静まり返った放課後の図書室。窓際の特等席でページをめくる小夜の前に、不意に日向がひょこっと顔を出す。
「ちーす小夜ち!勉強ばっかしてると頭がバクハツして、耳から知恵熱出ちゃうぞー!」
「…日向さん。またそんな根拠のないことを。それにここは図書室ですわよ、お静かに」
口ではたしなめつつも、小夜の頬は少し緩んでいる。
しばらく、日向が持ってきた(読めもしない難しい)本を囲んで、「…小夜ち、これなんて読むの?」「……これは『てつがく』ですわ」なんて、穏やかな時間が流れる。
やがて下校のチャイムがなり、図書室にいる生徒が席を立ち始める。
「あ、もうこんな時間!じゃあな小夜ち、また明日!」
「ええ、また明日。……って、日向さん、そちらは窓ですわよ? 出入り口はあちら……」
日向は一瞬、硬直する、が慌てて窓枠に手をかけ、見事なポージングで振り返る。
「フッ……小夜ち。私はあえて、この三階の窓からアクロバティックに入室し、アクロバティックに去る……それが『一ノ瀬スタイル』なんだぜ……っ!」
「三階を、素手で……? まぁ、日向さん、なんて逞しいのかしら。お怪我はありませんか!?」
「えーと、うん、全然平気!俺の筋肉は鋼なんだぜ…」
「鋼ですの!?日向さん、もしかして忍者だったり…」
きらきらと輝く小夜の目を曇らせたくなくて冷や汗をかきながら適当こく日向。
「あ、あっはは〜小夜ちするどぉ〜い☆実は日向ちゃん忍者なんだぜ☆」
「まぁ!素敵ですわ〜!」
「ははは…あ、じゃねばい〜!」
窓の外にスッと消えていく日向を見送って、小夜は一人、感心したように呟く。
「……さすが日向さん。わたくしの知らない流行を存じていらっしゃるのね……」
「ちーす小夜ち!勉強ばっかしてると頭がバクハツして、耳から知恵熱出ちゃうぞー!」
「…日向さん。またそんな根拠のないことを。それにここは図書室ですわよ、お静かに」
口ではたしなめつつも、小夜の頬は少し緩んでいる。
しばらく、日向が持ってきた(読めもしない難しい)本を囲んで、「…小夜ち、これなんて読むの?」「……これは『てつがく』ですわ」なんて、穏やかな時間が流れる。
やがて下校のチャイムがなり、図書室にいる生徒が席を立ち始める。
「あ、もうこんな時間!じゃあな小夜ち、また明日!」
「ええ、また明日。……って、日向さん、そちらは窓ですわよ? 出入り口はあちら……」
日向は一瞬、硬直する、が慌てて窓枠に手をかけ、見事なポージングで振り返る。
「フッ……小夜ち。私はあえて、この三階の窓からアクロバティックに入室し、アクロバティックに去る……それが『一ノ瀬スタイル』なんだぜ……っ!」
「三階を、素手で……? まぁ、日向さん、なんて逞しいのかしら。お怪我はありませんか!?」
「えーと、うん、全然平気!俺の筋肉は鋼なんだぜ…」
「鋼ですの!?日向さん、もしかして忍者だったり…」
きらきらと輝く小夜の目を曇らせたくなくて冷や汗をかきながら適当こく日向。
「あ、あっはは〜小夜ちするどぉ〜い☆実は日向ちゃん忍者なんだぜ☆」
「まぁ!素敵ですわ〜!」
「ははは…あ、じゃねばい〜!」
窓の外にスッと消えていく日向を見送って、小夜は一人、感心したように呟く。
「……さすが日向さん。わたくしの知らない流行を存じていらっしゃるのね……」