小学校の卒業式は、終わった。
ケープでガチガチに固まった頭をなんとかしようと、昼過ぎのお風呂に入った。
お湯をママに……お母さんに沸かしてもらって、それでお風呂に入って、頭にお湯をかけた。
するりするりと、少しずつ髪に指が通るようになる。
頭は昨日洗ったから、いいかな。まだお昼だし。
でも、まだ寒くて、身体は冷えている。だから、お風呂にも入る。
お湯に浸かって、はみだすようになった膝を見つめる。
[明朝体]「歩佳、もうすぐ中学生なのにママ呼びなの?お子ちゃま~w」[/明朝体]
ぐるぐる心に纏わりつく、そんな言葉のせいにしたい。
身体が、追い炊きをしても温まらないのは。
「卒業、おめでとう!」
尊くんは、笑顔で言った。
底抜けに明るすぎるその声が、その時は苛立ちの火に油を注いだ。
「……なんか、怒ってる?歩佳」
こいつは妙に察しがいいときがある。
「……なんでもない。あんたに言うことでもない」
あたしは答えた。ちょっと乱暴すぎる声の荒げ方だったけど、どうでもよかった。
……あんた、何見てんのよ。
「なんでもなくないじゃん」
「……は?」
「なんでもない時、歩佳、そんな顔しないよ」
多分、こいつに嘘はつけなさそう。
……でも、こんな自惚れに、大好きなあたしの弱みを見せれば、確実に調子に乗る。
絶対、言わない。言わない……。
「……歩佳?」
「なによ……あたしは……っ」
「やっぱ辛いの?」
その声で、あたしは我に返った。
あたしは、唇を噛みながら、泣いてた。
「……嫌。見ないで……」
あたしは尊くんに酷い顔が見えないように、手遅れだけどしゃがんだ。
「……誰に、そんなことされたの。それとも、歩佳の個人的な何か?」
「うるさい!いいから黙ってっ‼」
あたしは怒鳴った。
「……もし誰かにされたなら、俺はそいつをブン殴りに行く」
「……はぁ?あんた、馬鹿なの?」
その突拍子もない提案に、心の底から呆れた。
けど――。
「だってさ、俺はいつ死ぬか分かんないじゃん。だから、いつ最期になってもいいように、いつも最期にぴったりな状況にしてたいんだ」
その言葉が、まるで服にこぼしたクリームみたいにやけにあたしの耳に残って離れなかった。
ケープでガチガチに固まった頭をなんとかしようと、昼過ぎのお風呂に入った。
お湯をママに……お母さんに沸かしてもらって、それでお風呂に入って、頭にお湯をかけた。
するりするりと、少しずつ髪に指が通るようになる。
頭は昨日洗ったから、いいかな。まだお昼だし。
でも、まだ寒くて、身体は冷えている。だから、お風呂にも入る。
お湯に浸かって、はみだすようになった膝を見つめる。
[明朝体]「歩佳、もうすぐ中学生なのにママ呼びなの?お子ちゃま~w」[/明朝体]
ぐるぐる心に纏わりつく、そんな言葉のせいにしたい。
身体が、追い炊きをしても温まらないのは。
「卒業、おめでとう!」
尊くんは、笑顔で言った。
底抜けに明るすぎるその声が、その時は苛立ちの火に油を注いだ。
「……なんか、怒ってる?歩佳」
こいつは妙に察しがいいときがある。
「……なんでもない。あんたに言うことでもない」
あたしは答えた。ちょっと乱暴すぎる声の荒げ方だったけど、どうでもよかった。
……あんた、何見てんのよ。
「なんでもなくないじゃん」
「……は?」
「なんでもない時、歩佳、そんな顔しないよ」
多分、こいつに嘘はつけなさそう。
……でも、こんな自惚れに、大好きなあたしの弱みを見せれば、確実に調子に乗る。
絶対、言わない。言わない……。
「……歩佳?」
「なによ……あたしは……っ」
「やっぱ辛いの?」
その声で、あたしは我に返った。
あたしは、唇を噛みながら、泣いてた。
「……嫌。見ないで……」
あたしは尊くんに酷い顔が見えないように、手遅れだけどしゃがんだ。
「……誰に、そんなことされたの。それとも、歩佳の個人的な何か?」
「うるさい!いいから黙ってっ‼」
あたしは怒鳴った。
「……もし誰かにされたなら、俺はそいつをブン殴りに行く」
「……はぁ?あんた、馬鹿なの?」
その突拍子もない提案に、心の底から呆れた。
けど――。
「だってさ、俺はいつ死ぬか分かんないじゃん。だから、いつ最期になってもいいように、いつも最期にぴったりな状況にしてたいんだ」
その言葉が、まるで服にこぼしたクリームみたいにやけにあたしの耳に残って離れなかった。