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この小説には微グロ要素が含まれます 苦手な方はお気をつけください
「あはっ、あっは、はぁっ…はぁ…」
ようやく我に返って、辺りを見渡す。
どこまでも続くスラム街。これだけ走っても、辺りには貧しい人ばかりだった。
「まずは、ここから出ないとだよな…」
全く、なんて場所に捨ててくれたんだと熟思う。
こんな場所に居ては、家族なんて見つかるはずがない。
早く、外に出なければ。
「はぁ…やっと出れた…」
「!!?」
突如として現れたのは、背の小さい男の子だった。
「…?こんにちは?」
「あの…もしかして、この町の住人の方でしょうか?」
「…えっ、あ…は、うん。まぁ、一応…」
身長に合わぬ大人びた口調で、年上の人と話している気分になるが、やはり身長は短くて、混乱する。
ようやく頭の中の整理が終わると、自分がキョドっていたのを思い出し、少し顔が暑くなる。
少年は、そんな俺を不思議に思いつつも、気にせず話を続ける。
「実は、ここがどこか分からなくって…何か教えていただけませんか?」
「あ、ごめん。俺もわかんねぇ…ごめんな」
なにせ、捨てられただけなのだから、ここのことなど何も知らない。
一つ言えるのは、スラム街ということだけなのだが、わざわざ不安がらせることもないだろう。
「…そうなんですか…いいえ、大丈夫です。こちらこそすみません。……[小文字]どこなんだろ、ここ…[/小文字]」
「…あの、さ、もしよかったら、名前教えてくれないかな。あ、っと、俺は、蒼汰って言うんだけど」
…蒼汰は前世の名前だが、今世の名前も知らないので蒼汰でいいだろう。
「……蒼汰さん。…素敵な名前ですね。僕は…ぼく、は……」
「………?名前、言いたくなかったか?」
迷惑だっただろうか。少年は、困ったような顔をして、
「え…っと、そうでは、なくて………___名前が、ないんです、僕。正確には、わからない、なんですけど」
「…そう、なんだ。なんか、ごめんね?変なこと聞いちゃって……でも、名前がないとちょっと困るかも…?」
「____君、…青羽兄に似てる」
青羽兄は、前世の家族の一人だ。俺達家族の中では一番冷製で、いつも助けてくれていた。
彼にはなんだか、青羽兄の面影を感じる。
「………誰ですか?」
「あ、ううん。なんでもない。えっと…そうだな。青羽兄に似てるし…そうだ、[漢字]青[/漢字][ふりがな]セイ[/ふりがな]っていうのはどう?あと、敬語もいいよ。俺、そういうの苦手だし」
「セイ、ですか?…じゃなくて、セイ、か…」
「うん、しっくりくる。ありがとう、蒼汰くん」
「……蒼汰くん?」
急に目の辺りが暑くなって、視界がぼやける。胸がキュッとなって苦しい。
なんで、泣いてるんだろう。
「ううん、なんでも、ないよ…あれ、なんでだろう、涙、止まんないや…」
「……____蒼汰くん。僕はいつでも力になるよ」
「っ…」
さらにギュッとなる。どんどん胸が苦しくなって、どんどん涙が溢れてくる。
「青羽兄ぃっ…なんで、…なんでいなくなるんだよ、ばかっ…」
「他のみんなもそうだ…みんなみんな俺を置いて行って…そのくせ俺には死ぬなって…勝手、すぎんだろぉっ…」
「………大丈夫だ。もうひとりじゃないから」
どれくらい泣いただろうか。知らない間にもう日は暮れて、カーカーというカラスの鳴き声が頭の中で再生された。
「もう落ち着いた?」
「…うん、ごめん、あったばっかなのに…」
「大丈夫。なんだか、蒼汰くんとは仲良くなれそうだから」
セイの[漢字]聖者[/漢字][ふりがな]しょうじゃ[/ふりがな]っぷりに泣かされそうだ。
「ありがとう。…あのさ、もしセイがよかったら、一緒に行かないか?ここじゃないどこかに」
「…お誘いは嬉しいが、遠慮しておく。もうちょっと色々知ってからじゃなきゃ、ただの足手まといだ」
「そっか。…あ、そうだ。もしここに旅人っぽい奴が来たら、俺を知らないか、聞いといてくれ。もし知ってたら、俺が探してるって。お願いできるか?」
「…あぁ。もちろん」
少年…セイにそう伝え、俺はようやくスラム街から脱した。
ようやく我に返って、辺りを見渡す。
どこまでも続くスラム街。これだけ走っても、辺りには貧しい人ばかりだった。
「まずは、ここから出ないとだよな…」
全く、なんて場所に捨ててくれたんだと熟思う。
こんな場所に居ては、家族なんて見つかるはずがない。
早く、外に出なければ。
「はぁ…やっと出れた…」
「!!?」
突如として現れたのは、背の小さい男の子だった。
「…?こんにちは?」
「あの…もしかして、この町の住人の方でしょうか?」
「…えっ、あ…は、うん。まぁ、一応…」
身長に合わぬ大人びた口調で、年上の人と話している気分になるが、やはり身長は短くて、混乱する。
ようやく頭の中の整理が終わると、自分がキョドっていたのを思い出し、少し顔が暑くなる。
少年は、そんな俺を不思議に思いつつも、気にせず話を続ける。
「実は、ここがどこか分からなくって…何か教えていただけませんか?」
「あ、ごめん。俺もわかんねぇ…ごめんな」
なにせ、捨てられただけなのだから、ここのことなど何も知らない。
一つ言えるのは、スラム街ということだけなのだが、わざわざ不安がらせることもないだろう。
「…そうなんですか…いいえ、大丈夫です。こちらこそすみません。……[小文字]どこなんだろ、ここ…[/小文字]」
「…あの、さ、もしよかったら、名前教えてくれないかな。あ、っと、俺は、蒼汰って言うんだけど」
…蒼汰は前世の名前だが、今世の名前も知らないので蒼汰でいいだろう。
「……蒼汰さん。…素敵な名前ですね。僕は…ぼく、は……」
「………?名前、言いたくなかったか?」
迷惑だっただろうか。少年は、困ったような顔をして、
「え…っと、そうでは、なくて………___名前が、ないんです、僕。正確には、わからない、なんですけど」
「…そう、なんだ。なんか、ごめんね?変なこと聞いちゃって……でも、名前がないとちょっと困るかも…?」
「____君、…青羽兄に似てる」
青羽兄は、前世の家族の一人だ。俺達家族の中では一番冷製で、いつも助けてくれていた。
彼にはなんだか、青羽兄の面影を感じる。
「………誰ですか?」
「あ、ううん。なんでもない。えっと…そうだな。青羽兄に似てるし…そうだ、[漢字]青[/漢字][ふりがな]セイ[/ふりがな]っていうのはどう?あと、敬語もいいよ。俺、そういうの苦手だし」
「セイ、ですか?…じゃなくて、セイ、か…」
「うん、しっくりくる。ありがとう、蒼汰くん」
「……蒼汰くん?」
急に目の辺りが暑くなって、視界がぼやける。胸がキュッとなって苦しい。
なんで、泣いてるんだろう。
「ううん、なんでも、ないよ…あれ、なんでだろう、涙、止まんないや…」
「……____蒼汰くん。僕はいつでも力になるよ」
「っ…」
さらにギュッとなる。どんどん胸が苦しくなって、どんどん涙が溢れてくる。
「青羽兄ぃっ…なんで、…なんでいなくなるんだよ、ばかっ…」
「他のみんなもそうだ…みんなみんな俺を置いて行って…そのくせ俺には死ぬなって…勝手、すぎんだろぉっ…」
「………大丈夫だ。もうひとりじゃないから」
どれくらい泣いただろうか。知らない間にもう日は暮れて、カーカーというカラスの鳴き声が頭の中で再生された。
「もう落ち着いた?」
「…うん、ごめん、あったばっかなのに…」
「大丈夫。なんだか、蒼汰くんとは仲良くなれそうだから」
セイの[漢字]聖者[/漢字][ふりがな]しょうじゃ[/ふりがな]っぷりに泣かされそうだ。
「ありがとう。…あのさ、もしセイがよかったら、一緒に行かないか?ここじゃないどこかに」
「…お誘いは嬉しいが、遠慮しておく。もうちょっと色々知ってからじゃなきゃ、ただの足手まといだ」
「そっか。…あ、そうだ。もしここに旅人っぽい奴が来たら、俺を知らないか、聞いといてくれ。もし知ってたら、俺が探してるって。お願いできるか?」
「…あぁ。もちろん」
少年…セイにそう伝え、俺はようやくスラム街から脱した。