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朝。
日課のランニングを終えて、家族で朝食を囲んでいると、待ちに待ったあれの話が飛んでくる。
カーヴィレ「そういえば、○○。今日から、家庭教師がつくわ。」
ダンテ「あぁ!そうだった、○○、辛くなったら言うんだぞ?」
カーヴィレ「基本的には午前中に政治のことや学園の勉強の予習と魔法、午後に体術、剣術をできる限りでやるみたいよ。」
カーヴィレ「今日はとりあえずどのくらい進められそうかの観察だから、気楽に行ってちょうだいね。」
ダンテ「本当に、嫌じゃないんだな?無理にやろうとしなくても...」
カーヴィレ「ちょっと、あなた。○○が心配で親離れが怖いのは分かりますけど、○○がやりたいと言ったんですから、尊重すべきですよ。」
ダンテは図星だったのか、うぅ...と声にならない音を発している。
今日も今日とて過保護で、いつも通りで安心していると、ピクトがこちらをじっと見つめていた。
pkt「......俺も、剣術をおそわってもよろしいですか」
ピクトがそうこぼすと、カーヴィレは瞳に喜色を浮かべ、微笑んだ。
カーヴィレ「もちろん!ピクトがしたいことなら、なんだってするわ。」
ダンテ「そうだぞ、ピクト。言いたいことは、どんどん言ってくれ!」
そう伝えられると、ピクトは安堵したようにほっと息をつき、ありがとうございます、と伝えた。
一方の私はというと、嬉しい半分、嫌な気持ち半分といったところだった。
ピクトが自分の主張をするようになったのは姉として嬉しいが、攻略対象と関わりすぎるのもな...と心の中で複雑な状況が始まっている。
...まあ、成長は止めるべきではないし、私に止める権限もないのだけれど...
ここは、攻略対象がどの程度か間近で見れるという事実で手を打とう。
とりあえず、食事が終わったら始まるので、カテキョには部屋でお待ちいただいているらしい。
...というか、その事実を早く言ってほしかった。切実に。
私はそれを聞いた瞬間、猛スピードで箸を進め、完食後食堂を飛び出した。
[水平線]
「えぇっと...大丈夫ですか、○○お嬢様。」
息を若干切らしながら登場した私を、赤髪の男性が出迎える。
男性は優しそうな好青年といった印象で、爽やか系イケメンのオーラを纏っている。
恐らくこの方が、私の家庭教師なる方なのだろう。
「...おまたせしてしまい、申し訳ございません。わたくし、●●公爵家が長女、○○・●●でございます。本日から、ごしどうのほどよろしくお願いいたしします。」
「よろしくお願いします...うん、所作や言葉遣いはきちんとなっているね。」
目の前の男性は、「変な子じゃなくて良かった〜」なんて安堵の言葉を小さめにこぼし、きれいにお辞儀を見せてくれた。
「改めまして、本日から○○さんの家庭教師を務めさせていただきます、トモ・アカガと申します。」
tm「気軽にとも先生とか呼んでね〜」
そういった男性──とも先生は、にこりと笑った。
[水平線]
tm「じゃあまず、歴史や政治のことについて勉強しようか。...って言っても、今日はこれからやっていく範囲の確認くらいだけど...」
とも先生は、勉強机に向かった私の目の前で、ホワイトボードを広げた。
tm「最初は、基本の基本からやろうか。まず、世界は4カ国で構成されているんだけど、名前は全部言える?」
「wrwr国、ntjo国、運営国、WT国...ですよね」
tm「正解。僕らが今いるのはWT国だけど、他の3国に行ったことはある?」
「私が忘れていなければ、ないと思います」
tm「そうなんだ。全く知らない感じではなさそうだから、今日はWT国について勉強しようか。」
tm「4カ国それぞれには王族がいて、国の中での最高権力者である彼らの色は、国民の生活や生き方にも関わっているんだ。」
tm「例えばWT国の王族はクリエイティブで、チャレンジャーが多いんだ。この前だって、現国王陛下が大きいイベント運営したり、祝日制定したり...だから、国民も自由で、何かをゼロから作り出すのに長けている人が多いんだ。」
tm「そういえば、○○さんは実況学園に入学予定だったね。色んな国の人が通うから、WT国もだけど、色んな人を見ておいで。きっと面白いよ。」
「はい...質問、いいですか?」
tm「ん、どうしたの〜」
「実況学園への入学は、義務付けられているものなんですか」
丁度実況学園の話題が出たので、良い機会だし、と気になっていたことを聞いてみる。
実況学園にそもそも入学しなければ、攻略対象と出会うことも...ほぼないだろう。
質問内容を伝えると、とも先生は少し眉を下げ、目線を泳がせた。
tm「ん〜、義務じゃないんだよ?ないんだけどお...多分、あそこまでの貴族校って世界でも珍しいから...通っておいたほうが、○○さんの将来のためにはなると思う。」
tm「どうしても通いたくない理由でもあるなら、全然協力するけど...」
「いえ、どうしてもというほどの理由はないので、大丈夫です。すいません、変なことを聞いてしまって。」
tm「いや、いつでも質問しておいで。」
「ありがとうございます」
まあそれほど期待はしていなかったので、いいだろう。
[水平線]
その後も勉強は進み、WT国王子の名前と王位について、この世界の硬貨のことと価値観、●●公爵家の国内・世界規模の立ち位置...などなど、頭がパンクしそうなほど情報を詰め込んだ。
そして、一番のお楽しみ。
tm「うん...じゃあ、魔法の勉強、しようか」
「はい」
───魔法。
前世では空想上の存在で、ファンタジーもののど定番!って感じの、一度は憧れるやつだったが...
今世では、魔法がとても身近にある。
なんでも魔法は、一人一人が生まれ持つ魔力を元にして、ある程度の鍛錬を積めば大体誰でも扱えるものらしく、魔法のなかでも種類は様々だ。
火をつけたり水を出したり、岩を動かしたり風を巻き起こしたり...なんて基本的なものから、
...面倒なのであまり詳しくは言わないが、家系によって違う、個人の得意な魔法まであるらしい。
今日は私の得意な魔法を調べること、そして基本的な初級魔法─火をつけたり水を出したり─の、感覚を掴むことが課題らしい。
因むと、スイラバの中の悪役令嬢は、闇系の魔法が得意で、...悪役令嬢闇落ちルートでは、死神のような召喚獣も召喚してたり、人の精神に作用する禁術に手を出していたり...と、結構つよつよだった。
前世の私が入ってから、何かが変わったのかは分からないが...まあ、ものは試し。努力したもんがちなので、なんでもどんとこいである。
とも先生はせっせとカバンから得意魔法探知機らしきものを取り出し、私の聞き手に取り付け、あまり大きく動かないよう命じた。
大人しく腕に探知機をつけて待っていると、ピピピ、と探知機から電子音が聞こえ始める。
とも先生はそれを取り外して、どれどれ〜と少し嬉しそうに覗くと、ぴたりと急に固まった。
「...とも先生?どうかされました?」
呼びかけると、とも先生はう〜ん...と、困ったように半眼になった。
「もしかして...なかったですか?得意魔法。」
tm「いやぁ...あるんだけど...」
tm「......普通さ、最初って得意魔法、一つなんだよね。それからセンスがある人とか、努力を怠らない人が増やしていけたりするんだけど......」
tm「○○さんの得意魔法、2つ...あったんだよね。」
tm「でもこれは、とても珍しいけど、前例がないわけではないんだよね...でもこれさ、魔力量探知もできて......」
tm「...○○さんの魔力量、カンストしてます。」
「...えぇ...」
どうやら悪役令嬢、最強すぎたみたいです...
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少女のチカラは、少女の想像よりもっと大きく、おぞましい。
少女は、全てを捻じ曲げる能力さえ兼ね備えていることを、まだ知らない。
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日課のランニングを終えて、家族で朝食を囲んでいると、待ちに待ったあれの話が飛んでくる。
カーヴィレ「そういえば、○○。今日から、家庭教師がつくわ。」
ダンテ「あぁ!そうだった、○○、辛くなったら言うんだぞ?」
カーヴィレ「基本的には午前中に政治のことや学園の勉強の予習と魔法、午後に体術、剣術をできる限りでやるみたいよ。」
カーヴィレ「今日はとりあえずどのくらい進められそうかの観察だから、気楽に行ってちょうだいね。」
ダンテ「本当に、嫌じゃないんだな?無理にやろうとしなくても...」
カーヴィレ「ちょっと、あなた。○○が心配で親離れが怖いのは分かりますけど、○○がやりたいと言ったんですから、尊重すべきですよ。」
ダンテは図星だったのか、うぅ...と声にならない音を発している。
今日も今日とて過保護で、いつも通りで安心していると、ピクトがこちらをじっと見つめていた。
pkt「......俺も、剣術をおそわってもよろしいですか」
ピクトがそうこぼすと、カーヴィレは瞳に喜色を浮かべ、微笑んだ。
カーヴィレ「もちろん!ピクトがしたいことなら、なんだってするわ。」
ダンテ「そうだぞ、ピクト。言いたいことは、どんどん言ってくれ!」
そう伝えられると、ピクトは安堵したようにほっと息をつき、ありがとうございます、と伝えた。
一方の私はというと、嬉しい半分、嫌な気持ち半分といったところだった。
ピクトが自分の主張をするようになったのは姉として嬉しいが、攻略対象と関わりすぎるのもな...と心の中で複雑な状況が始まっている。
...まあ、成長は止めるべきではないし、私に止める権限もないのだけれど...
ここは、攻略対象がどの程度か間近で見れるという事実で手を打とう。
とりあえず、食事が終わったら始まるので、カテキョには部屋でお待ちいただいているらしい。
...というか、その事実を早く言ってほしかった。切実に。
私はそれを聞いた瞬間、猛スピードで箸を進め、完食後食堂を飛び出した。
[水平線]
「えぇっと...大丈夫ですか、○○お嬢様。」
息を若干切らしながら登場した私を、赤髪の男性が出迎える。
男性は優しそうな好青年といった印象で、爽やか系イケメンのオーラを纏っている。
恐らくこの方が、私の家庭教師なる方なのだろう。
「...おまたせしてしまい、申し訳ございません。わたくし、●●公爵家が長女、○○・●●でございます。本日から、ごしどうのほどよろしくお願いいたしします。」
「よろしくお願いします...うん、所作や言葉遣いはきちんとなっているね。」
目の前の男性は、「変な子じゃなくて良かった〜」なんて安堵の言葉を小さめにこぼし、きれいにお辞儀を見せてくれた。
「改めまして、本日から○○さんの家庭教師を務めさせていただきます、トモ・アカガと申します。」
tm「気軽にとも先生とか呼んでね〜」
そういった男性──とも先生は、にこりと笑った。
[水平線]
tm「じゃあまず、歴史や政治のことについて勉強しようか。...って言っても、今日はこれからやっていく範囲の確認くらいだけど...」
とも先生は、勉強机に向かった私の目の前で、ホワイトボードを広げた。
tm「最初は、基本の基本からやろうか。まず、世界は4カ国で構成されているんだけど、名前は全部言える?」
「wrwr国、ntjo国、運営国、WT国...ですよね」
tm「正解。僕らが今いるのはWT国だけど、他の3国に行ったことはある?」
「私が忘れていなければ、ないと思います」
tm「そうなんだ。全く知らない感じではなさそうだから、今日はWT国について勉強しようか。」
tm「4カ国それぞれには王族がいて、国の中での最高権力者である彼らの色は、国民の生活や生き方にも関わっているんだ。」
tm「例えばWT国の王族はクリエイティブで、チャレンジャーが多いんだ。この前だって、現国王陛下が大きいイベント運営したり、祝日制定したり...だから、国民も自由で、何かをゼロから作り出すのに長けている人が多いんだ。」
tm「そういえば、○○さんは実況学園に入学予定だったね。色んな国の人が通うから、WT国もだけど、色んな人を見ておいで。きっと面白いよ。」
「はい...質問、いいですか?」
tm「ん、どうしたの〜」
「実況学園への入学は、義務付けられているものなんですか」
丁度実況学園の話題が出たので、良い機会だし、と気になっていたことを聞いてみる。
実況学園にそもそも入学しなければ、攻略対象と出会うことも...ほぼないだろう。
質問内容を伝えると、とも先生は少し眉を下げ、目線を泳がせた。
tm「ん〜、義務じゃないんだよ?ないんだけどお...多分、あそこまでの貴族校って世界でも珍しいから...通っておいたほうが、○○さんの将来のためにはなると思う。」
tm「どうしても通いたくない理由でもあるなら、全然協力するけど...」
「いえ、どうしてもというほどの理由はないので、大丈夫です。すいません、変なことを聞いてしまって。」
tm「いや、いつでも質問しておいで。」
「ありがとうございます」
まあそれほど期待はしていなかったので、いいだろう。
[水平線]
その後も勉強は進み、WT国王子の名前と王位について、この世界の硬貨のことと価値観、●●公爵家の国内・世界規模の立ち位置...などなど、頭がパンクしそうなほど情報を詰め込んだ。
そして、一番のお楽しみ。
tm「うん...じゃあ、魔法の勉強、しようか」
「はい」
───魔法。
前世では空想上の存在で、ファンタジーもののど定番!って感じの、一度は憧れるやつだったが...
今世では、魔法がとても身近にある。
なんでも魔法は、一人一人が生まれ持つ魔力を元にして、ある程度の鍛錬を積めば大体誰でも扱えるものらしく、魔法のなかでも種類は様々だ。
火をつけたり水を出したり、岩を動かしたり風を巻き起こしたり...なんて基本的なものから、
...面倒なのであまり詳しくは言わないが、家系によって違う、個人の得意な魔法まであるらしい。
今日は私の得意な魔法を調べること、そして基本的な初級魔法─火をつけたり水を出したり─の、感覚を掴むことが課題らしい。
因むと、スイラバの中の悪役令嬢は、闇系の魔法が得意で、...悪役令嬢闇落ちルートでは、死神のような召喚獣も召喚してたり、人の精神に作用する禁術に手を出していたり...と、結構つよつよだった。
前世の私が入ってから、何かが変わったのかは分からないが...まあ、ものは試し。努力したもんがちなので、なんでもどんとこいである。
とも先生はせっせとカバンから得意魔法探知機らしきものを取り出し、私の聞き手に取り付け、あまり大きく動かないよう命じた。
大人しく腕に探知機をつけて待っていると、ピピピ、と探知機から電子音が聞こえ始める。
とも先生はそれを取り外して、どれどれ〜と少し嬉しそうに覗くと、ぴたりと急に固まった。
「...とも先生?どうかされました?」
呼びかけると、とも先生はう〜ん...と、困ったように半眼になった。
「もしかして...なかったですか?得意魔法。」
tm「いやぁ...あるんだけど...」
tm「......普通さ、最初って得意魔法、一つなんだよね。それからセンスがある人とか、努力を怠らない人が増やしていけたりするんだけど......」
tm「○○さんの得意魔法、2つ...あったんだよね。」
tm「でもこれは、とても珍しいけど、前例がないわけではないんだよね...でもこれさ、魔力量探知もできて......」
tm「...○○さんの魔力量、カンストしてます。」
「...えぇ...」
どうやら悪役令嬢、最強すぎたみたいです...
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少女のチカラは、少女の想像よりもっと大きく、おぞましい。
少女は、全てを捻じ曲げる能力さえ兼ね備えていることを、まだ知らない。
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