「自由最高ね……」
私は既に婚約破棄して良かったと感じていた。
今まで殿下の婚約者としての仕事などをこなしていた時間を満遍なく読書や趣味に費やせるなんてもう最高の極みじゃないか?
……でも、手が空いたら殿下がこちらの分まで手伝ってくれていたっけ。
忙しい忙しいと感じていたけど、殿下の方は忙しくても私の分の書類まで手伝ってくれていたし、考えてみれば殿下の婚約者である時も私はそれほど苦労していなかった様に感じないこともない。
「私、自由がないと思い込んでいただけだったのかしら……?」
いやいやいや!
「考えても仕方ないこと考えるのやめようね!!私!」
パァン!……と頬を叩く。
それに、あのまま殿下の婚約者でいたら、ジュリアのいじめが止まらなかっただろうし!
私の髪を引っ張ったり読もうと思っていた本のページをびりびりに破かれたりするのはもう嫌だし!
「よし!考えるのやめよう!」
同じような言葉を2回言って私は再び本に視線を落とした。
「……やっぱりいいなぁ、自由な恋愛、自由な結婚……」
……私もいつか見つけてみせるわ。運命の相手ってやつを。
……殿下の婚約者の座からは降りたのだから。
「なんで!!殿下が!!ここに!!いらっしゃるのですかぁ!??!」
「…………ぁー………………」
殿下のことを頭から追い出して、庭を散歩しようとした時。
……うちの屋敷の庭で殿下と会った。
いや、なんで??
「あ、ぁ、アリアに、会いにきた」
「何故……私達、もう婚約者じゃないでしょう?」
「……初めて俺達があったのはこの庭だったよな?」
「……?そうですね、この庭で私が遊んでいる所に殿下が城を抜け出して一緒に遊ぼうと誘ってくれたのでしたっけ?」
「ああ。それで父様にこっぴどく怒られたな」
「それがどうかしましたか?」
話を逸らして誤魔化そうとしても、その手には乗りませんよ殿下。
「……だから……俺達元々一緒に遊ぶ仲だったじゃん……だから……さ?あの……婚約者じゃなくて……友人って立場で一緒にいることは許してくれないか?」
殿下は、真剣な表情で、それなのに顔を赤くしてそう言った。
「……まぁ……それなら」
……無意識に私はスルリと口からそんな肯定の言葉を出していた。
「!やった……ありがとう!」
殿下は心底嬉しそうである。
……
…………
……………
「……ところで殿下、……まさかまた城を抜け出してきたのではないでしょうね?」
「……え?」
殿下はあからさまにギクリとした。
「な、何を根拠に……」
「国王様があちらから恨めしそうに迫ってきています」
「え……国王直々に……?」
殿下は『控えの騎士とかで良かったんじゃない……?』と言う表情だった。
そして殿下が城を抜け出してきたのでは、という言葉を否定も肯定もしなかった。恐らく確定事項だろう。
「フィルーーーーーーー!!」
そんなこんなしているうちに国王が私達のいる場所に着いた。
ちなみにだが、国王は、実年齢がわからないほど若々しい見た目で、密かなファンが多いのだ。
「フィル!!お前、城を抜け出して!アリアちゃんと会うなんて!!」
「す、すみません」
フィル殿下が謝るところだろうが、思わず私が謝ってしまった。
「アリアちゃんは悪くない!フィル、アリアちゃんを謝らせてどうするっ」
「……すみません」
今度はちゃんとフィル殿下が謝った。
「全く……このヘタレ男は……妙なところで行動力を使う……」
国王がぶつぶつと何か呟いているがよく聞こえない。
「あ、それとアリアちゃん」
「っはい?」
国王に呼ばれて身構える。
「フィルをこれからもよろしくな」
「!はい」
「じゃあ、フィル、戻るぞ」
「……はい」
そうしてフィル殿下と国王は城に戻っていった。
この時の国王のフィルをこれからもよろしくなという言葉の本当の意味を私はまだ知らない。
私は既に婚約破棄して良かったと感じていた。
今まで殿下の婚約者としての仕事などをこなしていた時間を満遍なく読書や趣味に費やせるなんてもう最高の極みじゃないか?
……でも、手が空いたら殿下がこちらの分まで手伝ってくれていたっけ。
忙しい忙しいと感じていたけど、殿下の方は忙しくても私の分の書類まで手伝ってくれていたし、考えてみれば殿下の婚約者である時も私はそれほど苦労していなかった様に感じないこともない。
「私、自由がないと思い込んでいただけだったのかしら……?」
いやいやいや!
「考えても仕方ないこと考えるのやめようね!!私!」
パァン!……と頬を叩く。
それに、あのまま殿下の婚約者でいたら、ジュリアのいじめが止まらなかっただろうし!
私の髪を引っ張ったり読もうと思っていた本のページをびりびりに破かれたりするのはもう嫌だし!
「よし!考えるのやめよう!」
同じような言葉を2回言って私は再び本に視線を落とした。
「……やっぱりいいなぁ、自由な恋愛、自由な結婚……」
……私もいつか見つけてみせるわ。運命の相手ってやつを。
……殿下の婚約者の座からは降りたのだから。
「なんで!!殿下が!!ここに!!いらっしゃるのですかぁ!??!」
「…………ぁー………………」
殿下のことを頭から追い出して、庭を散歩しようとした時。
……うちの屋敷の庭で殿下と会った。
いや、なんで??
「あ、ぁ、アリアに、会いにきた」
「何故……私達、もう婚約者じゃないでしょう?」
「……初めて俺達があったのはこの庭だったよな?」
「……?そうですね、この庭で私が遊んでいる所に殿下が城を抜け出して一緒に遊ぼうと誘ってくれたのでしたっけ?」
「ああ。それで父様にこっぴどく怒られたな」
「それがどうかしましたか?」
話を逸らして誤魔化そうとしても、その手には乗りませんよ殿下。
「……だから……俺達元々一緒に遊ぶ仲だったじゃん……だから……さ?あの……婚約者じゃなくて……友人って立場で一緒にいることは許してくれないか?」
殿下は、真剣な表情で、それなのに顔を赤くしてそう言った。
「……まぁ……それなら」
……無意識に私はスルリと口からそんな肯定の言葉を出していた。
「!やった……ありがとう!」
殿下は心底嬉しそうである。
……
…………
……………
「……ところで殿下、……まさかまた城を抜け出してきたのではないでしょうね?」
「……え?」
殿下はあからさまにギクリとした。
「な、何を根拠に……」
「国王様があちらから恨めしそうに迫ってきています」
「え……国王直々に……?」
殿下は『控えの騎士とかで良かったんじゃない……?』と言う表情だった。
そして殿下が城を抜け出してきたのでは、という言葉を否定も肯定もしなかった。恐らく確定事項だろう。
「フィルーーーーーーー!!」
そんなこんなしているうちに国王が私達のいる場所に着いた。
ちなみにだが、国王は、実年齢がわからないほど若々しい見た目で、密かなファンが多いのだ。
「フィル!!お前、城を抜け出して!アリアちゃんと会うなんて!!」
「す、すみません」
フィル殿下が謝るところだろうが、思わず私が謝ってしまった。
「アリアちゃんは悪くない!フィル、アリアちゃんを謝らせてどうするっ」
「……すみません」
今度はちゃんとフィル殿下が謝った。
「全く……このヘタレ男は……妙なところで行動力を使う……」
国王がぶつぶつと何か呟いているがよく聞こえない。
「あ、それとアリアちゃん」
「っはい?」
国王に呼ばれて身構える。
「フィルをこれからもよろしくな」
「!はい」
「じゃあ、フィル、戻るぞ」
「……はい」
そうしてフィル殿下と国王は城に戻っていった。
この時の国王のフィルをこれからもよろしくなという言葉の本当の意味を私はまだ知らない。