《春川さん、明けましておめでとうございます》
初日の出を見るでもなくぐーすか寝て、起きると始まっていた新年。
私はまず、春川さんにメッセージを送った。
《明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします》
《こちらこそ、よろしくお願いします!》
メッセージでやりとりをしている間にちょこちょこスタンプが挟まる。
春川さんが送ってくるのは、雪だるまのスタンプだった。らしさが全開で可愛い。
ちなみに私は今日、神社に行こうと思っている。
おみくじを引くのは年明けの楽しみだったりするのだ。
《あの。莉子さんは、おみくじって好きですか》
神社に行く準備をしようと立ち上がった時、スマホが鳴った。春川さんからそんなメッセージが送られてきたのだ。
《好きです。今日も神社におみくじをひきに行こうと思っています。》
私がそう送る。返信が来なくなったので、とりあえず準備を、と立ち上がると再びスマホが鳴る。
「……え?」
送られてきたのはメッセージでもスタンプでもなく、《おみくじ》だった。
「な、なにこれなにこれ」
初めて見る機能(?)にはしゃぐ私。
《このメッセージアプリの機能です。オリジナルのおみくじを作ってみたので、引いてみてください》
春川さんから追記がきた。え、え?オリジナルみくじ?春川みくじ??
ひかないわけないでしょう!??!
私は準備なんてすっぽかして送られてきた《おみくじ》をタップする。画面が切り替わり、《雪だるまみくじ》と書かれたゲームのような画面になった。
《雪だるまを選び、その雪だるまのかぶっている帽子をとろう。その中におみくじが入っているよ!》と説明が表示されたので、私は画面の中に表示された雪だるまをまじまじと見る。
「……あっ」
一つだけ、見覚えのある雪だるまがいた。
それは──わが子によく似た雪だるまだった。
思わず私はその雪だるまをタップした。
バケツの中から出てきたのは、白い紙。
【大大大吉です。おめでとうございます!
──なんて、本当は大大大吉しか入ってないんです。莉子さんには、今年一年も幸せに過ごしていただきたいので。
気づきましたか?この雪だるま、わが子モチーフなんですよ。
面白いですよね、この機能。お正月限定で使える機能なんだそうです。
まるで本格ゲームを作っている気分でした。
俺もスマホをだいぶ使いこなせてきたと思います。
このおみくじを引いた莉子さんは今年も一年中ずっと幸せです。
俺が保証します。
今年もよろしくお願いします。】
──そんな、メッセージが、おみくじの中にはあった。
「ーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!」
……もう神社のおみくじは引かなくていいや。
だって──今年は、絶対一年中幸せだという確信があったから。