文字サイズ変更

桜の下で、もう一度

#1

桜の下で

桜が風に揺れていた。
高校の校門へ続く並木道は、淡い桃色の光に包まれていて、藤宮凛は思わず足を止めた。

今日から高校生活が始まる。
新しい制服、新しい教室、新しい人間関係。
胸が高鳴るはずなのに、どこか落ち着かない。

――席表を見た瞬間からずっとだ。

「橘夕奈」

その名前を見つけたとき、凛は息を飲んだ。
中学で告白して振られた相手。
理由も聞けず、ただ距離を置かれたまま終わった恋。

同じクラスになるなんて、思ってもいなかった。

校門をくぐると、桜の下にひとり立つ少女がいた。
風に揺れる髪、少し大人びた横顔。
凛の心臓が跳ねる。

橘夕奈だった。

夕奈はスマホを見ていたが、ふと顔を上げた。
そして――凛と目が合った。

時間が止まったように感じた。
夕奈の瞳がわずかに揺れる。
驚きと戸惑い、そしてほんの少しの懐かしさ。

凛は声を出そうとして、喉が固まった。

「……っ」

名前を呼べない。
中学のあの日と同じように。

夕奈は一瞬だけ凛を見つめて、
そして、淡く微笑んだ。

すれ違う瞬間、桜の花びらがふたりの間に舞う。

「……久しぶり、凛くん」

その小さな声だけが、春風よりも強く凛の胸を揺らした。

高校生活の始まりは、あまりにも静かで、
そして――あまりにも痛かった。

作者メッセージ

ちゃーっす!おひめでーす!
これはおひめ史上最高傑作!セリフがずらずらずらずら続かないよ!安心して!
たぶん毎日投稿できるはず!
紗奈(さな) 元苺花様の小説を見て、私もビターなのかきたいなーって思って!

2026/06/30 06:30

コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はおひめ〈StellaArkの参加よろしく!〉さんに帰属します

TOP