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悪役令嬢はつよくなりたい。

#5

女の子に「お前」

[水平線]

とりあえず、カテキョがつくのは明日から、ということにまとまり、私は結局暇人になってしまった。
そう、暇人なので、使用人のメイドさんが絵本の読み聞かせをしてくれていたのだが...
急に、部屋の扉がバン、と勢いよく開けられた。

侍女「そのとき、おじいさんは言いまし──」
侍女長「ちょっと、アリス!!大変なのよ!」
アリス(侍女)「ええっと、どうしました?マイさん。」
マイ(侍女長)「お嬢様の婚約者様がおいでになっていて──!!」

私へ絵本の読み聞かせ中だというのに、2人は血の色を変えて話している。
というか今、聞き捨てならない言葉が聞こえたのだが。婚約者?
それって、攻略対象の?あの、本好きの?クール系なくせに攻略完了したら甘々になる、あのWT国の??

...いやいや、絵本など呼んでいる場合か、王族だぞ?
というかなぜアポ無しで来るんだ、王族が。意味不。

マイ「...お嬢様、今お嬢様の婚約者の、王族の方がいらしているので、絵本はまた今度でもよろしいですか?」
「え、はい。」
アリス「よぉしお嬢様、爆速でおめかししましょうね!!」

そう言われた瞬間、せっせとメイド改め、アリスが着付けをしてくれる。
適当なワンピースだったのが、ふわふわのドレスに変わり、髪も下ろしていたのがハーフアップに変わった。

流石、私(○○)付きメイド。手際が良い。

そして、いつの間にか私は婚約者様がいる来客用の部屋の前にいた。
後ろを振り返ると、アリスや他のメイドまで私に頑張れ、とガッツポーズをおくっている。
いやいやながらも扉を開けた私、偉いと思う。
扉の先には、本を読みながら座っている、婚約者のスマイルの姿があった。


───モノウ・スマイル。
WT国の第5王子(王族)で、スイラバの攻略対象。
攻略難度は高く、冷静沈着な孤高のクール系イケメンだが、落とすと甘くなる。
そして、そのクールな一面と不器用ながら甘い一面のギャップにやられるプレイヤーも少なくない...といったところか。

スマイルは本好きでよく図書室に入り浸っていて、昼休みや放課後の選択イベで実況学園の図書室を選ぶと、高確率で現れる。
そしてこの男、先程も言ったが攻略難度が高い。
毎日の昼休みイベか大体の放課後イベを費やさなければ、好感度が上がってくれない。
因みに着々とスマイルルートを進めると、婚約者である○○がスマイルにフられ(婚約破棄)、その腹いせに○○がヒロインを虐めるようになる。
まあそんなこんなで2人は妨害を受けながらも愛の力で乗り越え、見事ゴールイン、○○は処刑、という流れだ。

このルートでも、○○はなんかさらっと殺されているが、一応婚約破棄されたとしても、腹いせにヒロインを虐めたりしなければなんとかなりそうだが...
忘れてはいけない、ここは乙女ゲームの世界だ。
未来が書き換わったとしたら先の予測が効かなくなるし、恋の妨害役を無理矢理つくられる(悪役に仕立て上げられる)かもしれない。
油断は禁物、攻略対象とは極力関わらないようにしよう。
...関わらざるを得なそうな人たち以外は。(義弟とか、護衛のカテキョとか。)


「遅れてしまってもうしわけありません。●●公爵家が長女、○○・●●でございます。本日はどのようなごようけんでしょうか。」
決意を決めた私がちらりとスマイルに目を向けると、スマイルは無愛想だが100点な顔面に、不機嫌そうにしわを寄せていた。

smil「...突然来たのはもうしわけないが、今日は次のパーティーについてあわせにきた。」
「パーティー...ですか」

急な単語にはてなマークを数個飛ばしたのち、それらしきイベントを思い出す。
確か、スイラバで舞踏会的なあれがあった気がする。
時期が早すぎるが、そういうパーティーの話は頻繁に聞くので、スイラバのものとは別だと言っていいだろう。
そういえば、最近お忍びで城下に行ったときにパーティーが何か、WT国が何か、みたいな話を聞いた気がする。
スイラバのパーティーはwrwr国主催だったが、スマイルがわざわざ出てくるあたり、WT国主催と見て間違いないだろう。
自分の王国の主催だから、でなければいけないと言われたのかは知らないが。

...というか私達は婚約しているがほぼしていないようなもので、たまに誕生日になると侍女が選んだものを送り合うだけだ。
あ、スマイルがどうかは知らないが、私は侍女に贈り物も手紙も任せているので、あっちも大方同じなのだろうと思っている。
なので、一応の口裏合わせということだろう。
因みに、私は所作やダンス、食事のマナーなどは一通り習っているのでパーティーは別に問題ない。

smil「お前、公爵れいじょうならマナーとかはわかるよな?」
「はい。」
smil「なら、俺とファーストダンスを踊って、あとはいっしょに挨拶しにまわったら勝手にしてて良い。」
「分かりました。」
smil「...じゃあ、用はすんだし帰る。パーティーのこと、忘れるなよ。」
「...はい、お越しいただきありがとうございました。」

私は扉が閉められ、部屋に1人になったあと、自分を落ち着かせるためにふかふかのソファーを殴った。

女の子を、お前はない。
なんだあのクソガキ、権威高いからって調子乗りやがって。
アポ無しで来た上にその態度はおかしいだろ、王族の教育はどうなってる?
婚約者の名前くらい覚えろ、マセガキ。
絶対婚約破棄してやる、まじで。

そんなことを笑みの裏で考えながら、部屋を出る。
すると、私と同じく少し怒ってそうに頬を膨らませた、かわいいメイド達の姿があった。


アリス「なんですか、ルノウ様って!王族って、女の子の扱い方を習わないんですか!?」
侍女「ちょっと、アリス...まあでも、あの王太子様には国は任せたくないなって感じだったわね。」
アリス「だよねえ、ハナ!?やっぱり、あの人と婚約破棄したほうが幸せになれますよ、お嬢様!!」
ハナ(侍女)「それ、言ってるのバレたら処刑されない?私、アリスの未来が心配なんだけど。」
アリス「だっ...、大丈夫だよ...多分...ば、ばれなきゃオッケー!」
侍女「アリス、来世で会おうねぇ〜」
アリス「ちょっと、ナセまで!?ナセは、ルノウ様のことどう思ってんの!?」
ナセ(侍女)「あぁ〜、あの王族みたいな子?なんか、婚約は破棄したほうが良いと思うけど〜、合理的な判断してくれそうだよね〜」

王様としては良いかも、なんて気の抜けるのびた声が届く。
聞き耳を立てていたらしい仲よさげなメイド3人組は、勝手に話を進めていく。
いや、私も婚約破棄はするつもりだが...貴女方第三者...と思っていると、急に方向転換して私に話が振られた。

アリス「ねえ、お嬢様はどう思ってるんですか!スマイル様と同年代の女の子として!!」
ハナ「確かに、お嬢様あまりタイプとか言わないものね、少し気になるわ。」
ナセ「お嬢様、あの王族の子、ナセ的にはおすすめしませんけどお〜、どう思いますか〜?」

「...え〜っと...あまり、いい印象はいだけませんでした...」

正直に言うと、3人は三者三様に、「だよね」と頷いてくれた。


アリス「やっぱり、同じ年の女の子にもモテませんよ、きっと。」
ハナ「そう?顔は良いし、意外と将来女の子泣かせそうじゃない?」
ナセ「なんか王族って、顔いい人多いしね〜。でも〜、女の子の家に急に来るのは、嫌じゃない〜?」
ハナ「まあ、WT国って、最近はちょっと同盟組んでる国とピリピリしてるらしいし、忙しかったのかもね。」
アリス「なにそれ、知らないんだけど...?」
ナセ「なんか、城下では割と噂になってるよねえ、その話〜。本当なのかな〜」

WT国と同盟を組んでる国...ダメだ、今の私の知識じゃ分からなすぎる。
早急にカテキョに来てもらわねば。
3人と私で女子会ならぬ王族愚痴り会が繰り広げられていると、またしても扉が開く。

マイ「...ちょっと、貴方達、窓拭きは終わったんでしょうねえ」
アリス「あ!!マイさん...いや、今しようとしててえ...」
ハナ「言い訳良いから、早く行きなさい。」
ナセ「終わってないのはアリスだけでしょ〜?」
アリス「うっ、裏切り者お!!私もあとちょっとだもん!!」

侍女長改め、マイさんに連行されながらピーピー騒いでいるアリスに、呆れたように2人はため息を付いた。

ハナ「はあ...ナセ、私達も行くわよ。」
ナセ「...まあ、可愛そうだしねえ。ちゃんとやっておいてってハナが言ってたのに...話聞かないよね〜」

そう言って、2人が騒音の元へ去っていった数秒後、「ありがどおおお」なんて鳴き声が聞こえてきた。

騒音発生機は、その後反省文を2人に手伝ってもらっていたらしい。


[水平線]

この日は特にこれ以上濃いことは起こらず、夕食後ベッドにつき、1日が終わった。


[水平線]

世界は別のレールに移ってゆく。
着々と、そのレールは完全に近づいている。

[水平線]

作者メッセージ

婚約者がでました!!WTのsmilさんですね!!
次くらいにカテキョは出ると思います、よろしくお願いします!!

因みに、今までで一番執筆が楽しかったシーンは、今回のメイド3人の会話の部分です。
皆さんは、3人の中では誰推しですか?私はナセが好きです。

2026/03/06 18:35

komo
ID:≫ 6ybA8nH1Vyj8g
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