文字サイズ変更

愛の花

#1

夕暮れ時にて

夕暮れ時、太陽が夜に溶ける寸前。
ここは私立暁月女学院。
橙に染まる旧校舎の渡り廊下を一人の生徒が歩いている。
腰まである美しい黒髪を揺らして校舎を見回っていると、かすかな歌が聞こえて来た。

「…なんでしょう、この声…。もうすぐ完全下校時刻だというのに…」

声のする方向に向かって歩いていくと、窓にもたれかかって夕陽を眺める生徒がいた。
明るい茶髪を背中まで伸ばした彼女は、鼻歌を歌っている。
その儚げな表情に、黒髪の少女は一瞬目を奪われた。が、すぐに目的を思い出し声をかける。

「…ねぇ。そこのあなた、もうそろそろ帰りなさったら。下校時刻ですよ。」
「…ェ、ねぇ、ちょっとまってよ私の歌聞いてた!?やだバカくそに恥ずかしい!無理死ぬ最悪すぎて笑えないってぇ!も〜やだぁ〜〜〜」

声をかけた瞬間、儚げな表情は消え去り慌てふためく少女に、黒髪の少女は呆気に取られた。

「え、と…べ、別に聞いてませんわよ…」
「優しい嘘が痛いっ!…ていうか、キミみたいな綺麗な人同学年にいたっけ…?」
「話題がころころとかわりますのね…。んん、失礼しました。わたくしは雪月花 小夜と申します。暁月女学院生徒会執行部ですの。」

小夜が名乗った瞬間茶髪の少女は段々と青ざめていき、口がぽかりとあいた。

「あわわわわ生徒会の人とは露知らず…拙者、腹を切ってお詫びいたします候…」
「切腹なんてしなくていいんですのよ!?…ふふ、あなた、お名前は?」

「あぇ、私!?私は…一ノ瀬日向!気軽に日向って呼んでくだせえ!」
「日向、さん…失礼、わたくしの記憶にはなかったですわ。…素敵な名前ですのね。わたくしのことは小夜とでもお呼びください。」

そう口にした瞬間、日向の目が宝石のようにキラキラと輝き、嬉しそうに笑った。

「小夜、小夜かぁ…うん、とってもいい名前!小夜ち、ヨロ!」
「小夜ちとはわたくしのことですの!?…よろしくお願いいたしますわ。」


…かくして、二人の日々は始まったのだった。

作者メッセージ

この世は百合とその他で構成されています。よろしくお願いします

2026/03/16 21:02

やしろしろ
ID:≫ 6ybA8nH1Vyj8g
コメント

この小説につけられたタグ

GL百合オリジナル学生青春お嬢様系

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はやしろしろさんに帰属します

TOP