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転生少年R

#3

3.最後の亜人

「亜人族…?」

言い慣れない言葉を口にする。彼、というのは僕のことだろうか。なら、亜人族というのは。

「あぁ、記憶がなかったんだっけ。亜人族っていうのは、獣人族を人間の間に生まれた種族で、人間の特徴と、獣人の特徴を持ち合わせている種族のことなんだ」

やはり、この耳と関係があることのようだった。そうなると、最後の亜人族とは、一体どういう意味なんだろうか。獣人と人間の間に生まれたのなら、また獣人と人間が子を作れば良いだけの話ではないのだろうか?

「最後っていうのは、どういう…?」

「…獣人と人間は、今戦争状態にあるんだ。お互いに国を閉鎖したり、国に入ってきた人間や獣人を処刑したり…獣人と人間が会うことは、今やとても難しい状態なんだ。だから、亜人族の村を作って、攻撃されないよう隔離してたんだけど…遅かったみたいだ…ッ」

段々と声に怒りが籠もってゆく。
レアンの話をまとめると、獣人と人間は戦争中で、どちらかの国に亜人族が攻撃されないよう、村に隔離したが、襲撃を止められなかったという話だった。

「つまるところ、亜人族は今絶滅の危機に瀕しているということですか?」

「そう…だね。簡単に言えばそういうことだ」

「…僕達はこれから、残った亜人族を保護しなくちゃならないんだけど…どうする?決定権は君にあるけど」

そう問いかけられる。とはいっても、保護されるデメリットはないはずだ。
だが、どうしても頷けない。こんなにも悩む理由は、きっと…

「…僕は記憶がありません。それどころか、この体の記憶ではない記憶まであります。そんな僕が、保護なんて、されていいのか…」

「…それは、保護されたくないっていうこと?」

「そういう…訳では…」

保護されたくない訳では無い。ただ、僕に保護される権利があるのかどうか。きっと答えはNoで、そんな権利なんて微塵もないはずだ。

「__なら、話は早いね」

「え?」

「言ったでしょ?保護[下線]しなくちゃならない[/下線]って。保護されたくないわけではいんでしょ?だったら大丈夫」

勝手に話を進められていく。違う。僕が言いたいのは、そういうことでは…。

「…もし君がそんな権利がないってことで悩んでるなら、それはとんだ間違いだよ」

「…ッ」

「僕は好きでやってるんだ。そこに権利云々が出てきちゃだめでしょ」

…この子は、すごいな。見た所、今の僕の体より幼い。いや、正確には僕は高校生だが。
自分の意志で人を助けようとしている彼と違って、僕は今まで何をしてきたのだろうか。
生きていけないような時に、助けてくれた人が居て。生きるのが辛くなったときに、支えようと、助けようとしてくれた人がいて。2度も命を助けようとしている彼がいて。
そんな人達に恵まれながら生きてきたのに。今、その優しさを無下にしようとして。
本当に、何をやっていたんだろうか。

「…そうですよね。大人しく保護されとこうと思います。…ありがとう」

「ううん。好きでやってることだから」

そう微笑みながら、レアンは首を振った。

作者メッセージ

レアンはとても心優しい子です。書いていて、これホントに優しくなってるかな?と心配になりました

2023/07/09 12:11

くるみさん
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PG-12 #暴力表現転生異世界

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