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適合者《アダプター》の破壊録 読切版

[大文字]適合者《アダプター》の破壊録[/大文字]

―それは、安寧の世の物語。
 戦乱の世を、聖人クムヌ・ハーヴィヴォアが統一し“平和國フリデン”と謳われた時世の物語である―

[太字]【目覚め】[/太字]
「チュン、チュン、チュ…」
「―。」
だんだんと意識が覚醒する。小鳥の囀りと、窓から柔らかに差し込む心地よい朝の光。意識の覚醒と共に俺は今日の予定を思い出す。
(今日は…)
「おはよう、キド!誕生日おめでとう!」
寝起きのキドには耳が痛くなる大声が部屋に響いた。いきなりのことに心臓の鼓動をはやまらせつつ、声の方を振り向くとそこには黒のジャージにエプロンというなんともアンバランスな、でもいつも通りの服装の母がいた。
「ほら、キド!今日はあんたの15の誕生日でしょ!何寝ぼけてるの!さっさと起きて念願の[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]もらいに行ってきな!」
「…!!!そっか今日は俺の誕生日だ!」
母からの祝辞を反芻しながらキドは誕生日の朝を迎えたのだった。

[太字]【神の祝福】[/太字]

キド・ペンタゴン、15歳の朝―。
「『汝、よく聞くように。そなたの[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]は[漢字]適合者[/漢字][ふりがな]アダプター[/ふりがな]だ。がんばれ〜⭐︎』とのことだ。」
「[漢字]適合者[/漢字][ふりがな]アダプター[/ふりがな]……?」
「そうだ。神がそういうておる」
「はあぁ…?」
この世界では15歳を迎えた人で、そして生まれた時にウチナルパンドラとかいうよくわかんないやつを持って生まれた人に神が能力を与える。なんか神は人類へのお告げで、「パンドラとかなんかすごそうじゃんね!だからこの名前にしました〜⭐︎」とか言ったらしい。神、軽くね……。
で、本日俺がもらった能力は…あだぷたとかいうやつ。なんだこれ。
この能力について、まだまだ調べる価値は…なくはないか。
兎に角、不平不満を神父さんに言ってもだしひとまずポジティブに考えるか。
「ありがとうございまし、た…。」
やっぱ無理。なんだよこの能力。萎えるわ。

[太字]【友、能力の髄】[/太字]

教会を出て、待ち合わせの場所に向かう。キドが住む小さな街は、以前国政を牛耳って悪政を敷いていた奴輩の時代とはうって変わり、静かで住み心地いい街になっている。整備されている土の道を歩き、件の場所が見えてくるともうそこには約束の相手がキドを待っていた。
「悪ぃ遅れた」
「おいおい遅れるってことは相当にいい[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]だったのかぁぁ?」
「この足取りでそう見えるかよ!」
そこにいたのは、赤いジャンパーが特徴的な三白眼の好奇心旺盛そうなキドと同い年の青年ラムダ・サンドリアだ。
「ヘッ。で?キド、お前[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]は?」
「アダプタっていうらしいんだけど…よくわかんない」
「なんだそれ?まあそんなことよか俺の[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]はさ!」
ラムダがもったいぶりながら嬉しそうに話す。
「[漢字]付与強化[/漢字][ふりがな]エンチャント[/ふりがな]ってんだよ!なんか強そうじゃねえ?」
「ええ…!いいなあ。俺もそんな感じのかっけえ名前が良かった」
「へへへーいいだろ。でもキドのヤツももしかしたら激つよのヤツかも知んねえじゃんね!」
「そうかなあ」
「自信持てって!何かあったときは俺たち一緒だ!俺に何かあったらその[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]で助けてくれよな!」
こうしていつもの[漢字]日常[/漢字][ふりがな]ジユウ[/ふりがな]は遠い過去へと暮れていくのであった―

その後、国を震撼させる出来事が、フリデンを襲う―

[太字]【帝國ハルマゲドン】[/太字]

一報のニュース。
[斜体]《クムヌ公暗殺、平和國フリデン崩壊》
《新・帝國ハルマゲドン建国を発表、皇帝パズズ・マレフィック》[/斜体]
この世界は、変わってしまう

[下線]キドたちが住む街―[/下線]
「俺たちで独立しないか。」
そう真剣に話を持ち出したのはキドの親友の1人、オモイ・ハーヴァーだ。
[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]は、[漢字]鑑定者[/漢字][ふりがな]アプレイザー[/ふりがな]。人の能力とその内容までを看破することができる能力だ。オモイの助けもあり、キドはどんな武器でも使いこなせる能力で、ラムダは味方全体の士気が上がり、力やスピードなどが加算される能力ということも判明した。
「独立か…いいんじゃない。今こそその時よね。」
オモイの話に肯定を示したのはキドの親友の1人、スピカ・ラピチだ。
彼女は魔法使いになりたいと幼少の頃から言っており、魔法使いにぴったりの[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]を手に入れることができた運に恵まれた者だ。
その能力は[漢字]魔法陣[/漢字][ふりがな]ウィザード[/ふりがな]だ。魔法を打つとき、自ずと魔法陣が浮かび、詠唱を高威力なものへと変化させてくれるというものだ。
「俺たちがパズズのヤローのためにせっせと働くのにももう限界ってんだよ!!」
ラムダはすでにやる気に満ちている。
パズズの世になってからは厳しい環境下で税を払うため働かせられたり、各地でパズズの手のものが悪さを行い、国全体が悪い雰囲気に包まれている。身分の高い貴族たちは、パズズによって美味しいことをさせてもらっているから反乱もなかなか起きない。これでは負のスパイラルだ。
「確かにここには[漢字]能力[/漢字][ふりがな]チカラ[/ふりがな]持ちが4人もいる。反乱を起こすなら俺たちしかいないか。」
「決行はいつにするつもりなの?」
「そうだな…様子をもっと伺おう。僕が鑑定も使いながら隙を探るよ。」
オモイの能力は人の色々なことを鑑定できる。
「やべえぞそろそろ働かなきゃ怪しまれる。解散でいいか?」
「うん、一旦解散で、また練ろう。じゃ、頑張って!」

数日後、俺たちは義勇軍を立ち上げ、俺たちの村一帯の地域を治めていた貴族共を計画通りに滅し、独自の自治組織を立ち上げることに成功した。

「俺たちで…」
「みんなで…」
「俺たちの世を…」
「平和な世を…」

[中央寄せ][大文字]「「「「創るんだ」」」」[/大文字][/中央寄せ]


[明朝体]意識が覚醒する――。
「―。懐かしい夢を見た。」
「「ペンタゴン様、おはようございます。」」[/明朝体]
[明朝体]ゆっくりと起き上がれば、使用人たちが手を貸す。
嗚呼、懐かしい夢を見た。
今や私がこの国の王―。[/明朝体]
[明朝体]スピカ…。
スピカ…。
何故、何故君は遠くへ行ったのだろうか。
ラムダとオモイは私に愛想を尽かして姿も見せてはくれなくなった。[/明朝体]
[明朝体]スピカ。君がいてくれれば―。
嗚呼、哀しきは、[/明朝体]

[明朝体][大文字][中央寄せ]運命だ[/中央寄せ]
[中央寄せ][小文字]そうだろう?[/小文字][/中央寄せ][/大文字][/明朝体]

[明朝体]「下民どもの状況は?」
「今日も精を出して働いております。」
「そうか。もし反乱の意思が見えるような反抗的な奴がいれば早く始末するんだぞ」
「は。承知しております」[/明朝体]

[大文字][明朝体][斜体]全てはこの手に入った―。くくく。
だが、スピカの存在だけが…いや、もう良い。
愚かだったの%、&$#∆方だ。[/斜体][/明朝体][/大文字]

作者メッセージ

文章力が拙いのは許してください
これは読切版にするためにめっちゃ簡単に書いただけなんで、本編はもっと深いし長いです
本編は今ゆっくりゆっくり書いてます。
設定はすごい作り込んであるよ!

コメントいただけると励みになります〜!
結末に関しては考察待ってます!

2025/05/06 19:21

TAKOっち
ID:≫ 0seAHgxl/4K6Y
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