懸かっています。頼みますよ…[/明朝体]」
マルクス神父の神妙な態度に緊張しつつ、運命の時に心臓が速く音を鳴らす。
「[明朝体]さぁ、それでは1人ずつこの部屋へ入ってきてください。待っている間、うるさくしてはダメですよ。[/明朝体]」
諭すような神父の言葉にキドたちは声を揃えてはーいと答える。
「俺、最初に行っていいか?」
ラムダが一番を希望。
「人一倍楽しみにしてたしね。僕は文句ないよ。」
オモイの発言に、スピカとキドも同意を示す。1番は、ラムダが得た。
「2番目は誰にすんだ?」とラムダが聞く。
「私、2番で。譲らないわよ」
スピカの主張は曲げられないことを知っている2人は従うしかない。
「キド、3番にいきなよ。僕は4番でもいいよ」
「オモイ、良いのか?」
「別に早く貰ったところで能力は何も変わらないでしょ?順番なんか別になんでもいいよ」
オモイのこの肩透かしな発言にはラムダとスピカが恥ずかしい思いをし、顔を少し赤くするが、ラムダがそそくさとマルクス神父が向かった小部屋に向かうので誰も触れはしなかった。
「じゃ、お先に。」
「頑張れよ〜」とキドが励ましの言葉を向ける。
「これに頑張るとかねえんだわ!神からもらうだけなんね!―でも、気持ちの持ちようだよな!うっしいっちょやってやるぜ!!待ってろ能力ライf―」
「[明朝体]―ラムダ、うるさいですよ[/明朝体]」
ラムダの声量のデカさはまたこういうキメるべきシーンを台無しにしている。マルクス神父にまで突っ込まれる自業自得のラムダにキドたちは爆笑だが、ここは静寂な教会。笑いを堪えて肩を揺らす。黙笑、いや黙爆笑とでもいうのだろうか。
ラムダはもうはしゃぐ元気もへし折られて漬物にされた野菜みたいにしなしなだ。半ばマルクスに連行されるような形で部屋へ入っていった。ラムダが小部屋に消えるだけで、ラムダの声量で乱されて騒がしかった教会自体が落ち着いた雰囲気を取り戻す。
「いよいよ…か…」
「ね。」「そうだね」
キドの意図せず漏れた呟きに共鳴するようにスピカとオモイが言葉を返す。

[大文字][中央寄せ]んー、緊張してきた。胃が痛い。胃どころか身体全体筋肉ツー。
[太字]ああ、昨日N−1笑いすぎた[/太字]。[/中央寄せ][/大文字]

作者メッセージ

ふーーーー
執筆かんりょー
肩がこる!w
今回能力授与編とでも言いましょうか前編でございます!
後編はできるだけ早く出しやす!待ってて!
コメントもいくつかいただいてます!ありがたい限り!語彙力ゴミクズですが少しでも自分の想像する世界を楽しんでくれたら嬉しいです!(急な自虐orz)
ではまた!

2025/02/28 22:02

TAKOっち
ID:≫ 0seAHgxl/4K6Y
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