「ルーナ様~!ルーナ様~!」
ハエのように付きまとってくる使用人から、僕__ルーナは逃げていた。バラの咲き誇る庭園を抜ければ塔に行ける。そこまで全力で駆ける。庭園を抜けると塔が見えてきた。その前に使用人が立つ。先回りされたとルーナは舌打ちした。それから使用人の肩に手を置くと逆立ちしてそのまま後ろへと着地する。軽々とやって見せたそれに使用人は腰を抜かした。ルーナは構わずに塔へ向かう。塔の螺旋階段の一番上から飛び降りると元の姿に戻る。塔から飛び出したのは一匹の美しい竜だった。虹色の鱗に真っ白なたてがみ。翼は大きく強く羽ばたいている。地上は強風で使用人は顔の前で腕をクロスさせて風を防いでいる。
「ちょっくら旅にいってきます。」
ルーナはひらりと身を翻して翼で起こした風で自分の体を強く押し出した。風が顔の毛をそよそよと動かし、それを見ると外の世界へ来たことを実感する。ルーナは竜族の王子なので周りが海の城からほとんど出してもらえない。それは退屈なのでこうやって抜け出すのだ。今日はどこに行こうかと考えていると、小さな孤島を見つけた。ルーナはそこに着地した。
ここまでがリュイが朝練中にうたた寝して見た夢だ。自分はルーナなんて人物知らないし、夢にしてはやけに現実ぽかったからリュイは不思議に思った。今日が[漢字]霧迷[/漢字][ふりがな]むめい[/ふりがな]だったら分かるのだが今日は[漢字]月護[/漢字][ふりがな]つきご[/ふりがな]だ。なぜこんな夢を見たのだろうか。
朝練から切り上げると学園へ向かった。星詠学園は公立の中では質の高い学園だ。先生は怖………厳しいし時間割もハードだが実技訓練ばっかりなのでリュイは好きだ。リュイに取って座学は苦痛でしかないのでこういう[打消し]脳みそまで筋肉でできているような奴らが考えそうな[/打消し]時間割は嬉しい。そんなことを考えながらリュイは学園の教室へ向かったのになぜか図書室へ着いてしまった。これは図書室へ入ってちょっとは座学をしろという星からのお告げだと考えてリュイは図書室に入った。途端に図書室の端に挟まっている本に目が奪われた。古文書みたいな古さの本をリュイは見つめる。首を動かし誰もいないのを確認するとバッグに詰めた。そのまま図書室を出る。
「ぬ、盗んじゃった………!」
一分ほど罪悪感を感じると、気を取り直して教室へ向かった。切り替えが早くないと未来を見る星詠みは大変である、とリュイは思う。
一つ目の授業はリュイを含め三人しか出席していなかった。座学の授業と選べるのだが実技は人気がないようだ。先生はポケットから石を取り出して教室に置いた。深い群青色の石の中は銀色の光の雫を散りばめてあった。
「じゃあ、今日は[漢字]夜月泣石[/漢字][ふりがな]よげつなせき[/ふりがな]で星詠みをしよう。」
「先生!夜月泣石で星詠みはできるんですか?」
「できるとも、ちょっとコツがいるが。」
夜月泣石は別名「忘れられた涙」と言われてどうやってできているのか不明だ。しかし、[漢字]夜嘆[/漢字][ふりがな]やたん[/ふりがな]に力が増すため、負の感情から生まれると推測されている。まあ、そんなんだから扱いが難しい。星詠みに使ったら大災害の未来とか見そうだとリュイは思わず身震いする。それから昨日見た予知を思い出す。あの[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]は何を意味していたのだろう。[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]は普段めったに[漢字]三日月星[/漢字][ふりがな]ルナエ[/ふりがな]に接近することはない。逆に言えば接近するのは[漢字]喪失[/漢字][ふりがな]そうしつ[/ふりがな]の月だけだからあれは喪失の出来事だということになる。
「じゃ、学園裏手の泉に集合!」
先生の声に我に返り、リュイは慌てて学園裏手の泉に向かった。
透明な泉はすでに星を映し出して待っていた。言い忘れていたがここらへん一帯は年がら年中朝から晩まで星が見える。中でも年に一回[漢字]月織[/漢字][ふりがな]つきおり[/ふりがな]の時、[漢字]白輝星[/漢字][ふりがな]セレリス[/ふりがな]に光が満ちるときにやる観測祭。その時の満天の星空は最高だ。今年の観測祭は少し早めにやるらしく今から楽しみだ。
「じゃあ、リュイからな!」
「へ!?私から!?」
「ここの中でシーダスの称号持ってるのはリュイだけだから。」
「先生だって持ってるじゃないですか!」
「いいから早よ行け!」
先生に押し出されてリュイは泉の上に立つ。器の形にした手のひらに夜月泣石を置かれる。リュイは初めて魔力を感じた。それは無数の小さな小さな星の集まりのようで、私の星は金色に輝いていた。それで夜月泣石を包むと夜月泣石が共鳴するように金色と藍色の溶け合った光を発する。泉は一つの波紋を浮かべ、その波紋をリュイは見つめる。予知の中にいたのは星塔に落ちる白い光だった。人々は絶望し星塔から逃げる。大災害という言葉がリュイの頭をよぎった。回避方法を見ようとすると、予知はそこでぷっつり途切れた。リュイは青ざめた顔で先生に報告した。
「先……生………、星塔に……落ちる。」
「なにが?いつ?」
「分からない。白い光が落ちて、周りの人々は逃げ回っていて、回避方法を見ようとしたら、予知は切れた。」
「なるほどな。よし!次!」
雑すぎないかと文句を言う余裕もなくリュイはふらふらと教室に帰った。そこから三つ目の授業まで記憶はない。だが、四つ目の授業の後半にリュイは会わないはずの人に会った。課題が早く終わり、中庭で[漢字]藍月宮ノ花[/漢字][ふりがな]アオルナエ[/ふりがな]の藍色の満月のような花弁をいじっていた時だった。
「あ、リュイさん……!?」
「カゲミヤ!?」
昨日遊んでくれたカゲミヤに会ったのだ。カゲミヤは学園の生徒ではないはずだ。
「なんでいるの?」
「警備バイトで………。」
カゲミヤは縮こまる。それから鼻を動かすと、首を傾げた。
「[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]の匂いがする。君、記憶喪失でもしてるの?」
「え!?[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]の匂いなんてする?」
カゲミヤは控えめに、でもはっきり頷いた。[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]は希少な草で、葉をすりつぶして出てきた汁を飲ませると様々なことを忘れさせることができるというスゴい危険なアイテムだ。でも、[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]を使った覚えはないとカゲミヤに告げると、カゲミヤは首を傾げた。
「それよりさ、お腹空いたんだけど、食堂知らない?」
「知ってる!一緒に食べよ!」
そう提案したとき、ちょうど四つ目の授業の終わりを報せる鐘が鳴った。リュイはカゲミヤの手を掴んで、駆け出す。カゲミヤは戸惑いつつも一緒に走り出した。その時、リュイは昨日の[漢字]宵静[/漢字][ふりがな]よいしず[/ふりがな]の時にした予知の内容を忘れていることに気づいた。宵静と言えばカゲミヤと遊び終わった時らへんだ。まるで[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]を使ったかのようにきれいさっぱり忘れていることに。そんなことリュイは特に気にせず、お腹が空いたので大急ぎで食堂へ向かった。
一方、女の子との距離感が分からないカゲミヤは女の子に手を掴まれて[漢字]紅焔華[/漢字][ふりがな]ルベウス[/ふりがな]の花弁のように頬を真っ赤に染めていた。
食堂で頼んだのはカツ丼だった。気前のいいおばちゃんが持ってきてくれる。
「はいよ!いつも頼んでくれてるからサービスしといたよ!大盛り丼さ!」
「やったぁー!」
おばちゃんのウィンクにリュイは敬礼して箸を取った。手を合わせて上を向く。
「[漢字]赤焔星[/漢字][ふりがな]ルビアス[/ふりがな]、[漢字]蒼影星[/漢字][ふりがな]ノクティル[/ふりがな]、[漢字]白輝星[/漢字][ふりがな]セレリス[/ふりがな]、[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]、[漢字]三日月星[/漢字][ふりがな]ルナエ[/ふりがな]、この五つの星に感謝します。いっただっきまーす!」
リュイはカツ丼を頬張る。頬がとろけるようなカツ丼。リュイはおばちゃんに親指を立ててグッドと示す。おばちゃんはガッツポーズをすると厨房へ帰って行った。カゲミヤとリュイはカツ丼をあっという間に食べ終わった。
「「ごちそうさまでした!」」
二人とも満ち足りた気持ちのまま食堂を出た。
「今日の寝床どうしようかなぁ。」
「うち来る?」
カゲミヤが悩んでいるのを見て、リュイは提案する。すると、カゲミヤの頬が[漢字]赤焔星[/漢字][ふりがな]ルビアス[/ふりがな]色に染まった。
「い、い、い、い、いいの!??」
「うん。」
動揺するカゲミヤをよそにリュイは紙に地図を書く。
「はい、私の住所。じゃあまた家で!」
リュイはカゲミヤを残すと五つ目の授業を受けに教室へ走っていった。残されたカゲミヤは何となくガッツポーズをした。
ハエのように付きまとってくる使用人から、僕__ルーナは逃げていた。バラの咲き誇る庭園を抜ければ塔に行ける。そこまで全力で駆ける。庭園を抜けると塔が見えてきた。その前に使用人が立つ。先回りされたとルーナは舌打ちした。それから使用人の肩に手を置くと逆立ちしてそのまま後ろへと着地する。軽々とやって見せたそれに使用人は腰を抜かした。ルーナは構わずに塔へ向かう。塔の螺旋階段の一番上から飛び降りると元の姿に戻る。塔から飛び出したのは一匹の美しい竜だった。虹色の鱗に真っ白なたてがみ。翼は大きく強く羽ばたいている。地上は強風で使用人は顔の前で腕をクロスさせて風を防いでいる。
「ちょっくら旅にいってきます。」
ルーナはひらりと身を翻して翼で起こした風で自分の体を強く押し出した。風が顔の毛をそよそよと動かし、それを見ると外の世界へ来たことを実感する。ルーナは竜族の王子なので周りが海の城からほとんど出してもらえない。それは退屈なのでこうやって抜け出すのだ。今日はどこに行こうかと考えていると、小さな孤島を見つけた。ルーナはそこに着地した。
ここまでがリュイが朝練中にうたた寝して見た夢だ。自分はルーナなんて人物知らないし、夢にしてはやけに現実ぽかったからリュイは不思議に思った。今日が[漢字]霧迷[/漢字][ふりがな]むめい[/ふりがな]だったら分かるのだが今日は[漢字]月護[/漢字][ふりがな]つきご[/ふりがな]だ。なぜこんな夢を見たのだろうか。
朝練から切り上げると学園へ向かった。星詠学園は公立の中では質の高い学園だ。先生は怖………厳しいし時間割もハードだが実技訓練ばっかりなのでリュイは好きだ。リュイに取って座学は苦痛でしかないのでこういう[打消し]脳みそまで筋肉でできているような奴らが考えそうな[/打消し]時間割は嬉しい。そんなことを考えながらリュイは学園の教室へ向かったのになぜか図書室へ着いてしまった。これは図書室へ入ってちょっとは座学をしろという星からのお告げだと考えてリュイは図書室に入った。途端に図書室の端に挟まっている本に目が奪われた。古文書みたいな古さの本をリュイは見つめる。首を動かし誰もいないのを確認するとバッグに詰めた。そのまま図書室を出る。
「ぬ、盗んじゃった………!」
一分ほど罪悪感を感じると、気を取り直して教室へ向かった。切り替えが早くないと未来を見る星詠みは大変である、とリュイは思う。
一つ目の授業はリュイを含め三人しか出席していなかった。座学の授業と選べるのだが実技は人気がないようだ。先生はポケットから石を取り出して教室に置いた。深い群青色の石の中は銀色の光の雫を散りばめてあった。
「じゃあ、今日は[漢字]夜月泣石[/漢字][ふりがな]よげつなせき[/ふりがな]で星詠みをしよう。」
「先生!夜月泣石で星詠みはできるんですか?」
「できるとも、ちょっとコツがいるが。」
夜月泣石は別名「忘れられた涙」と言われてどうやってできているのか不明だ。しかし、[漢字]夜嘆[/漢字][ふりがな]やたん[/ふりがな]に力が増すため、負の感情から生まれると推測されている。まあ、そんなんだから扱いが難しい。星詠みに使ったら大災害の未来とか見そうだとリュイは思わず身震いする。それから昨日見た予知を思い出す。あの[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]は何を意味していたのだろう。[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]は普段めったに[漢字]三日月星[/漢字][ふりがな]ルナエ[/ふりがな]に接近することはない。逆に言えば接近するのは[漢字]喪失[/漢字][ふりがな]そうしつ[/ふりがな]の月だけだからあれは喪失の出来事だということになる。
「じゃ、学園裏手の泉に集合!」
先生の声に我に返り、リュイは慌てて学園裏手の泉に向かった。
透明な泉はすでに星を映し出して待っていた。言い忘れていたがここらへん一帯は年がら年中朝から晩まで星が見える。中でも年に一回[漢字]月織[/漢字][ふりがな]つきおり[/ふりがな]の時、[漢字]白輝星[/漢字][ふりがな]セレリス[/ふりがな]に光が満ちるときにやる観測祭。その時の満天の星空は最高だ。今年の観測祭は少し早めにやるらしく今から楽しみだ。
「じゃあ、リュイからな!」
「へ!?私から!?」
「ここの中でシーダスの称号持ってるのはリュイだけだから。」
「先生だって持ってるじゃないですか!」
「いいから早よ行け!」
先生に押し出されてリュイは泉の上に立つ。器の形にした手のひらに夜月泣石を置かれる。リュイは初めて魔力を感じた。それは無数の小さな小さな星の集まりのようで、私の星は金色に輝いていた。それで夜月泣石を包むと夜月泣石が共鳴するように金色と藍色の溶け合った光を発する。泉は一つの波紋を浮かべ、その波紋をリュイは見つめる。予知の中にいたのは星塔に落ちる白い光だった。人々は絶望し星塔から逃げる。大災害という言葉がリュイの頭をよぎった。回避方法を見ようとすると、予知はそこでぷっつり途切れた。リュイは青ざめた顔で先生に報告した。
「先……生………、星塔に……落ちる。」
「なにが?いつ?」
「分からない。白い光が落ちて、周りの人々は逃げ回っていて、回避方法を見ようとしたら、予知は切れた。」
「なるほどな。よし!次!」
雑すぎないかと文句を言う余裕もなくリュイはふらふらと教室に帰った。そこから三つ目の授業まで記憶はない。だが、四つ目の授業の後半にリュイは会わないはずの人に会った。課題が早く終わり、中庭で[漢字]藍月宮ノ花[/漢字][ふりがな]アオルナエ[/ふりがな]の藍色の満月のような花弁をいじっていた時だった。
「あ、リュイさん……!?」
「カゲミヤ!?」
昨日遊んでくれたカゲミヤに会ったのだ。カゲミヤは学園の生徒ではないはずだ。
「なんでいるの?」
「警備バイトで………。」
カゲミヤは縮こまる。それから鼻を動かすと、首を傾げた。
「[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]の匂いがする。君、記憶喪失でもしてるの?」
「え!?[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]の匂いなんてする?」
カゲミヤは控えめに、でもはっきり頷いた。[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]は希少な草で、葉をすりつぶして出てきた汁を飲ませると様々なことを忘れさせることができるというスゴい危険なアイテムだ。でも、[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]を使った覚えはないとカゲミヤに告げると、カゲミヤは首を傾げた。
「それよりさ、お腹空いたんだけど、食堂知らない?」
「知ってる!一緒に食べよ!」
そう提案したとき、ちょうど四つ目の授業の終わりを報せる鐘が鳴った。リュイはカゲミヤの手を掴んで、駆け出す。カゲミヤは戸惑いつつも一緒に走り出した。その時、リュイは昨日の[漢字]宵静[/漢字][ふりがな]よいしず[/ふりがな]の時にした予知の内容を忘れていることに気づいた。宵静と言えばカゲミヤと遊び終わった時らへんだ。まるで[漢字]秘密草[/漢字][ふりがな]エクリシア[/ふりがな]を使ったかのようにきれいさっぱり忘れていることに。そんなことリュイは特に気にせず、お腹が空いたので大急ぎで食堂へ向かった。
一方、女の子との距離感が分からないカゲミヤは女の子に手を掴まれて[漢字]紅焔華[/漢字][ふりがな]ルベウス[/ふりがな]の花弁のように頬を真っ赤に染めていた。
食堂で頼んだのはカツ丼だった。気前のいいおばちゃんが持ってきてくれる。
「はいよ!いつも頼んでくれてるからサービスしといたよ!大盛り丼さ!」
「やったぁー!」
おばちゃんのウィンクにリュイは敬礼して箸を取った。手を合わせて上を向く。
「[漢字]赤焔星[/漢字][ふりがな]ルビアス[/ふりがな]、[漢字]蒼影星[/漢字][ふりがな]ノクティル[/ふりがな]、[漢字]白輝星[/漢字][ふりがな]セレリス[/ふりがな]、[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]、[漢字]三日月星[/漢字][ふりがな]ルナエ[/ふりがな]、この五つの星に感謝します。いっただっきまーす!」
リュイはカツ丼を頬張る。頬がとろけるようなカツ丼。リュイはおばちゃんに親指を立ててグッドと示す。おばちゃんはガッツポーズをすると厨房へ帰って行った。カゲミヤとリュイはカツ丼をあっという間に食べ終わった。
「「ごちそうさまでした!」」
二人とも満ち足りた気持ちのまま食堂を出た。
「今日の寝床どうしようかなぁ。」
「うち来る?」
カゲミヤが悩んでいるのを見て、リュイは提案する。すると、カゲミヤの頬が[漢字]赤焔星[/漢字][ふりがな]ルビアス[/ふりがな]色に染まった。
「い、い、い、い、いいの!??」
「うん。」
動揺するカゲミヤをよそにリュイは紙に地図を書く。
「はい、私の住所。じゃあまた家で!」
リュイはカゲミヤを残すと五つ目の授業を受けに教室へ走っていった。残されたカゲミヤは何となくガッツポーズをした。