「ひよりちゃーん?起きてー!」
カーテンの隙間から差し込む朝日。
まぶたの上が、あたたかい。
「……ん……」
まだ夢の続きを見たい私の肩を、優しく揺らす手。
「ほら、遅刻しちゃうよ?」
その声に、ゆっくり目を開ける。
見慣れた天井。
そして、少し困ったように笑う――玲奈先輩の顔。
……違う。
「玲奈さん……」
呼び直すと、先輩は少しだけ照れたように眉を下げた。
「まだ慣れないなあ、それ」
同じベッド。
同じ部屋。
昨夜、並んで置いたマグカップがキッチンに見える。
恋人になって、三ヶ月。
そして、同棲を始めて、二週間。
会社では相変わらず“頼れる先輩”なのに、家ではこうして私を起こしてくれる。
「……あと五分」
布団を引き寄せると、先輩がくすっと笑った。
「前は私より早く来るようにしてたのにね?」
その言葉に、少しだけむっとする。
「会社ではちゃんと起きてます」
「はいはい」
そう言いながら、先輩の指が私の前髪をそっと整える。
その距離の近さに、今でも少しだけ心臓が跳ねる。
守るでも、守られるでもない。
そう思っていたのに。
「ひよりちゃん、朝弱いの可愛い」
「……もう」
結局、私はまだ、可愛いと言われている。
でも違う。
布団の中から腕を伸ばして、先輩の手を引いた。
「玲奈さんも、あと五分一緒に」
一瞬驚いた顔。
そして、ゆっくりとほどける表情。
「……ずるいの、覚えたね」
ベッドがきしむ音。
隣に落ちてくる体温。
同じ枕に、同じ目線。
朝は、もう“憧れの背中”じゃない。 隣にいる人の、少し寝ぼけた横顔だ。
「ねえ、ひよりちゃん」
「はい?」
「今日も、一緒に頑張ろうね」
その言葉に、自然と笑みがこぼれる。
「はい、玲奈さん」
同じ家から出て、同じ会社へ向かう。
憧れから始まった恋は、 今、同じ生活を紡いでいる。
――君の隣で迎える朝は、 こんなにも、あたたかい。
カーテンの隙間から差し込む朝日。
まぶたの上が、あたたかい。
「……ん……」
まだ夢の続きを見たい私の肩を、優しく揺らす手。
「ほら、遅刻しちゃうよ?」
その声に、ゆっくり目を開ける。
見慣れた天井。
そして、少し困ったように笑う――玲奈先輩の顔。
……違う。
「玲奈さん……」
呼び直すと、先輩は少しだけ照れたように眉を下げた。
「まだ慣れないなあ、それ」
同じベッド。
同じ部屋。
昨夜、並んで置いたマグカップがキッチンに見える。
恋人になって、三ヶ月。
そして、同棲を始めて、二週間。
会社では相変わらず“頼れる先輩”なのに、家ではこうして私を起こしてくれる。
「……あと五分」
布団を引き寄せると、先輩がくすっと笑った。
「前は私より早く来るようにしてたのにね?」
その言葉に、少しだけむっとする。
「会社ではちゃんと起きてます」
「はいはい」
そう言いながら、先輩の指が私の前髪をそっと整える。
その距離の近さに、今でも少しだけ心臓が跳ねる。
守るでも、守られるでもない。
そう思っていたのに。
「ひよりちゃん、朝弱いの可愛い」
「……もう」
結局、私はまだ、可愛いと言われている。
でも違う。
布団の中から腕を伸ばして、先輩の手を引いた。
「玲奈さんも、あと五分一緒に」
一瞬驚いた顔。
そして、ゆっくりとほどける表情。
「……ずるいの、覚えたね」
ベッドがきしむ音。
隣に落ちてくる体温。
同じ枕に、同じ目線。
朝は、もう“憧れの背中”じゃない。 隣にいる人の、少し寝ぼけた横顔だ。
「ねえ、ひよりちゃん」
「はい?」
「今日も、一緒に頑張ろうね」
その言葉に、自然と笑みがこぼれる。
「はい、玲奈さん」
同じ家から出て、同じ会社へ向かう。
憧れから始まった恋は、 今、同じ生活を紡いでいる。
――君の隣で迎える朝は、 こんなにも、あたたかい。