一方的な婚約破棄?いいえ、利害の一致です!〜実は全然納得してない王太子の気持ちを知らない令嬢〜
#1
プロローグ
「アリア・キルシュ──お前との婚約を破棄する」
そう吐き捨てたのはこの国の王太子、フィル・ナディアだ。
舞踏会の会場は明らかにザワつく。
王太子の隣でニコニコ笑ってるのは私の妹のジュリア・キルシュだ。
私は王太子に突然婚約破棄されて呆然と立ち尽くしている──
ふりを、していた。
「殿下〜〜!ありがとうございますっ!」
舞踏会が終わった後。
私は全く人気のない場所でフィル殿下と会っていた。
「これでお互い自由になれますね!」私はそれはもう満足気な笑顔で言う。
王太子、フィル・ナディアも「そうだな」と返した。
そう、この婚約破棄は私が望んだことだったのだ。
勿論私と殿下の独断ではない。国王は気前もよく、軽くOKしてくれた。
昔から知り合いの私と殿下は、よく遊んでいた。
そして殿下は婚約者探しをしていたらしく(殿下が探していたのではなく、殿下のご両親がだが)、「じゃあアリアちゃんはどう?」と王妃様が提案なさって、あれよあれよと話が進んで行き、私と殿下は婚約した。
だが私はそれを不満に思っていた。何故なら物語に出てくる登場人物のように、普通に恋して好きな相手と結婚することに憧れていたからだ。
だから前々から婚約破棄したいと言っていたのだが殿下がそれを「いや……」と渋っていたのだ。多分親の決め事を子供が覆すべきではないとお考えだったのだろう。
だがいよいよ私の熱量に負けて「国王に交渉してくる……」と渋々了承してくれて、今に至る。
じゃあ何故妹のジュリアがいたのかと言うと、カモフラージュ役である。
ジュリアは殿下のことが好きで、「お姉様、私に婚約者の座を譲ってくださいまし」と強請られていたのだ。同時に私を恨めしく思いいじめてくることも少なくなかった。
だから丁度いい。婚約破棄するところに同席させて「婚約した気」になってもらって私をいじめるのをやめてもらおうと企んだわけだ。まぁそんな上手い話あるかとあまり成功を期待してはいなかったが、結果的に多分上手く行った。両親は私の意思を尊重してくれたし、本当にいい親だ。まぁ、両親は私がジュリアにいじめを受けていることを知らなかったが。
で、婚約破棄を終えて、私も殿下ももう自由の身というわけだ!
「本当にありがとうございます!」
「……あぁ」
……なんか殿下が落ち込んでいる?
いえ、気のせいよね!
「──これでお互い自由になれますね!」
「そうだな」
……すまないアリア。
俺は、実はその言葉に傷ついてます。
「父様ぁ〜〜……」
「おぅフィル......なんて情けない声を出すんだ」
「いや......自分から婚約破棄を言い渡すのって、演技といってもキツイです......」
「私がいつでもお前とアリアちゃんを婚約し直せるようにスタンバイしてやってるのに、お前はいつまでもぐずぐずぐずぐずと......」
「いや……アリア本人があの調子ですから……破棄してしまったら元に戻れない恐れが」
「そこは、お前の頑張りどころだろう」
そう、私、アリアと王太子フィル・ナディア殿下の婚約破棄は──
利害の一致などではなかった。
そう吐き捨てたのはこの国の王太子、フィル・ナディアだ。
舞踏会の会場は明らかにザワつく。
王太子の隣でニコニコ笑ってるのは私の妹のジュリア・キルシュだ。
私は王太子に突然婚約破棄されて呆然と立ち尽くしている──
ふりを、していた。
「殿下〜〜!ありがとうございますっ!」
舞踏会が終わった後。
私は全く人気のない場所でフィル殿下と会っていた。
「これでお互い自由になれますね!」私はそれはもう満足気な笑顔で言う。
王太子、フィル・ナディアも「そうだな」と返した。
そう、この婚約破棄は私が望んだことだったのだ。
勿論私と殿下の独断ではない。国王は気前もよく、軽くOKしてくれた。
昔から知り合いの私と殿下は、よく遊んでいた。
そして殿下は婚約者探しをしていたらしく(殿下が探していたのではなく、殿下のご両親がだが)、「じゃあアリアちゃんはどう?」と王妃様が提案なさって、あれよあれよと話が進んで行き、私と殿下は婚約した。
だが私はそれを不満に思っていた。何故なら物語に出てくる登場人物のように、普通に恋して好きな相手と結婚することに憧れていたからだ。
だから前々から婚約破棄したいと言っていたのだが殿下がそれを「いや……」と渋っていたのだ。多分親の決め事を子供が覆すべきではないとお考えだったのだろう。
だがいよいよ私の熱量に負けて「国王に交渉してくる……」と渋々了承してくれて、今に至る。
じゃあ何故妹のジュリアがいたのかと言うと、カモフラージュ役である。
ジュリアは殿下のことが好きで、「お姉様、私に婚約者の座を譲ってくださいまし」と強請られていたのだ。同時に私を恨めしく思いいじめてくることも少なくなかった。
だから丁度いい。婚約破棄するところに同席させて「婚約した気」になってもらって私をいじめるのをやめてもらおうと企んだわけだ。まぁそんな上手い話あるかとあまり成功を期待してはいなかったが、結果的に多分上手く行った。両親は私の意思を尊重してくれたし、本当にいい親だ。まぁ、両親は私がジュリアにいじめを受けていることを知らなかったが。
で、婚約破棄を終えて、私も殿下ももう自由の身というわけだ!
「本当にありがとうございます!」
「……あぁ」
……なんか殿下が落ち込んでいる?
いえ、気のせいよね!
「──これでお互い自由になれますね!」
「そうだな」
……すまないアリア。
俺は、実はその言葉に傷ついてます。
「父様ぁ〜〜……」
「おぅフィル......なんて情けない声を出すんだ」
「いや......自分から婚約破棄を言い渡すのって、演技といってもキツイです......」
「私がいつでもお前とアリアちゃんを婚約し直せるようにスタンバイしてやってるのに、お前はいつまでもぐずぐずぐずぐずと......」
「いや……アリア本人があの調子ですから……破棄してしまったら元に戻れない恐れが」
「そこは、お前の頑張りどころだろう」
そう、私、アリアと王太子フィル・ナディア殿下の婚約破棄は──
利害の一致などではなかった。