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輝夜ちゃんは月のお姫様

#2

月のお姫様の事情

月の……お姫様………。
私の頭の中でその言葉がグルグルと回っている。
目の前の少女・輝夜ちゃんは、本気で言っているのだろうか?
千鶴「月の……お姫様……。」
輝夜「うん。月のお姫様だよ?」
輝夜ちゃんがにこりと微笑む。その顔は、息を呑むほど美しかった。月のお姫様と言われても納得するくらい………。いやいや、だからって月のお姫様とか信じられない…。
輝夜「…あのさ……、もしかして、ここって地球……?」
千鶴「…う、うん。地球だよ…?」
輝夜[大文字]「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!! ち、ち、ち、ち、地球!? ここ、地球なの!?」[/大文字]
千鶴「…そ、そうだけど…?」
逆に地球以外があるの…?
完全に私の頭は、混乱していた。
輝夜「…そっか。地球…、地球か。」
輝夜ちゃんが納得したように呟く。何を納得しているのかは、私にはさっぱり分からないけど……。
千鶴「ね、ねぇ…、輝夜ちゃんは、何者なの……?」
私は、ずっと気になっていたことを聞いてみた。輝夜ちゃんは、何者なのだろうか? どこから来て、何があったのだろうか? それは、私の純粋な疑問だった。
輝夜「さっきも言ったけど、私は、月のお姫様だよ。」
千鶴「月の…お姫様……」
私が唱えるように呟く。何回言われても信じられない。月のお姫様なんて、まるでかぐや姫じゃないか。でも、輝夜ちゃんが言うと、本当のように聞こえてくる。
輝夜「そうなの。月生まれ、月育ちの月の姫。それで、私、婚約者がいるんだけど……、やっぱり好きな人と結ばれたいじゃない? だから、家出したの。そしたら、地球に来ちゃったみたい。」
輝夜ちゃんが淡々と事実を伝える。
月生まれ、月育ち…、婚約者…、家出…。
情報が多すぎて頭がパンクしてしまいそうだった。
千鶴「えぇと……、輝夜ちゃんは、月から来たお姫様で、婚約者と結婚したくないから、家出してきたってこと……?」
輝夜「うん。そういうこと。」
そういうことか……ってなんで私、納得しちゃってるの! …でも、冗談には聞こえないな……。
千鶴「で、でも、両親が心配してるんじゃない?」
輝夜「大丈夫! [小文字]多分…[/小文字]」
多分って…絶対ダメなやつ……。
千鶴「で、でも、公園に野宿するつもりなの…?」
輝夜「あぁ、それは……」
[大文字]???「それなら、私に任せるピョン![/大文字]」
私は、突然の声に驚きながら、声のした方を見てみる。すると、輝夜の後ろから声の正体がひょこりと出てきた。[太字]その姿は、兎だった。[/太字]
千鶴「!?」
兎が………喋った……。
[大文字]???「私の名前は、ウサミ! よろしくピョン!」[/大文字]
そのウサミと名乗る兎は、ピョンッとベンチの上から降りると、私の足元にトコトコと近づいてきた。
ウサミ「私は、輝夜の友達の兎! 輝夜と一緒に家出してきたんだピョン!」
ウサミ「まぁ、私は、やめたほうが良いって止めたんだけど、輝夜が言うこと全然聞いてくれなかったんだピョン。」
輝夜「だって! 好きでもない人と結婚するんだよ! そんなの誰でも嫌でしょ!」
確かに好きでもない人と結婚するのは、嫌だな………。でも、それはちょっと勝手すぎでは……?
輝夜「だから、私は、地球で真実の恋を見つける事にする! それまで月に帰らない!」
千鶴「し、真実の恋……。」
ウサミ「何を言ってるんだピョン! そんなのダメに決まってるピョン! 早く月に帰るピョンよ!」
輝夜「私は、還らない!! 結婚したくないもの!!」
ウサミ「そんなこと言わずに帰るピョン!」
ーーーーーーー
………どれくらい時間が経っただろう。月に帰ろうという兎のウサミVS月に帰りたくない月のお姫様の輝夜ちゃんの戦いは、まだ続いていた……。
正直私は、早く家に帰りたい………。
決着が着いたのか、2人がやっとこちらを見た。
ウサミ「千鶴…、ごめんピョン。人間の千鶴を巻き込んじゃったピョン…。」
輝夜「ごめんね、千鶴。」
千鶴「あ…えっと、うん、大丈夫だよ(?)」
ウサミ「その代わり、家まで送ってあげるピョン!」
その瞬間、私の身体が軽くなり、フワッと宙に浮いた。?????? 何がどうなって……。言葉の通り…浮いている、私が……宙に…浮いている……。
千鶴「えぇ!?」
ウサミ「私が家まで送ってあげるピョン!」
千鶴「ど、どうなってるの!?」
ウサミ「念力みたいな感じだピョン!」
念力みたいな感じって………。
ウサミ「おやすみ、千鶴。」
輝夜「おやすみ、千鶴。また会おうね。」



それからの記憶は、ない。
[水平線]



私が目を覚ますと、ベッドの上だった。カーテンからは日が漏れ、鳥の鳴き声がした。
千鶴「…朝……?」
私がベッドの上から起き上がる。
千鶴「…もしかして、昨日って…夢……?」
千鶴「……な〜んだ。夢か、夢か。びっくりした〜。」
千鶴「それにしても不思議な夢だったな……。」
私がそんなことを呟やいていると、一階からお母さんの声がした。
[大文字]母「千鶴〜! 学校遅れるわよ〜[/大文字]!」
ハッ! しまった、学校に遅れる!
千鶴「は〜い! 今すぐ行く〜!」
[水平線]

[大文字][太字]学校[/太字][/大文字]
私が学校の席に着くと、親友の萌歌が挨拶をしてきた。
萌歌「おはよー。」
千鶴「あ、萌歌。おはよう。」
萌歌「ねぇねぇ、ちづ。[大文字]今日、転校生が来るらしいよ[/大文字]」
千鶴「転校生…?」
萌歌「そう! 転校生! 楽しみだよね〜。男の子のかな? 女の子かな? まあ、どっちにしても友達になれるといいな〜。」
転校生…か。まぁ、転校生が来たとしても、私の日常は、ほとんど変わることはないだろう。
[大文字]先生「みんな〜、席に着け〜! 転校生を紹介するぞ〜!」[/大文字]
教室がざわざわとざわつく。
A子「[小文字]転校生?[/小文字]」
B男「[小文字]美人だったらいいな〜。[/小文字]」
C美「[小文字]どんな子かな?[/小文字]」
私は、チラリと隣の席の萌歌を見る。萌歌は、転校生に興味津々なようでドアの方をジッと見つめていた。
先生「入って来なさい。」
すると、ドアがガラリと開き、転校生が入ってくる。その転校生は、息を呑むほど美しかった。そう、まるで昨日の少女のように………。
そして転校生は、教卓の前に達、みんなに挨拶をした。
???「こんにちは。[大文字]私の名前は、姫月輝夜です。[/大文字]」
千鶴「え…。」
私は、目を大きく見開く。
信じられない…、あれは夢じゃなかったの…?
だとしたら……この子は……

輝夜「これからよろしくお願いしますね。」
その美少女……輝夜がその美しい顔でニコリと微笑んだ。



続く……。

2026/02/11 22:12

一ノ瀬栞
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