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甘いだけじゃない、青春のすべて。〜第一期小学五年生〜

#3

episode.3 小学五年生二日目

始業式を終えた蓮斗たち。

それぞれの学校生活が始まっていた。

もちろん恋も動き出しており……!?

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「好きです。俺と付き合ってください!」
そう言って頭を上げた白木斗真は──山本華からの返事を待っていた。
一瞬、沈黙が流れ、春なのにも関わらず冷えた風が吹いた。
山本華はその刹那、思考を巡らせていた。
──私も斗真のこと好きだよ!
いや、かなえも好きでしょ。昨日相談受けたじゃん。
──女子キャプテンと男子キャプテンが付き合うって、ロマンチック!
どこが?秋に妬まれてキャプテンの座から引きずり降ろされるよ?

ていうか、付き合ってもバスケ部のみんなから冷やかされてすぐ別れるんじゃないの?

一つの疑問が華の頭をよぎったが、華は自分の想いに抗うことができなかった。
沈黙を破り、口を開いた。
「喜んで!」
斗真の顔がぱぁっと明るくなる。
これで良いんだ。私は、斗真のことが好きなのだから。

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[太字][大文字][中央寄せ]甘いだけじゃない青春のすべて。[/中央寄せ][/大文字][/太字]

[中央寄せ][斜体]episode.3 小学五年生二日目[/斜体][/中央寄せ]

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五年四組への階段を登る。なぜ三階なのだろうか。
黒木蓮斗が疑問に思っていると、下からにぎやかな声が聞こえてきた。
「昨日撮ったプリ、ちょー盛れたよね!」
「それなわかるぅー」
「明日も遊べる?」
「あーごめん私サッカーだわ」
「えー残念!また別の日に遊ぼー」
かなえ、友香、瞳、凛々花たちのグループだ。
瞳たちとは下校は一緒にしているが、家がやや離れているため、登校は一緒にしていない。
すると、別の声が耳に入って来た。問題児、仁杉央の声だ。
「女子うるせーな!」
そう言いながら女子グループ、特に岩井友香の方をしきりに振り返っている。
──女好き。
蓮斗が仁杉の格付けを完了していると、またもや別の声が聞こえた。
「おはようございます。」
五年四組の担任、木村智樹だ。
近づいてくる。その瞬間、鼻を覆いたくなるような臭いに包まれた。
臭っ!!えっ??これ先生の臭い!?
周りの生徒も気づいているようで、みんな顔をしかめている。
臭いから逃げるように教室に入ると、それぞれの机の上に出席番号が書かれた紙が置かれていた。
28番を探して歩いて行くと、窓際から二番目、後ろから二番目という絶好の位置に机があった。
隣の席は──山本華だった。確か、バスケットボール部の女子キャプテンだ。
そうこう考えているうちに、女子グループが教室に入って来ていた。
「あれーうちの席どこだろー」
「秋、29番でしょー!あそこだよー!」
「ありがとんー」
「あ、友香と近くだ!やったー!!」
「えっマジ?やったー!あ!あの人と近くだ!」
どんどんクラスの色がピンク色に染まってゆく。
そのうち、左隣に山本華が、通路を挟んだ右隣に岩井友香が、後ろに早川秋が座った。
何この席?仲良い女子三角形の真ん中にポツンと居座ってる男子みたいな席なんだけど??
「華ー、鉛筆削り貸してー」
「いいよー…あ!壊れてる!」
「マジ!?」
「ごめんーー」
女子の会話が途切れたところで、ホームルーム開始のチャイムが鳴った。
「皆さん、おはようございます。一年間よろしくお願いします。ところで皆さん、昨日の宿題はわかりましたか?わかった人は手を挙げてみてください!」
手を挙げてみる。すると、蓮斗以外にも手を挙げている人が何人かいた。
「えーと、そこの席は…黒木蓮斗さん!」
「はい、『ともき』です」
「正解です。よくわかりましたね!さて、先生は、基本的には怒ることはあまりしません。ですが、先生が絶対に怒ることがひとつだけあります。それは、他人に迷惑をかけることです。もしそのようなことをしたら、先生は躊躇なく怒るので、絶対にしないようにしましょう。」
毎年このように担任の先生から教育方針(?)が伝えられるが、どの先生も同じ事を言っている。
隣の華はもう本を読んでいる。飽きっぽい性格なのだろうか。蓮斗には、それよりも、ザ・陽キャの華が本を読んでいることの方に驚いていた。
本って陰キャの武器じゃないの?
どんどん蓮斗の常識が覆されていくうちに、先生の話は終わっていた。
「次の一時間目は国語です。五分後から始めるので、準備をしておいてくださいねー」
教室のみんなが席を立ちだす。
華の席に、女子グループが集まってきた。
「先生臭すぎ!アリーナ席まじだるぅ」
「マジ!?どんまーい」
「そういえば、ご報告があるんでしょ?華ちゃん♪」
早川秋がニヤニヤしながら言う。
「えっなになに!?」
「聞きたいー!」
「えっとね……私、斗真と付き合ったの」
「えっ?」
蓮斗も思わず耳を疑った。
「えーー!!?」
「マジで!!!??」
「キャーーー!!」
「良かったじゃないですかーー女バスキャプテンさん!」
「じゃあ今日お祝いパーティーする?今日ならみんな空いてるっしょ?」
「いいねー!カラオケで良き?」
「良き良き〜!」
そのとき、一時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。
「はーい、席着いてください。」先生の声だ。
「あっチャイム鳴っちゃった!」
「とりま今日帰ったらカラオケ前集合ね!」
「うぃー」
これは、、、聞いてはいけないことを聞いてしまった。。。
この男子は、意図的でなくとも、女子の会話を盗み聞きしてしまったことに罪悪感と背徳感を感じていた。
自分が予想以上に悩んでいたのに気づいたのは、岩井友香に「消しゴム、落ちてるよ」と言われた時だった。

[水平線]

無事…とは言えない二日目を終えて疲れていたのか、蓮斗は家に帰るなりすぐ寝てしまった。その時に見た夢は、「白木斗真と山本華が付き合ったが、バスケ部のみんなにバレて冷やかされ、悲惨にも別れてしまう」という内容だった。
そんなこと有り得ない、と蓮斗は信じていた。
翌日までは。

作者メッセージ

第三話も読んでくれてありがとうございます!

ちょっと次回の最初の方は暗くなるかもです…

第四話からもお願いします!

コメント等お待ちしています!

Bieber.h

2025/03/05 21:07

Bieber.h
ID:≫ 04jSOPJWWe/9M
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