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無糖のケーキを召し上がれ。

#3

 今、尊くんは元気だ。

 管の数も減って、顔色もいい。

 一応、あいつのお見舞いには、毎日行っている。

 もはやそれは私の日課だった。

 その度に、あいつも欠かしていないことがある。

「尊くん」

「あ、歩佳。今日も来てくれたんだね、ありがとう!」

「ママに言われてるから、仕方なく来てるだけ」

「そんなこと言っちゃって、サボってないのは俺が好きだからなんでしょ?俺はずっとだ~いすきだよ!」

 そう。

 愛の告白である。

 正直言って迷惑で気持ち悪い。

「あっそ」

 ここまでがテンプレート。

 あたしは、あの日からだいぶ痩せたあいつを見つめた。

 そして、ふと思い出した。

 あの、味気ないケーキの味を。

「そういや、あんた、あれからケーキ食べたりしたの?」

 答えはNO。

 そう、分かっていた。

 残酷な質問だと、分かっていた、はずなのに聞いた。

「……ううん。俺倒れたの、あれ7日じゃん?だからギリギリ7歳のケーキ食べれなかったんだよね」

 そうだった。

 こいつ、不運というか、報われない。

 よりにもよって、ケーキ好きの奴の誕生日前日に、ケーキを食べられなくするのは、神様が最低。

 神様、もしあたしがあんただったら、相手がこんな奴でもそんな仕打ちはしないわ、馬鹿。

「また食べたいな、ケーキ」

 尊くんが、時空上のどっか遠くを見つめた。

 過去を見てるのか、希望の少ない未来か。

 分からないけど、そんな顔を見たら、声が出た。

「[太字]……いつか、あんたにケーキを作る。無糖の、……でも甘い、すっごく甘いケーキを[/太字]」

作者メッセージ

タイトル回収①。
……はい、まだありますんでタイトルのなんやら。
これからも温かい目で見て頂けたら嬉しいです。

2025/03/04 20:23

◇Alice◇
ID:≫ 6.HwTpWbghe22
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