いいけなーい殺意!殺意!!
私、豆原 刹那!
平凡な大学生やってたんだけど、彼氏が浮気してたからありとあらゆる証拠を集めて浮気相手とデートしてるときに問い詰めてやったの!
そしたら彼氏が可哀想なくらい震えるから、「浮気、バレでねぁーど思ってだ?」って思わず宮城の血が騒いで強い口調で問い詰めたのがダメだったかな?
逆ギレした彼が包丁で刺してきちゃった!!ヤバい死ぬって思った私は、咄嗟に私のお腹に刺さってる包丁を抜いて浮気した上に私を殺そうとしたクソ野郎のブツに投げつけてやったの!!
これなら彼氏の彼氏が死ぬだけで彼氏は死なないからもう二度と浮気できないし、させないねっダーリン♡
でも包丁抜いちゃったから救急車が駆けつける前に出血多量で死んじゃった。
ごめんね、救命士さん……私がB型Rhなばっかりにきっと変な罪悪感を背負わせちゃったよね?
大丈夫、私は浮気した彼のブツを落とせたからいいの。
そんな感じで満足に死んでいったのに、どーゆー訳かちょーきゅーとな生まれたての赤ちゃんになっちゃってもー大変!?
一体私、これからどうなっちゃうの〜!?
と、いうのが私が転生した経緯ね。一昔前に流行った「いっけなーい殺意殺意」風に説明してみたけど、絵文字は意味が分からなすぎて使ってないよ。
👁️👄👁️って何?おばさん若い子の流行りについてけないわ〜、なんて一丁前に年上気取って見たけどちょっと誰か助けて欲しい。
えっ、転生?いや、私もラノベ読むし漫画もアニメも見るからそういう概念分かるけどさ、えっ?何?転生?っていう飲み込みバグ状態なのよ。
転生(てんせい、てんしょう)とは、肉体が生物学的な死を迎えた後には、非物質的な中核部については違った形態や肉体を得て新しい生活を送るという、哲学的、宗教的な概念。
___Wikipediaより引用。
取り敢えず脳内wiki先生にきいてみたけど、分かったのは概念だけ。
いやね、私が聞きたいのはなんで私が転生したのかなんだよ。あのまま穏やかな気持ちで死んで、大学で伝説の女として語り継がれて行く感じだったじゃん?
この小説を読んでいる方の中に転生を体験したお客様はいらっちゃいませんか〜?できれば私が転生した理由を教えて頂きたいんですけど〜?
なんて現実逃避をしていたら、隣から未発達な声帯を震わして今にも泣きそうな雰囲気の声が聞こえた。
「うっ、ふっううぅぅ…っ…」
隣で泣かれたら私も肉体に引っ張られて泣いちゃうから出来れば泣かないで頂きたい、という思いも込めて随分と小さくなった手で隣の赤ん坊の紅葉の手を握る。
大丈夫だよ、私もいるよ。
そんな思いを込めて、すごく力が弱いけど握ったり開いたりを繰り返した。
すると嘘のように泣き止んで、ぱっちりとした目で私を見つめてからふにゃふにゃな微笑みを向ける。
「ああ、刹那が久遠を泣き止ませてくれたのね。妹にあやされるなんてねぇ、久遠はお兄ちゃんの自覚がないんじゃないかしら」
咎めるような口調だけど声は柔らかく、とても優しい顔をする女性は確か私[漢字]達[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]の母親だ。
光を受けて宝石みたいに輝くアンバーの髪がふわふわしていて、少し下がった短い眉が少し儚い美人さんだった。
これで二児の母とか。AVで受けそうだな、という大分失礼な感想を母に抱いてしまった。
言い訳させていただくなら、前世の私の母はこんな美人ではないし久遠などという名前の双子の兄も居なかったから、ぶっちゃけ家族という認識が薄い。
だから謎に他人行儀に接してしまうし、隣で寝ている久遠もお兄ちゃんというより自分よりも年下の生命という感じだ。だから今みたいに私があやしたりしている。
中身は大学生のお姉さんだからね、赤ん坊に兄貴面されても反応に困る。実際はお兄ちゃんの方が15分先に生まれたんだけど。
そんな感じ時間は過ぎて、いつの間にやら眠気を誘う午後2時過ぎを時計の針が刺していた。
前世大学生で、彼氏の浮気の証拠集めとレポートに追われていたので赤ん坊の食っちゃ寝生活は暇に感じる。
なので祖母が出産祝いにくれたぬいぐるみを唾で汚さぬように気をつけながら、握ったり離したりして握力トレーニング。まだ寝返りは打てないのでこれくらいしか出来ることがない。
でもいい加減疲れてきたので握力トレーニングは辞めて、双子用のベビーベッドに転がった。
久遠は握力トレーニングをしていた私が気になっていたのか、眠たそうに目を閉じたり開いたりしているけど寝ていない。寝れないからとぐずられても母の迷惑になるので、久遠を寝かせることにした。
また小さな手を重ねて、私はここに居るよと主張すると久遠は驚くほどすぐに眠る。
双子だし何かあるのかな?と考えたけど、言葉はまだ発せれないし、赤ん坊に出来ることは限られているので暇だ。
もうちょっと大きくなったら双子のシンクロ率とか調べてみたいなーっと考えながら私も眠りにつく。
ふわふわと意識が霧散するように現実世界から遠のいていき、一気に夢の中に入るようなこの瞬間が気に入っていたりする。今日も羊代わりに天井のシミを数えて、少しずつ意識が遠のいていく…………
そんなとき、眠気も何もかもをすっ飛ばす悍ましいモノが“見えた”。
体と釣り合いが取れない大きな顔にはギザギザの歯があって、今にも食べられそうだった。枝のように細い腕をベビーベッドの柵に掛けてじっとこちらを見て来た。
見るからに人外だ。ぜったい見えたらダメ系の化け物だ。
「████?」
何を喋っているのか分からない。
分かるのは言葉もこの地球上には存在しないってことだけ。
ソレは恐ろしかった。
ソレは悍ましかった。
ソレは恐怖を感じた。
ただ本能的に見えていることがバレてはいけないと思ったので、絶対に反応はしなかった。
視線を違う方向に移動させて目を閉じる。
必殺、狸寝入り。
私は今から寝るんです。オマエのことなんて見えていません。そういう気持ちで存在を無視する。
「████?」
「██████。██████、███」
「████」
「██」
「█████?██、██████?」
なのにお構いなしに化け物は勝手に喋ってその場を動かない。恐ろしさで身が凍るようだった。
「████」
その言葉が合図だったのだろうか。
あっマズい、そう思った時にはもう遅くてソレは私に手を伸ばされていて私のふくふくのほっぺに冷たい指が置かれていた。
怖い。怖い、怖い。
どうしよう、泣きそう。泣いたら見えるってバレる、振り払いたい。振り払えない。なんでこんなことになってるの?
分かんないどうしよう、どうしよう………どうしよう。誰か助けて……
そう願った時、私の手に温かい体温が重ねられた。
狸寝入りしていることも忘れて目を見開くと、親指をしゃぶりながらこっちを見つめる片割れがいた。
手を重ねただけ。だけど、重ねただけで得られる安堵感があった。
まるで「大丈夫だよ、泣かないで」と言っているような気がして自然と涙は引っ込んだ。
暫くして化け物は飽きたのかベビーベッドから離れて、壁へと消えていった。是非、二度とお越しくださらないでください。
「あーふ、ぇ」
ありがとう。
未発達な声帯を震わせて精一杯のありがとうを伝える。
そうすると久遠は大きな目をいっぱいに見開いてから、いつものふにゃふにゃな微笑みを向けた。
私、豆原 刹那!
平凡な大学生やってたんだけど、彼氏が浮気してたからありとあらゆる証拠を集めて浮気相手とデートしてるときに問い詰めてやったの!
そしたら彼氏が可哀想なくらい震えるから、「浮気、バレでねぁーど思ってだ?」って思わず宮城の血が騒いで強い口調で問い詰めたのがダメだったかな?
逆ギレした彼が包丁で刺してきちゃった!!ヤバい死ぬって思った私は、咄嗟に私のお腹に刺さってる包丁を抜いて浮気した上に私を殺そうとしたクソ野郎のブツに投げつけてやったの!!
これなら彼氏の彼氏が死ぬだけで彼氏は死なないからもう二度と浮気できないし、させないねっダーリン♡
でも包丁抜いちゃったから救急車が駆けつける前に出血多量で死んじゃった。
ごめんね、救命士さん……私がB型Rhなばっかりにきっと変な罪悪感を背負わせちゃったよね?
大丈夫、私は浮気した彼のブツを落とせたからいいの。
そんな感じで満足に死んでいったのに、どーゆー訳かちょーきゅーとな生まれたての赤ちゃんになっちゃってもー大変!?
一体私、これからどうなっちゃうの〜!?
と、いうのが私が転生した経緯ね。一昔前に流行った「いっけなーい殺意殺意」風に説明してみたけど、絵文字は意味が分からなすぎて使ってないよ。
👁️👄👁️って何?おばさん若い子の流行りについてけないわ〜、なんて一丁前に年上気取って見たけどちょっと誰か助けて欲しい。
えっ、転生?いや、私もラノベ読むし漫画もアニメも見るからそういう概念分かるけどさ、えっ?何?転生?っていう飲み込みバグ状態なのよ。
転生(てんせい、てんしょう)とは、肉体が生物学的な死を迎えた後には、非物質的な中核部については違った形態や肉体を得て新しい生活を送るという、哲学的、宗教的な概念。
___Wikipediaより引用。
取り敢えず脳内wiki先生にきいてみたけど、分かったのは概念だけ。
いやね、私が聞きたいのはなんで私が転生したのかなんだよ。あのまま穏やかな気持ちで死んで、大学で伝説の女として語り継がれて行く感じだったじゃん?
この小説を読んでいる方の中に転生を体験したお客様はいらっちゃいませんか〜?できれば私が転生した理由を教えて頂きたいんですけど〜?
なんて現実逃避をしていたら、隣から未発達な声帯を震わして今にも泣きそうな雰囲気の声が聞こえた。
「うっ、ふっううぅぅ…っ…」
隣で泣かれたら私も肉体に引っ張られて泣いちゃうから出来れば泣かないで頂きたい、という思いも込めて随分と小さくなった手で隣の赤ん坊の紅葉の手を握る。
大丈夫だよ、私もいるよ。
そんな思いを込めて、すごく力が弱いけど握ったり開いたりを繰り返した。
すると嘘のように泣き止んで、ぱっちりとした目で私を見つめてからふにゃふにゃな微笑みを向ける。
「ああ、刹那が久遠を泣き止ませてくれたのね。妹にあやされるなんてねぇ、久遠はお兄ちゃんの自覚がないんじゃないかしら」
咎めるような口調だけど声は柔らかく、とても優しい顔をする女性は確か私[漢字]達[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]の母親だ。
光を受けて宝石みたいに輝くアンバーの髪がふわふわしていて、少し下がった短い眉が少し儚い美人さんだった。
これで二児の母とか。AVで受けそうだな、という大分失礼な感想を母に抱いてしまった。
言い訳させていただくなら、前世の私の母はこんな美人ではないし久遠などという名前の双子の兄も居なかったから、ぶっちゃけ家族という認識が薄い。
だから謎に他人行儀に接してしまうし、隣で寝ている久遠もお兄ちゃんというより自分よりも年下の生命という感じだ。だから今みたいに私があやしたりしている。
中身は大学生のお姉さんだからね、赤ん坊に兄貴面されても反応に困る。実際はお兄ちゃんの方が15分先に生まれたんだけど。
そんな感じ時間は過ぎて、いつの間にやら眠気を誘う午後2時過ぎを時計の針が刺していた。
前世大学生で、彼氏の浮気の証拠集めとレポートに追われていたので赤ん坊の食っちゃ寝生活は暇に感じる。
なので祖母が出産祝いにくれたぬいぐるみを唾で汚さぬように気をつけながら、握ったり離したりして握力トレーニング。まだ寝返りは打てないのでこれくらいしか出来ることがない。
でもいい加減疲れてきたので握力トレーニングは辞めて、双子用のベビーベッドに転がった。
久遠は握力トレーニングをしていた私が気になっていたのか、眠たそうに目を閉じたり開いたりしているけど寝ていない。寝れないからとぐずられても母の迷惑になるので、久遠を寝かせることにした。
また小さな手を重ねて、私はここに居るよと主張すると久遠は驚くほどすぐに眠る。
双子だし何かあるのかな?と考えたけど、言葉はまだ発せれないし、赤ん坊に出来ることは限られているので暇だ。
もうちょっと大きくなったら双子のシンクロ率とか調べてみたいなーっと考えながら私も眠りにつく。
ふわふわと意識が霧散するように現実世界から遠のいていき、一気に夢の中に入るようなこの瞬間が気に入っていたりする。今日も羊代わりに天井のシミを数えて、少しずつ意識が遠のいていく…………
そんなとき、眠気も何もかもをすっ飛ばす悍ましいモノが“見えた”。
体と釣り合いが取れない大きな顔にはギザギザの歯があって、今にも食べられそうだった。枝のように細い腕をベビーベッドの柵に掛けてじっとこちらを見て来た。
見るからに人外だ。ぜったい見えたらダメ系の化け物だ。
「████?」
何を喋っているのか分からない。
分かるのは言葉もこの地球上には存在しないってことだけ。
ソレは恐ろしかった。
ソレは悍ましかった。
ソレは恐怖を感じた。
ただ本能的に見えていることがバレてはいけないと思ったので、絶対に反応はしなかった。
視線を違う方向に移動させて目を閉じる。
必殺、狸寝入り。
私は今から寝るんです。オマエのことなんて見えていません。そういう気持ちで存在を無視する。
「████?」
「██████。██████、███」
「████」
「██」
「█████?██、██████?」
なのにお構いなしに化け物は勝手に喋ってその場を動かない。恐ろしさで身が凍るようだった。
「████」
その言葉が合図だったのだろうか。
あっマズい、そう思った時にはもう遅くてソレは私に手を伸ばされていて私のふくふくのほっぺに冷たい指が置かれていた。
怖い。怖い、怖い。
どうしよう、泣きそう。泣いたら見えるってバレる、振り払いたい。振り払えない。なんでこんなことになってるの?
分かんないどうしよう、どうしよう………どうしよう。誰か助けて……
そう願った時、私の手に温かい体温が重ねられた。
狸寝入りしていることも忘れて目を見開くと、親指をしゃぶりながらこっちを見つめる片割れがいた。
手を重ねただけ。だけど、重ねただけで得られる安堵感があった。
まるで「大丈夫だよ、泣かないで」と言っているような気がして自然と涙は引っ込んだ。
暫くして化け物は飽きたのかベビーベッドから離れて、壁へと消えていった。是非、二度とお越しくださらないでください。
「あーふ、ぇ」
ありがとう。
未発達な声帯を震わせて精一杯のありがとうを伝える。
そうすると久遠は大きな目をいっぱいに見開いてから、いつものふにゃふにゃな微笑みを向けた。