[明朝体][斜体]―10年以上続いたヴァルドの大乱が、聖人クムヌ・ハーヴィヴォアの統一によりその幕を閉ざし
世界全体が一つの国としておさまり、“平和國フリデン”と謳われた安寧の世の物語である―[/斜体][/明朝体]
「チュン、チュン、チュ…」
「―。」
だんだんと意識が覚醒する。近くに巣があるのだろうか、親を待つ小鳥の雛の囀りと、窓から柔らかに差し込む心地よい朝の光。
意識の覚醒と共に俺は今日の予定を思い出す。
今日は…
「起きたか〜〜!?おはよう、キド!今日は能力もらう日でしょ!」
寝起きのキドには耳が痛くなる大声が部屋に響いた。いきなりのことに心臓の鼓動をはやまらせつつ、声の方を振り向くとそこには黒のジャージにエプロンというなんともアンバランスな、でもいつも通りの服装の母がいた。
「ほら、キド!今日は能力がもらえるんでしょ!何寝ぼけてるの!さっさと起きて念願の能力もらいに行ってきな!」
「…!!!そっか今日は能力もらう日だ!」
母からの祝辞を寝起きのパッサパサの口で反芻しながらキドは1月某日の朝を迎えたのだった。
[中央寄せ]〜〜〜〜〜[/中央寄せ]
―我はこの世界の神だ。ここでこの世界について少し手解きしてやろう。
この世界では主に「[漢字]土精族[/漢字][ふりがな]ドワーフ[/ふりがな]」「[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]」「[漢字]森精族[/漢字][ふりがな]エルフ[/ふりがな]」「[漢字]人間族[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]」という4つの種族が種族の壁なく暮らしておる。
かつては種族により住む場所などが区別されていたが、現国王である聖人クムヌの尽力により、身分や種族の壁は見る影もなくなった。
「身分や種族を隔てたるものは、社会において暗い影を落とすのみ。身分や種族というしがらみに囚われることなく、皆が平和を望み、身分と種族のために辛い痛い思いをすることのない世界を、私とつくろうではないか。」というクムヌの演説の一節は実際に「身分種族隔壁撤廃宣言」という形で国全体を大きく変え、またフリデン國を平和國と呼ぶにさせた要因の一つであろう。
そんなこの世界に生を受けた者の中には、[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]という神からの贈り物を持って生まれて来た者がいる。
ちなみに名前の由来はパンドラって響きがなんかいいからだ(ドヤァ)。
[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]とは目には見えないが、神に仕える職業である聖職者が[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持ち生まれた人物を見ると他の人物よりも神々しかったり何か神のオーラが見えるらしい。雰囲気が違うというべきか。
まあ我直々のプレゼントだからのう。神々しいのがあって当然じゃな⭐︎
そんな[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持ち生まれてきた人物は、[漢字]齢[/漢字][ふりがな]よわい[/ふりがな]15を迎えた次の1月、神から[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]というものがもらえるのだ。この[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]というのは普通の人にはできない特別な技や己の強化など、色々な種類のものがある。
「種族、[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]といった各々の違い。それを踏み越えて歩くそのストーリーを我に見せてみろ」ってお告げを出したらなんか格言風に祀られたわ笑
それじゃあ神はこの辺で!ばいちゃ〜⭐︎
[中央寄せ]〜〜〜〜〜[/中央寄せ]
―キドが住む村であるドミノ村。
その自然豊かな小さな村にはかつて[漢字]人間族[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]のみが暮らしていたが、クムヌ公の政策によりさまざまな種族が暮らすようになっている。
キドはそんなドミノ村の中心にある噴水を目指して家を出た。3人の[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持つ友人と会う約束をしているのだ。
ここからは歩いて1分もかからないが寝坊をしたせいで時間に既に約2分弱遅れている。早足で舗装された道を蹴り、噴水が見えてくると友人たちは案の定3人集まっていた。友人たちの元へ手を振りながら到着。記録にして、2分19秒の遅刻である。
「ごめんごめん遅れた…待ったよな?申し訳!」
キドは待ち合わせ場所の友人たちに声をかける。
「大丈夫、僕たちも今来たところだよ…」
と、キドに対し気を遣ってくれた青年は[漢字]土精族[/漢字][ふりがな]ドワーフ[/ふりがな]のオモイ・ハーヴァーである。土精族というと背が小さくて力が強そうなイメージがあるが、オモイは力が弱く、理知的な青年だ。背は低いのは類に違わず。
「そっか、じゃあみんなも2分の遅刻か」
「そういうことじゃあねえんだよ!」
ふざけたキドにすかさず鋭いツッコミを叩き込んだのは[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]のラムダ・サンドリアだ。[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]とは一見普通の[漢字]人間族[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]だが、好きな時に獣化ができる。部分部分だけでも獣化させることができ、その動物により色々な強みがある。ウサギの[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]から、ライオンの[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]まで多種多様である。
「ラムダは今日が楽しみ過ぎて待ち合わせに1番乗りだったもんね〜?」
そうラムダを茶化すのは[漢字]森精族[/漢字][ふりがな]エルフ[/ふりがな]のスピカ・ラピチである。[漢字]森精族[/漢字][ふりがな]エルフ[/ふりがな]は魔法が得意なイメージがあるが、スピカも魔法使いに憧れており、能力も魔法関係がいいと小さい頃からずっと願い続けてきた。そのため彼女も心なしかソワソワしているように見える。
「そういうお前も楽しみだろーが!」
銀の癖っ毛を振り乱しながらラムダはスピカに対抗する。
それをスピカは笑って流す。いつもの風景だ。
「みんな楽しみにしてるし、そろそろ行こっか」
オモイが雑談を切り上げる。キドも早く[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]が欲しかったので、
「そうだな。早いとこいこーぜ」
「…。キドが2分遅延させたしね。」
「キドが来るまで、予定プラス2分かかった。ユーは!3人の2分、つまり6分を無駄にしたんだぜ!」
オモイとラムダから予想外の言葉のパンチを喰らう。
「くっそ〜何も言えねえのがツレェぜ…」
「さ、過ぎたことだし。行くと決まれば早く行こ。」
―助かる〜〜!スピカナイス助け舟!
こうして俺たちは能力がもらえる村の教会へ続く道を笑いながら進むのだった。
俺たちを祝福する、冬には珍しい爽やかな風が俺たちを撫でていった。
世界全体が一つの国としておさまり、“平和國フリデン”と謳われた安寧の世の物語である―[/斜体][/明朝体]
「チュン、チュン、チュ…」
「―。」
だんだんと意識が覚醒する。近くに巣があるのだろうか、親を待つ小鳥の雛の囀りと、窓から柔らかに差し込む心地よい朝の光。
意識の覚醒と共に俺は今日の予定を思い出す。
今日は…
「起きたか〜〜!?おはよう、キド!今日は能力もらう日でしょ!」
寝起きのキドには耳が痛くなる大声が部屋に響いた。いきなりのことに心臓の鼓動をはやまらせつつ、声の方を振り向くとそこには黒のジャージにエプロンというなんともアンバランスな、でもいつも通りの服装の母がいた。
「ほら、キド!今日は能力がもらえるんでしょ!何寝ぼけてるの!さっさと起きて念願の能力もらいに行ってきな!」
「…!!!そっか今日は能力もらう日だ!」
母からの祝辞を寝起きのパッサパサの口で反芻しながらキドは1月某日の朝を迎えたのだった。
[中央寄せ]〜〜〜〜〜[/中央寄せ]
―我はこの世界の神だ。ここでこの世界について少し手解きしてやろう。
この世界では主に「[漢字]土精族[/漢字][ふりがな]ドワーフ[/ふりがな]」「[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]」「[漢字]森精族[/漢字][ふりがな]エルフ[/ふりがな]」「[漢字]人間族[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]」という4つの種族が種族の壁なく暮らしておる。
かつては種族により住む場所などが区別されていたが、現国王である聖人クムヌの尽力により、身分や種族の壁は見る影もなくなった。
「身分や種族を隔てたるものは、社会において暗い影を落とすのみ。身分や種族というしがらみに囚われることなく、皆が平和を望み、身分と種族のために辛い痛い思いをすることのない世界を、私とつくろうではないか。」というクムヌの演説の一節は実際に「身分種族隔壁撤廃宣言」という形で国全体を大きく変え、またフリデン國を平和國と呼ぶにさせた要因の一つであろう。
そんなこの世界に生を受けた者の中には、[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]という神からの贈り物を持って生まれて来た者がいる。
ちなみに名前の由来はパンドラって響きがなんかいいからだ(ドヤァ)。
[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]とは目には見えないが、神に仕える職業である聖職者が[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持ち生まれた人物を見ると他の人物よりも神々しかったり何か神のオーラが見えるらしい。雰囲気が違うというべきか。
まあ我直々のプレゼントだからのう。神々しいのがあって当然じゃな⭐︎
そんな[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持ち生まれてきた人物は、[漢字]齢[/漢字][ふりがな]よわい[/ふりがな]15を迎えた次の1月、神から[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]というものがもらえるのだ。この[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]というのは普通の人にはできない特別な技や己の強化など、色々な種類のものがある。
「種族、[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]といった各々の違い。それを踏み越えて歩くそのストーリーを我に見せてみろ」ってお告げを出したらなんか格言風に祀られたわ笑
それじゃあ神はこの辺で!ばいちゃ〜⭐︎
[中央寄せ]〜〜〜〜〜[/中央寄せ]
―キドが住む村であるドミノ村。
その自然豊かな小さな村にはかつて[漢字]人間族[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]のみが暮らしていたが、クムヌ公の政策によりさまざまな種族が暮らすようになっている。
キドはそんなドミノ村の中心にある噴水を目指して家を出た。3人の[漢字]神之祝福[/漢字][ふりがな]ウチナルパンドラ[/ふりがな]を持つ友人と会う約束をしているのだ。
ここからは歩いて1分もかからないが寝坊をしたせいで時間に既に約2分弱遅れている。早足で舗装された道を蹴り、噴水が見えてくると友人たちは案の定3人集まっていた。友人たちの元へ手を振りながら到着。記録にして、2分19秒の遅刻である。
「ごめんごめん遅れた…待ったよな?申し訳!」
キドは待ち合わせ場所の友人たちに声をかける。
「大丈夫、僕たちも今来たところだよ…」
と、キドに対し気を遣ってくれた青年は[漢字]土精族[/漢字][ふりがな]ドワーフ[/ふりがな]のオモイ・ハーヴァーである。土精族というと背が小さくて力が強そうなイメージがあるが、オモイは力が弱く、理知的な青年だ。背は低いのは類に違わず。
「そっか、じゃあみんなも2分の遅刻か」
「そういうことじゃあねえんだよ!」
ふざけたキドにすかさず鋭いツッコミを叩き込んだのは[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]のラムダ・サンドリアだ。[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]とは一見普通の[漢字]人間族[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]だが、好きな時に獣化ができる。部分部分だけでも獣化させることができ、その動物により色々な強みがある。ウサギの[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]から、ライオンの[漢字]獣人族[/漢字][ふりがな]ビースト[/ふりがな]まで多種多様である。
「ラムダは今日が楽しみ過ぎて待ち合わせに1番乗りだったもんね〜?」
そうラムダを茶化すのは[漢字]森精族[/漢字][ふりがな]エルフ[/ふりがな]のスピカ・ラピチである。[漢字]森精族[/漢字][ふりがな]エルフ[/ふりがな]は魔法が得意なイメージがあるが、スピカも魔法使いに憧れており、能力も魔法関係がいいと小さい頃からずっと願い続けてきた。そのため彼女も心なしかソワソワしているように見える。
「そういうお前も楽しみだろーが!」
銀の癖っ毛を振り乱しながらラムダはスピカに対抗する。
それをスピカは笑って流す。いつもの風景だ。
「みんな楽しみにしてるし、そろそろ行こっか」
オモイが雑談を切り上げる。キドも早く[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]が欲しかったので、
「そうだな。早いとこいこーぜ」
「…。キドが2分遅延させたしね。」
「キドが来るまで、予定プラス2分かかった。ユーは!3人の2分、つまり6分を無駄にしたんだぜ!」
オモイとラムダから予想外の言葉のパンチを喰らう。
「くっそ〜何も言えねえのがツレェぜ…」
「さ、過ぎたことだし。行くと決まれば早く行こ。」
―助かる〜〜!スピカナイス助け舟!
こうして俺たちは能力がもらえる村の教会へ続く道を笑いながら進むのだった。
俺たちを祝福する、冬には珍しい爽やかな風が俺たちを撫でていった。