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転生少年R

#16

16.〈番外編〉青

「あはっ、あっは、はぁっ…はぁ…」

ようやく我に返って、辺りを見渡す。
どこまでも続くスラム街。これだけ走っても、辺りには貧しい人ばかりだった。

「まずは、ここから出ないとだよな…」

全く、なんて場所に捨ててくれたんだと熟思う。
こんな場所に居ては、家族なんて見つかるはずがない。
早く、外に出なければ。

「はぁ…やっと出れた…」

「!!?」

突如として現れたのは、背の小さい男の子だった。

「…?こんにちは?」

「あの…もしかして、この町の住人の方でしょうか?」

「…えっ、あ…は、うん。まぁ、一応…」

身長に合わぬ大人びた口調で、年上の人と話している気分になるが、やはり身長は短くて、混乱する。
ようやく頭の中の整理が終わると、自分がキョドっていたのを思い出し、少し顔が暑くなる。
少年は、そんな俺を不思議に思いつつも、気にせず話を続ける。

「実は、ここがどこか分からなくって…何か教えていただけませんか?」

「あ、ごめん。俺もわかんねぇ…ごめんな」

なにせ、捨てられただけなのだから、ここのことなど何も知らない。
一つ言えるのは、スラム街ということだけなのだが、わざわざ不安がらせることもないだろう。

「…そうなんですか…いいえ、大丈夫です。こちらこそすみません。……[小文字]どこなんだろ、ここ…[/小文字]」

「…あの、さ、もしよかったら、名前教えてくれないかな。あ、っと、俺は、蒼汰って言うんだけど」

…蒼汰は前世の名前だが、今世の名前も知らないので蒼汰でいいだろう。

「……蒼汰さん。…素敵な名前ですね。僕は…ぼく、は……」

「………?名前、言いたくなかったか?」

迷惑だっただろうか。少年は、困ったような顔をして、

「え…っと、そうでは、なくて………___名前が、ないんです、僕。正確には、わからない、なんですけど」

「…そう、なんだ。なんか、ごめんね?変なこと聞いちゃって……でも、名前がないとちょっと困るかも…?」

「____君、…青羽兄に似てる」

青羽兄は、前世の家族の一人だ。俺達家族の中では一番冷製で、いつも助けてくれていた。
彼にはなんだか、青羽兄の面影を感じる。

「………誰ですか?」

「あ、ううん。なんでもない。えっと…そうだな。青羽兄に似てるし…そうだ、[漢字]青[/漢字][ふりがな]セイ[/ふりがな]っていうのはどう?あと、敬語もいいよ。俺、そういうの苦手だし」

「セイ、ですか?…じゃなくて、セイ、か…」

「うん、しっくりくる。ありがとう、蒼汰くん」

「……蒼汰くん?」

急に目の辺りが暑くなって、視界がぼやける。胸がキュッとなって苦しい。
なんで、泣いてるんだろう。

「ううん、なんでも、ないよ…あれ、なんでだろう、涙、止まんないや…」

「……____蒼汰くん。僕はいつでも力になるよ」

「っ…」

さらにギュッとなる。どんどん胸が苦しくなって、どんどん涙が溢れてくる。

「青羽兄ぃっ…なんで、…なんでいなくなるんだよ、ばかっ…」

「他のみんなもそうだ…みんなみんな俺を置いて行って…そのくせ俺には死ぬなって…勝手、すぎんだろぉっ…」

「………大丈夫だ。もうひとりじゃないから」

どれくらい泣いただろうか。知らない間にもう日は暮れて、カーカーというカラスの鳴き声が頭の中で再生された。

「もう落ち着いた?」

「…うん、ごめん、あったばっかなのに…」

「大丈夫。なんだか、蒼汰くんとは仲良くなれそうだから」

セイの[漢字]聖者[/漢字][ふりがな]しょうじゃ[/ふりがな]っぷりに泣かされそうだ。

「ありがとう。…あのさ、もしセイがよかったら、一緒に行かないか?ここじゃないどこかに」

「…お誘いは嬉しいが、遠慮しておく。もうちょっと色々知ってからじゃなきゃ、ただの足手まといだ」

「そっか。…あ、そうだ。もしここに旅人っぽい奴が来たら、俺を知らないか、聞いといてくれ。もし知ってたら、俺が探してるって。お願いできるか?」

「…あぁ。もちろん」

少年…セイにそう伝え、俺はようやくスラム街から脱した。

作者メッセージ

えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへっ
番外編はシリアスがまだ無くてたのちーーーーーっ
もちろん本編もちゃんと書きますけどぉ…。
なんかそのうち閲覧者減りそうってかもう既に時遅しかもしれない。
あははっ☆(深夜テンション)

2023/10/25 23:00

くるみさん
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PG-12 #暴力表現転生異世界

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