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三日月の星で僕らは出会う

#1

リュイの星詠み昇格試験

「わわわっ!」

私__リュイの手の中で[漢字]蒼璃石[/漢字][ふりがな]あおりいし[/ふりがな]が跳ねる。リュイは跳ね上がり空中で蒼璃石をキャッチした。しかし、泉の上に浮かぶ魔法は保っておれず、泉の中に落ちた。リュイの癖っ毛な白髪が水に浸かり大人しくなる。だが、頭の上の触角のような毛は下がることなくピーンと立っていた。

「あーあ、ずぶぬれだよ~。」

リュイは青い巫女服の袖を指の先でつまみ上げる。この青い巫女服は「[漢字]星詠学園[/漢字][ふりがな]せいえいがくえん[/ふりがな]」から支給された物だ。汚すと先生が怒る。リュイは先生の怒った顔を想像して唸った。

「ま、仕方ないか。」

リュイは手の中で蒼璃石を浮かべる。リュイの満月のように黄色い目の中に幾つもの星が宿る。蒼璃石が泉を照らす。泉の中に浮かんだのは転んでいるパパの姿だった。もう少し詳しく場所を見ようとした時、音楽が流れ始めた。今日は[漢字]影冥[/漢字][ふりがな]えいめい[/ふりがな]だからいつもより早く朝練を切り上げるんだった。思い出したリュイは蒼璃石を持って泉から上がる。ブーツの紐を縛ると家へ駆け出した。
爽やかな風が肌に心地よい。今月は[漢字]星縁[/漢字][ふりがな]せいえん[/ふりがな]で、しかも明日は[漢字]星天[/漢字][ふりがな]せいてん[/ふりがな]だ。リュイ達「[漢字]星詠み[/漢字][ふりがな]ほしよみ[/ふりがな]」の一族の力がもっとも増す日。そして、中星詠み__ウラヌスへ昇格できる年に一度のチャンス。今年は蒼璃石と間違えて[漢字]月白珪岩[/漢字][ふりがな]げっぱくけいがん[/ふりがな]を持ってくるなんてへまはしない。ちなみに月白珪岩は蒼白色からよく蒼璃石と間違える。本当は[漢字]星紺晶[/漢字][ふりがな]ほしこんしょう[/ふりがな]というとっても綺麗で星詠みの際に最適な宝石があるんだけれども、高いから持っていない。あれこれ考えている内にあっという間に泉を抜けて家に着いた。

「ただいま~!パパ今日転びに注意。」
「おぉ~そうか~。おかえり~。」

転ぶと聞かされても全く関心を持たないパパ。ママは初めてのホットケーキ作りに苦戦中みたい。手を洗おうと動いた瞬間、ママのひっくり返したホットケーキがこちらに飛んできたリュイは思わず蒼璃石でガードする。ベチャと音がしてリュイの手と蒼璃石にホットケーキが付いた。生焼けホットケーキは蒼璃石を包み込んで白い粉まみれにする。リュイは帰ってきて早々に蒼璃石と自分の手を念入りに洗わなければならなくなった。


星縁星天午前__リュイは試験会場の前にいた。手には星紺晶を握っていた。昨日、パパがプレゼントしてくれたのだ。その代わりに絶対に受かれよと念を押された。白い大理石に立派な彫刻が施された神殿のような試験会場にリュイは不安の前に興奮していた。

「すっごい!ボロい学校とは大違い!」

リュイはワクワクしながら試験会場に足を踏み入れた。
中はツルツルの床に高い天井。枝分かれした廊下があり、リュイはますますワクワクしていた。試験コースは年齢によりABCに分かれていて、15歳のリュイはCコース。リュイがCコースに歩くと周りの人が噂し始めた。15歳でウラヌス昇格試験を受けるのはなかなか珍しいのだ。

「リュイだ。」
「15歳の天才リュイ?」
「リュイってあの、学園大爆発事件のリュイ?」
「鶏脱走事件のリュイ?」

色々な噂の中には私の黒歴史も入っていた。リュイはそれらを心の中に押し込めながらCコースに向かった。試験は筆記試験が一時間、実力試験が一時間。リュイは実力試験の方は問題ないが筆記試験の方はダメダメなのだ。自分の席に付くと深呼吸する。時計を見ていた試験管の声が響いた。

「これより、第132回ウラヌス昇格試験の筆記問題を始める。」

その声と共に皆が一斉にペンを取った。リュイも取って問題を見る。だが、感覚派のリュイには厳しい問題ばかりだった。まず、第一問の壁にぶち当たる。
【Q1,星詠みの時に蒼璃石を使う場合魔力を籠めれるのは最大何時間か答えなさい】
知るかボケと言って紙を破り捨てたくなったがそこは我慢だ。リュイは適当に三時間と解答用紙に記入してして第二問へ進む。そうやって解いていく内に第百一問目が見つかった。筆記試験は百問しかないはずだ。
【Q101,貴方は星罰について何か知ってますか?】
リュイは首を傾げた。星罰なんて言葉生まれてから一度も聞いたことないのだ。首を傾げている内に最後の一分が過ぎた。

「試験やめ!」

順番に回収されていく間もリュイの頭の中は星罰のことでいっぱいだった。しかし、そんなことを考えている暇はない。次は実力試験だ。筆記試験を捨てているリュイは実力試験でとんでもない点数を叩き出さないと受からない。リュイはすぐに試験会場へ向かいたかったが、実力試験は一人一人呼ばれてから受けるので名前が呼ばれるまでは待機だ。


「受験番号1973リュイさん、試験会場に来てください。」

リュイは呼ばれてすぐに試験会場へと向かった。試験会場の扉を開けるとリュイの表情は緊張から笑顔に変わった。天井には瞬く満天の星空。地上にはそれを反射する深い泉。目の前の試験管などもはやどうでも良かった。リュイは泉の上を歩き、座った。手に星紺晶を浮かべ、静かに息をもらす。一世一代の大きな予言をしてやろうと考えた。すると、毛が逆巻き、その場の全てをさらうような強風が吹き荒れた。そんな強風の中でリュイが見たのは白い竜と星詠み族がキスを交わしているところだった。空にはオーロラが煌めき、黒い神秘的な星、[漢字]喪失星[/漢字][ふりがな]ロストリア[/ふりがな]があたりを照らす。そんな氷の大地をリュイは見た。訳が分からず考えていると、強風に飛ばされ、お尻を強かに打ちつける。

「いったぁ!」

リュイはお尻をさすりながら試験管に見たことを伝える。それで今回の試験は終了だった。本当なら他にも様々な魔法を見せるのだがどうしてだろうか。リュイは首を傾げながら試験会場を出た。

作者メッセージ

こんばんは、新月の宴です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
完全に自己満小説ですね。
火曜日=影冥、水曜日=星天って感じです。
星縁=3月です。
色々分かりにくいでしょうけど、これも後々明かすつもりです。
感想くれると嬉しさで飛び上がります。

2026/02/26 14:46

新月の宴
ID:≫ 02VUSa70skZUA
コメント

この小説につけられたタグ

暴力表現恋愛異世界人外

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