NPC
「…っはあ、はあ………」
息をたくさん吐いても後に残るのは喪失感だけ。
雪の道に、吐息がたくさん落ちていった。
いつの間にか、ここを歩くのが憂鬱になってしまった。
いせきとスノーフルの間の、森の道。
少し前には、茶色の髪を揺らしながら一人の少年が歩いている。
足が進まない。
これは体の問題じゃないことくらい知っていた。
もっと早く追いつきたいのに。
プログラムされた動きは、こんなに遅くしか進めない。
(………パピルス)
小さくつぶやく。
パピルスは今頃、もう少し進んだ先にある小屋のところでニンゲンを待っているだろう。
いますぐ逃げろと言いたい。
口が動かない。
ここで喋る動きなんて元々オレはしないから。
できるようになってないから。
今回だって、ニンゲンはパピルスをころすだろう。
それでいて、一番残酷なルートは通らずに。
オレを確実に生き残らせようとしてくる。
繰り返し、繰り返し、そのルートだけ。
みんなをころし、パピルスをころし、アンダインをころし、メタトンをころし、アズゴアもころす。
そして、トリィも。
(…トリィ……)
一度だけ、ニンゲンはオレたちを解放した時があった。
地上の景色を見て、みんなで笑い合った。
その時に、おばさんと仲良くなって、いつの間にか呼び方も変わり、接しかたも変わった。
初めてそういう意味で好きになったひと。
少し前にいるニンゲンの体に塵がたくさんついている。
そのうちの、ニンゲンの上から降ってきたようについている塵。
「…………」
胸が締め付けられるような思いがして、胸のところの服を掴まないと気が済まなかったが、手が動かなかった。
ニンゲンに付かず離れずの位置でついていく。
これから始まる悲劇を変えることはできない。
黙って従うことしかできない。
だってオレたちは………
NPC、だから。
息をたくさん吐いても後に残るのは喪失感だけ。
雪の道に、吐息がたくさん落ちていった。
いつの間にか、ここを歩くのが憂鬱になってしまった。
いせきとスノーフルの間の、森の道。
少し前には、茶色の髪を揺らしながら一人の少年が歩いている。
足が進まない。
これは体の問題じゃないことくらい知っていた。
もっと早く追いつきたいのに。
プログラムされた動きは、こんなに遅くしか進めない。
(………パピルス)
小さくつぶやく。
パピルスは今頃、もう少し進んだ先にある小屋のところでニンゲンを待っているだろう。
いますぐ逃げろと言いたい。
口が動かない。
ここで喋る動きなんて元々オレはしないから。
できるようになってないから。
今回だって、ニンゲンはパピルスをころすだろう。
それでいて、一番残酷なルートは通らずに。
オレを確実に生き残らせようとしてくる。
繰り返し、繰り返し、そのルートだけ。
みんなをころし、パピルスをころし、アンダインをころし、メタトンをころし、アズゴアもころす。
そして、トリィも。
(…トリィ……)
一度だけ、ニンゲンはオレたちを解放した時があった。
地上の景色を見て、みんなで笑い合った。
その時に、おばさんと仲良くなって、いつの間にか呼び方も変わり、接しかたも変わった。
初めてそういう意味で好きになったひと。
少し前にいるニンゲンの体に塵がたくさんついている。
そのうちの、ニンゲンの上から降ってきたようについている塵。
「…………」
胸が締め付けられるような思いがして、胸のところの服を掴まないと気が済まなかったが、手が動かなかった。
ニンゲンに付かず離れずの位置でついていく。
これから始まる悲劇を変えることはできない。
黙って従うことしかできない。
だってオレたちは………
NPC、だから。
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