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絶対距離感バグってる!!

僕の名前は[漢字]雨宮 千晴[/漢字][ふりがな]あまみや ちはる[/ふりがな]、17歳、何処にでもいるような普通の男子高校生だ。
そして僕のクラスには「絶世の美少女」などと呼ばれている、[漢字] 譲葉 琴音[/漢字][ふりがな]ゆずりは ことね[/ふりがな]という人が居る。
彼女は生徒会長をしていて [小文字][打消し] 一応僕も生徒会には入っているのだが…[/打消し][/小文字]
先生、生徒達からは慕わられ テスト成績は学年内で毎度の様に一位を取ったりと [小文字]僕には到底彼女の足元にも及ばない[/小文字]
ーーつまり、彼女は容姿も頭脳も[太字]完璧な人間[/太字]なのだ。

そして何故か、僕と付き合っているのだが………[大文字] 彼女は「距離感がバグっている」のだ。[/大文字]

[水平線]

その日は、生徒会室でいつもよりも山積みの書類と戦っていた。琴音は流石と言うものかすでに僕と同じ量あった書類の確認を終わらせて、僕の横で読書をしている。いつもの、[太字] みんなの前での完璧な彼女[/太字]だ。
ーーと、突然

「ち、千春くん。お疲れ様!あ、ちょっと待って」

いや、違う。これは1週間前のまだかろうじて[大文字][太字]マシな[/太字][/大文字]時の話だ。今日の彼女の行動はもっと酷い…

今、僕の背中には、冷たい生徒会室の椅子…では無く、[太字]彼女の温かい胸[/太字]にぴったりと包まれている。「背後から抱きしめられてる」などという生易しいものではなく、ぴったりと文字通り[太字]隙間なく[/太字]密着されているのだ。
正直言うと嬉しさと何かが入り混じった様な感じなのだが…

「……琴音?ここ生徒会室なんだよ?いつ人が入ってくるかがわからないじゃん…」

僕が精一杯の威厳を絞り出すと、僕の耳元で「んー…」という猫のような小さな声がした。

「別にいいじゃ〜ん…まだ私、充電たりてないの〜」

「いや、だからってねぇ…」と僕が小言を言い始めるのを遮るように、彼女はさらに体を押しつけてくる。今の僕は内心真っ赤っかだ

「あと三分!三分だけこのままでいさせて!」

その声のトーンは、まるで今日の委員会で提出する書類について話しているときと同じくらい真剣そのもので、何の悪気もない。

[大文字] (悪気ないのが一番タチが悪いんですよ譲葉さん!!!!!!!)[/大文字]

僕が心の中でそう叫んでいると、扉が控えめにノックされた。

「失礼しまーす、会長。あの、来月の備品予算の書類、ここにおいときますねー」

……会計の[漢字] 神崎 亜美[/漢字][ふりがな]かんざき あみ[/ふりがな]僕らの一つ下の後輩だ。
僕は瞬時に背筋を凍らせた。生徒会室に入って来たのは、僕らの同僚で、情報通と名高い神崎だ。彼女は僕らの関係を知っているが、公の場では節度を守っているはずだ。

「か、神崎。これは…その……あのな…?」

僕が慌てて説明しようと身体を捩ったが、背後の琴音の力が強まる。

「千春くん、まだ三分経ってないよ?」

神崎は持っていた予算書をテーブルに置き、ぼくらをじーっと見つめながらニヤニヤと楽しそうな笑みを浮かべている。

「あーい、了解です。会長と熱愛中ってことで。邪魔してごめんなさーい。[太字]雨宮先輩、頑張ってくださいね!w[/太字]」

神崎はウインク一つ残し、扉を閉めた。

[大文字](違う!違うんだ神崎!僕は[太字]頑張っている[/太字]んじゃなくて、[太字]巻き込まれてる[/太字]んだ!…っていうか、誰が会計報告ついでに[太字]熱愛報告してるんだよ!!![/太字])[/大文字]

(浮気の言い訳みたいになっているがそこは気にしない。)
…僕の生徒会での立場は、今、神崎の視線で決定的なものとなってしまった。そして、五秒後、密着していた琴音はふと顔を上げ満足そうに微笑んだ。

「ふふ。充電完了。ありがとう、千春くん」

可愛かった、浄化されそうなくらい可愛く、見れて良かったなと思ったがその代わり失ったものがでかい気がする。[小文字]少しだけ、本当に少しだけ!可愛いから許してあげてもいいかなと思ったのはここだけの話だ[/小文字]

[水平線]

それからというもの、僕の今までの平穏な高校生活は琴音の行動で平穏じゃなくなった。

僕が自分の席に座り予習をしていた。すると琴音が隣に座り、何の躊躇もなく僕の膝を枕にして寝始める。

「…え、ちょっ!?ここ教室…」と僕が驚きと焦りが混ざった。すると

「静かにして。千春くんの高さとか膝ちょうどいいんだから、ちょっとだけ休ませて」

僕が顔を赤くし、参考書で視界を遮っているのにも関わらず。彼女は「ふにゃ〜」と猫の様な声を出している。

(…いや、あのね?この状況で参考書を開いている僕も大概だが、こんな堂々と僕の膝を占拠していいわけがない。しかし、あの美貌と上目遣いで「休ませて」なんて言われたら、僕の良心回路はショートするしかないじゃないか。)

その時教室に二人の生徒が入って来た。親友の[漢字] 西野 颯太[/漢字][ふりがな]にしの そうた[/ふりがな]と[漢字] 宮近 隼斗[/漢字][ふりがな]みやちか はやと[/ふりがな]だった。

西野と宮近と目が合い僕の脳は完全にフリーズした。その間、琴音はむにゃむにゃ言って気持ちよさそうに寝てる…[太字] (いや、起きようよ![打消し] むにゃむにゃって可愛いけどさ![/打消し])[/太字]
そして五秒間見つめ合った後に西野から

「ちょっ、雨宮、おま…付き合ってるのは知ってたけどそんなゴーインに…」

「いや、これはな…違うんだよ!?誤解だよ誤解!!」と否定すると今度は宮近から
「雨宮……お前大胆だな…w」と言われた。

「いや!だから違うんだって!てか宮近笑ってるよな!?」

と僕が必死になっていると二人から「まぁ、うん、頑張ってな」とだけ言って教室を出て行った。

(終わった、明日顔合わせる時どんな顔すれば良いんだよ…何でみんな頑張れだけ言って行くんだよ…てか何が強引だ。[小文字] 大胆な感じになってるのは認めるけど[/小文字] 僕は巻き込めれてる側なんだよ。)

僕がこう思っている間も琴音は幸せそうにスヤスヤ眠っている。[打消し] 僕はもう少しだけ幸せそうな寝顔を見ておきたいなと思った。[/打消し]

[水平線]

次の日のお昼、それはもうヤバかった。ヤバいくらい恥ずかった。

僕は購買に行った。彼女はなぜかもちろんと言わんばかりに僕について来ていた。
購買は焼きそばパンが売っている。そのせいか争奪戦が毎日の様に繰り広げられ、(その中には西野と宮近、それに神崎まで加わっている。) 焼きそばパン争奪戦が終わるまでなかなか食べ物が買えない。

焼きそばパン争奪戦が終わるまで眺めていると、琴音がいつの間にかパンを買って来ていた。あの中に入って買って来たのか…すごいな…と思っていると、琴音は手に持っているパンを半分に割り、僕の顔のに近づけて

「ほら、あーん、このパンね…とっても美味しんだよ!」

と言い、僕が動揺して開いたままの口に一切の容赦なく押し込んだ。
その時すでに争奪戦は終わっており、周りの生徒の視線が僕たちに集中する。その中に焼きそばパンを勝ち取った神崎と焼きそばパンを買えなかった西野と宮近も居て、神崎はニヤニヤし、西野と宮近は若干呆れ顔だった。
(めちゃくちゃ恥ずい、今までは神崎とか西野、宮近だったから良かったものの[大文字] (全然良くはないけど!!!!!!!)[/大文字]今回は大勢の生徒だ。この世のものとは思えないほど恥ずい。)

琴音はみんなの視線に気づいてなく「ふふ、このパン美味しいでしょ!」と無邪気な笑顔を浮かべていた。

[水平線]

購買での大パニックからなんとか逃げ延び、放課後、僕と琴音は二人で学校を出た。いつもは明るく活発な琴音だが、今日はなんだか静かで、僕の少し後ろを歩いている。

「……琴音?」

僕が声をかけると、彼女はハッと顔を上げ、いつもの完璧な笑顔を無理やり貼り付けた。

「えへへ、どうしたの、千春くん。今日は充電バッチリだよ!」

そう言って、いつものように僕の腕に抱きついてこようとした。しかし、その手を僕がそっと掴んで止める。

「今日、購買ですごく恥ずかしかったんだ。神崎たちや他の奴らにどう思われたかも気になる。琴音は全然気にしてないみたいだけど……。僕たちの関係、もう少し節度を守ることはできないかな?」

僕の精一杯の、真剣な問いかけだった。こういうことを言うのは初めてだったから、少し声が震えた。

僕の腕を掴んでいた琴音の手から、スーッと力が抜ける。彼女は俯いてしまい、顔が見えない。

「……やっぱり、嫌、だった?」

小さな、まるで別人のような声が、アスファルトに吸い込まれていく。完璧な彼女が、今にも泣きそうな顔をしている。僕は焦った。

「嫌なわけじゃない!嫌だったらそもそも付き合ってないだろ?ただ、琴音は生徒会長だし、学年一位だし、みんなの理想なんだから……」

そこで言葉が詰まった。僕の言葉は、結局「僕にはもったいないから、外では完璧な君でいてほしい」というエゴだ。

琴音はふと顔を上げた。その瞳は、いつもの自信に満ちたものではなく、揺れて、少し潤んでいた。

「千春くん。みんなが私を『完璧な譲葉琴音』として見てくれるのは、嬉しいことだよ。勉強も、生徒会の仕事も、全部頑張れる」

彼女は一歩、僕に近づいた。今度は、購買でのような無邪気さはない。そこにあるのは、ただ一人の女の子の真剣な表情だった。

「でもね、その『完璧』は、ものすごく疲れるの。誰も、私に甘えさせてくれない。誰も、私を普通の女の子として見てくれない」

琴音の瞳が、まっすぐに僕を捉える。

「ねぇ、千春くんは、僕のことどう思ってるの?」

「え、どうって……[小文字] 好き、だよ[/小文字]」
(真面目に言うとやっぱりすごい恥ずかしくて小声になってしまう)

「……ありがとう。私も、大好きだよ。だから、千春くんにだけは、完璧じゃなくていいんだって、思いたいの」

琴音は、僕の胸に頭を押しつけた。今度は生徒会室のような密着ではない。ただ、そっと、僕の制服にしがみつくように。

「生徒会室で抱きつくのも、購買であーんするのも、全部、『完璧じゃない、普通の女の子の私』を、千春くんに受け止めてもらいたいから。それに、他の人に取られたくないって気持ちも、正直ある」

「だから、お願い……。千春くんの横にいるときくらい、私は甘えん坊で距離感はおかしいと思う、けど、その時のただの『琴音』でいさせてほしいの」

僕の胸元から聞こえる声は、少し震えていた。

「……はぁ。(それはズルいよ、譲葉さん……)」

僕は、小さく息を吐きながら、そっと彼女の頭に手を乗せた。僕が求める節度も、彼女が求める甘えも、両方叶えるのは難しい。

「わかったよ、琴音。完全にやめろ、とは言わない。その代わり……TPOは、少しだけ、本当に少しだけでいいから考えてほしい。あと、僕の心臓が持たない」

僕の精一杯の譲歩に、琴音は僕の胸から顔を離し、満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、これまでのどんな完璧な笑顔よりも、僕の心にグサリと突き刺さるほど可愛かった。

「ありがとう、千春くん!じゃあ、T(ついでに)P(パックのジュースを)O(奢って)くれる?」

「……そういうTPOじゃない!ていうかそれどういうTPO!?w」

僕がツッコミを入れると、琴音はくすくす笑いながら、僕の手をぎゅっと握り、二人の帰路についた。

(まぁ、TPOとか考えても、このバグった距離感が急に直るわけはないんだろうな……)

僕は握られた手を振り払うことなく、小さく笑った。

(でも、この甘えん坊な琴音を知っているのは、世界で僕だけだ。それって、僕にとっては、何にも代えがたいものなのかもしれない)

僕の少し普通じゃない高校生活は、今日も明日も、完璧な彼女のバグった距離感に巻き込まれて、続いていく。

(終)

作者メッセージ

初めて書いた小説…
文の構成が変だったり誤字脱字が多いかもだけど最後まで見てくれてると嬉しい!!
できれば感想コメントもほしい!!!!(欲張り)

受けが良かったら修正してシリーズにするかも…?

2025/10/26 23:25

魂染朱廻
ID:≫ 307X6okIvTEt6
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