魔法使いと非日常
#1
幼馴染の魔法使いと私。
その男の子は私を見て手を振って来た。
「美香ちゃん!」
その笑顔はとても可愛くて、思わず昔を思い出した。
昔、男の子……悠真はいじめを受けていた。
私はいつも学校終わりにこの公園の来ているのだけれど、そんな馴染み深い場所でいじめを受けている子がいて、それを見てみぬふりして遊ぶのは心が痛いわけで。
勇気を出していじめっ子たちに「あんたたち!やめなさい!」と言った。
いきなり話しかけて来て、しかもめっちゃ大声で言ったからいじめっ子は驚いて去っていった。
「……僕、悠真っていいます。あの、助けてくれてありがとう!」
「ん?あんなの朝飯前よ!お礼には及ばないわっ。私は美香。よろしくね」
かっこいい感じで去っていった私だけど、その翌日からいじめの標的は私に変わった。
殴られ蹴られ……痛くて。
悠真、こんなに痛い思いしてたの?
なんて、悠真のことを思い出してて。
私がいじめられてる時、悠真が公園に来た。
……昨日せっかくかっこいい感じで去ったのに、いじめられてるかっこ悪い姿を見られちゃったなぁ……。
なんてことを考えていると、悠真は、
「その子をいじめないで!」
と大声でいじめっ子たちに怒鳴っていた。その次の瞬間には、雷が近くに落ちた。
どがしゃあああん!!
その音に驚いたいじめっ子たちは、すぐさま散っていった。
私は恐怖より好奇心でその場から動けなくなっていた。
悠真が怒鳴った瞬間に雷が落ちたから。
「ねぇ、きみ、魔法使いか何かなの?」
純粋な心で聞いた。その頃の私は魔法使いがでてくる絵本が大好きだったから、すぐさま物事を魔法と結びつけていた。
すると、予想外にも悠真は、「そうだよ」と私の問いを肯定した。
それからは色々な魔法を見せてもらった。
何故悠真は魔法が使えるのか、なんてこと、気にならなかった。
悠真がとびきり摩訶不思議な魔法を見せてくれるたびに、そんな疑問は頭の中から消えていく。だってそれほどに悠真の使う魔法が美しくて、魅力的だったから。
いじめっ子たちは雷の件で恐怖を覚えたのか、もう関わってこなくなった。
だから元々あまり誰も訪れない公園には私と悠真の2人だけ。
まるでふたりの秘密基地のよう。
秘密基地で、悠真は明日はどんな魔法を見せてくれるだろうか?
毎日毎日それを楽しみにしていた。
そんな毎日が続いたある日。
「僕、引っ越さなきゃいけなくなったんだ……」
と悠真が告げて来た。
驚いた。悲しくなったし寂しくなった。
やだ。遠くに行かないでよ。
だけど。
「でも、新しいところに行くのも、楽しみ」
そう言う悠真の顔は今まで見たことがないほど穏やかでワクワクしていて。
……悠真がそれでいいなら後押ししようと思う。
「わかった。いってらっしゃい、悠真。必ずまたあおうね」
「……うん。また、大きくなったら必ず。会いにくるね。待ってて」
あの時いじめられてた弱虫な魔法使いはいつのまにかこんなにも立派になってた。
私は悠真にまた会う日を心待ちにして、勉学に励み、自分磨きを頑張って来た。
そしてあれから6年。
中学2年生になった私に一通の手紙が届く。
悠真から。
《もうすぐ会える。待ってて》
その一文だけが書いてあった。
けれど私はその文だけで満たされた。
ああ、やっとだ。
これは、私と魔法使いの悠真の、特別で《普通》な、非日常のお話。
「美香ちゃん!」
その笑顔はとても可愛くて、思わず昔を思い出した。
昔、男の子……悠真はいじめを受けていた。
私はいつも学校終わりにこの公園の来ているのだけれど、そんな馴染み深い場所でいじめを受けている子がいて、それを見てみぬふりして遊ぶのは心が痛いわけで。
勇気を出していじめっ子たちに「あんたたち!やめなさい!」と言った。
いきなり話しかけて来て、しかもめっちゃ大声で言ったからいじめっ子は驚いて去っていった。
「……僕、悠真っていいます。あの、助けてくれてありがとう!」
「ん?あんなの朝飯前よ!お礼には及ばないわっ。私は美香。よろしくね」
かっこいい感じで去っていった私だけど、その翌日からいじめの標的は私に変わった。
殴られ蹴られ……痛くて。
悠真、こんなに痛い思いしてたの?
なんて、悠真のことを思い出してて。
私がいじめられてる時、悠真が公園に来た。
……昨日せっかくかっこいい感じで去ったのに、いじめられてるかっこ悪い姿を見られちゃったなぁ……。
なんてことを考えていると、悠真は、
「その子をいじめないで!」
と大声でいじめっ子たちに怒鳴っていた。その次の瞬間には、雷が近くに落ちた。
どがしゃあああん!!
その音に驚いたいじめっ子たちは、すぐさま散っていった。
私は恐怖より好奇心でその場から動けなくなっていた。
悠真が怒鳴った瞬間に雷が落ちたから。
「ねぇ、きみ、魔法使いか何かなの?」
純粋な心で聞いた。その頃の私は魔法使いがでてくる絵本が大好きだったから、すぐさま物事を魔法と結びつけていた。
すると、予想外にも悠真は、「そうだよ」と私の問いを肯定した。
それからは色々な魔法を見せてもらった。
何故悠真は魔法が使えるのか、なんてこと、気にならなかった。
悠真がとびきり摩訶不思議な魔法を見せてくれるたびに、そんな疑問は頭の中から消えていく。だってそれほどに悠真の使う魔法が美しくて、魅力的だったから。
いじめっ子たちは雷の件で恐怖を覚えたのか、もう関わってこなくなった。
だから元々あまり誰も訪れない公園には私と悠真の2人だけ。
まるでふたりの秘密基地のよう。
秘密基地で、悠真は明日はどんな魔法を見せてくれるだろうか?
毎日毎日それを楽しみにしていた。
そんな毎日が続いたある日。
「僕、引っ越さなきゃいけなくなったんだ……」
と悠真が告げて来た。
驚いた。悲しくなったし寂しくなった。
やだ。遠くに行かないでよ。
だけど。
「でも、新しいところに行くのも、楽しみ」
そう言う悠真の顔は今まで見たことがないほど穏やかでワクワクしていて。
……悠真がそれでいいなら後押ししようと思う。
「わかった。いってらっしゃい、悠真。必ずまたあおうね」
「……うん。また、大きくなったら必ず。会いにくるね。待ってて」
あの時いじめられてた弱虫な魔法使いはいつのまにかこんなにも立派になってた。
私は悠真にまた会う日を心待ちにして、勉学に励み、自分磨きを頑張って来た。
そしてあれから6年。
中学2年生になった私に一通の手紙が届く。
悠真から。
《もうすぐ会える。待ってて》
その一文だけが書いてあった。
けれど私はその文だけで満たされた。
ああ、やっとだ。
これは、私と魔法使いの悠真の、特別で《普通》な、非日常のお話。