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無自覚系非常識チートなお嬢様の成長譚

#3

第3章:お嬢様、 学園に行きます。

 日が燦々と照らす昼時。
 ラーズはそんな真っ昼間、白昼堂々と、王都内で他の公爵家の人にやっかまれていた。
 事の経緯はこうだ。

ラーズ)よしっ!...今日から王都だからね!、張り切って行かないと!

 ラーズが支度を済ませて玄関にいると、

フィズ)ラーズちゃん!、気をつけるのよ!、いじめとかあったら私に言ってね!

ランデ)そうだぞラーズ!、お父さんも守ってやるからな!、何かあったら実力行使しても良いぞ!、責任問題とかはお父さん達がなんとかするから!

 と親二人に心配されながら馬車に乗って学園へ向かう。

ラーズ)カナタ〜、僕ってそんないじめられやすいのかな?

 ラーズは親二人の心配様から自分がいじめられやすいのかと思ってしまった様で、

カナタ)まぁ、"F-の無能"貴族ですし、それでも公爵家だから早々いじめとかはないとは思うんですがね、

 さら〜っとラーズの悪口を言いながら王都に向かうラーズ達。

ラーズ)何かあったら頼んだ!

 カナタにそう言うとカナタは興奮気味にラーズを見て一言、
カナタ)お嬢様が命じるのであれば。

 嬉しそうに言って来るカナタに少し引きながら、外を見る。

ラーズ)王都まではこの道を渡っていけばすぐなんだっけ?

 馬車のドアについている小窓で外を見る。
 外は"大草原"である、前に討伐したオークの発生場所が見えない程遠くにあるのを感じて感慨に耽る。
 王都は"大草原"の中間辺りにあり、そこを超えたら我らがユグドラシル領で、
 それより手前側はラーズが冒険者として名を馳せていた小さな街"ファルミア"領である。
ちなみに大草原の名前は"ネムフィア中央大草原"と言うらしい。
 ファルミア領の所にいる貴族、"レイ・ファルミア男爵"とは仲が良く、そこの娘さんも学園に行くそうな、

ラーズ)ファルミア男爵さんの娘さんか〜!、仲良くできると良いなぁ〜!

 大きく背伸びをしてそんな事を呟くラーズ。
 なんせ片道65km、魔法などで早くなった馬がいる馬車で行くにも、数時間かかるのであった。
 それから馬車の中でカナタと雑談していると数時間経っていた様で、

ラーズ)おぉ〜!!

 目を輝かせるラーズ、それもそうだろう。
 なんたって目の前に広がっているのはこの"ネムフィア王国"が誇る"王都ネムフィア"なのだから。

カナタ)こうも壮観だとは....私も知りませんでしたよ。

 西洋式の、いわゆる中世を感じさせる建物が並び、その中には防具屋や、ギルド、果てには娼館なんてものもある。
 流石に娼館をマジマジと観るほどラーズは変態ではない様で、

ラーズ)いやいや、それにしても...だね。

 八百屋や鮮魚市など、田舎の比にならない数がある為、そう言うもの(第一次産業)を疎かにしない良い国王が務めているんだと一目で分かる。
 さて、ラーズが直面している問題が一つある。
 目の前で少女がいじめられているのだ、しかも明らかに同年代で顔見知り(写真)の。

ラーズ)あれってもしかしなくても....

 ラーズが違うよな?という淡い希望を込めてカナタに聞くが、それをカナタは知らんぷりして当たり前の様に粉砕する。

カナタ)はい。あれはファルミア領が領主レイ・ファルミア男爵の一人娘、"ミルフィ・ファルミア"です。

 カナタがそう言った瞬間、ラーズはファルミアを虐めてる奴に月歩を混ぜた蹴りを喰らわせようと全速力で向かうのだった。

ミルフィ)や、やめてくださいっ!.."ユガ・ユーマイン公爵"様ッ!!...

 ミルフィはユガが自分の手を掴んできたので払いのけた。
 これが何よりもいけなかった。
 男爵が公爵の命令に逆らってはならない、これが定着しているユガにとって、この態度は許されざるものだったのだ。

ユガ)貴様貴様貴様ァッ!...この俺様の愛人にしてやろうって言うのが聞こえなかったのかァッ!!

 ユガは癇癪を起こした子供の様に怒っている。
 挙句の果てには自身の親衛隊を使いミルフィを囲んだのだ。
 ミルフィはなんとか抵抗しようと親衛隊の騎士達を睨みつけるのだが、

騎士)ハッ、小生意気な嬢ちゃんだなぁ、コレがユガ様のじゃなければ今頃食ってやったのに。

 その発言にユガ含め親衛隊の騎士達がハッハッハと高笑いを始める。
 その下賎な会話、下衆な瞳、糞の様に汚い心、それら全てが合わさった最早醜悪の塊とも言えるモノを見たミルフィはその場で尻餅をついてしまう。
 本能的に悟ったのだ、親衛隊は計5人、いくら少数とはいえ公爵家の親衛隊の騎士なのだ、そんな相手に勝てるわけもなく、そして、ユガは公爵、ミルフィは男爵、
 誰も助けには来ない様に思えた、もうダメだと最後の一絞り、目一杯の力を使って叫ぶ、

ミルフィ)“助けて!!”

 非情にも、その叫びには誰も反応しない。
 そう思った親衛隊の隊長らしき人物が前に出て来る。

親衛隊隊長)ハッ、残念だったな、我らがユーマイン公爵家に楯突いてまでお前みたいな男爵の娘を助ける様なバカな奴は....

 その時だった。
 "目の前に蒼い閃光が走った様に見えた。"
 そして気づいたら、親衛隊の団長はぶっ飛ばされていたのだ。

ラーズ)うぉっ、二艘跳なのに案外飛ぶなぁ、あの人弱いのかな。

 そんな事を言うラーズは、ミルフィから見たら、水色の長いロングヘアで腰まで髪が届きそうで、そんな髪が風に靡いて動き、
 横髪から少し見える緑の瞳のその様は、まるで、かの英雄"神"を見ているようだったという。

ラーズ)で、君大丈夫?

 なんの躊躇いもなくミルフィに手を伸ばすラーズ、側から見たらそれは異様な光景だった。
 なぜならばラーズの家系、ユグドラシル家は冒険者貴族として名高いが、王爵を持つ王ですら、その娘に関しては一切の情報規制が行われていたのだ。なお、領民にはバレる。
 ユグドラシル家は元々王族の親戚に当たるモノ、故、大公にもなれると言うのにそれを拒否し、その代わりにある程度の権限を求めてきた、そしてその権限と来たらば今や王と同等とまで言われている。
 つまりは、だ。
 そんな王相手にすら隠し通す情報を一般人が知っている訳もなく、側から見れば、
"ちょっと強い変な少女が貴族関係を知らずに男爵の子を可哀想と思った助けた"という風になる。
 もちろん、ミルフィは願ったり叶ったりだが、
 彼女、ラーズが罰せられて欲しくないという気持ち一心でラーズに言う。

ミルフィ)今すぐここからお逃げくださいッ!

 ミルフィがいきなりそんな事を言うモノだから、
 ラーズは驚きながらもなんで?と言う顔をする。

ミルフィ)貴女は知らないでしょうが、あの人は公爵家です!、ユーマイン公爵家!、貴女も一度は聞いたことがあるでしょう?!

 助けてもらった恩を忘れて、
 いや、焦りすぎてそれどころではない様に、ラーズをここから逃がそうとしている、

ユガ)おい貴様!、まぐれとは言え俺様の親衛隊の隊長を蹴飛ばして、そんな所業が許されると思うなよ!、お父様に言いつけたらお前なんかすぐパーだからな!

 まったく、可哀想な奴である。
 正直言ってユガがラーズの家、つまりはユーマイン公爵家がユグドラシル公爵家(ほぼ王爵と同等)相手に勝とうなどと、そんな事この貴族社会では不可能なのである。
 ラーズは自分の家や貴族関係には詳しいらしく、そこら辺も把握している。
 ミルフィの心配など気にも留めていないかの様に、ユガの前に立つ。

ラーズ)やりたいならいくらでもどうぞ、僕、強いので。

 その言葉をラーズが発すると同時、何も知らないミルフィは絶望に染まったかの様な顔をしており、
 ユガはラーズの言葉に怒り浸透といった様に、周りに居る親衛隊を集め、ラーズの蹴りでダウンしていた親衛隊隊長がユガとラーズの間に立つ。

親衛隊隊長)ふん、さっきはお前のその子供の姿に油断したがもう油断はしない、捕まえて俺らの...

 ジュルリと下品な涎を吸う音をさせると、ミルフィはその惨劇から目を逸らす様に"長髪"でベージュに近しい色をしている自分の髪を目をやる、その時、一つ思い出した。
 あれはそう、夜も夜、真夜中の時間、寝れず、ミルフィが部屋を出て、
 大広間に行くと、読書をしていたミルフィの父、レイ・ファルミア男爵との会話。

レイ)いいかい?、ミルフィ、我が領にはとある貴族の娘さんがいる、その子はとても強くてねぇ、どんな魔物でもすぐにやっつけてしまうんだ。

ミルフィ)わぁ!、すっごい人だね!、それでそれで?、私気になっちゃった!

 私は夢中になってその人の話を聞いた。
 曰く彼女は、生まれた時から傭兵と同じレベルに強かったと、
 曰く彼女は、爀灼竜と呼ばれるBランク相当の魔物の攻撃を仲間に当てまいと、たった一人で捌き切ったという、
 曰く彼女は、その可愛さで見る者を虜にするが、閃光の如し速さであり戦場で姿を見る事は叶わないという。
 曰く、彼女の二つ名は、、

ミルフィ)"蒼き...閃光"

 ミルフィは思い出した途端その言葉が口から溢れ出た、それと同時に、目の前に再び"蒼き閃光"が走る。

親衛隊1)グホォ?!

親衛隊2)グベラッ?!

 ラーズの閃光の蹴り 四艘跳を放たれ、親衛隊二人を軽く同時に吹き飛ばす。
 彼らが吹き飛んだ距離はおよそ200メートル、そもそも、200k越えを軽く10メートルほど宙に蹴り上げる威力で、
 50〜60程度しかない者を水平に蹴ろうものなら、本来は鎧が消し飛んでいるだろうが、
 まぁ、やはりそこは威力がないので仕方あるまい。
 その他の親衛隊の隊員、隊長とユガは何が起こったか分からず混乱している。
 だがミルフィはその"答え"にたどり着いている。
 "蒼き閃光"、その名は国からも重要視される伝説の冒険者、彼女と共に狩場に出た者の証言だと、ほぼ全員が"青い閃光が走った"と言う。
 そしてその話を知っているのはもちろんミルフィだけではない、この逸話は冒険者内のみならず、貴族、そして騎士などにも伝わっている。
 そう、"貴族"や"騎士"などにも伝わっているのである。

ユガ)まさか、有り得んだろ、、なんで、なんでこんな所にお前がいるんだ!

 焦った様に声を張り上げるユガ、その横では親衛隊隊長が隊員を軽く蹴り飛ばした事に腰を抜かしてミルフィの様に尻餅をついている。
 親衛隊隊長はそのユガの言葉に少し頭にハテナマークを浮かべるもすぐに"答え"にたどり着く。

親衛隊隊長)なんで、なんでこんな所に伝説の"蒼き閃光"が居るんだよぉッ!!

 "伝説の"蒼き閃光、そう呼ばれてはて?、と頭を傾げるラーズ。
 それもそのはず、彼女は自分の実力を把握していないのだ。
 爀灼竜、アレは推奨ランクB、そうBなのだ。
 通常、推奨ランクとは、"パーティー全体のの平均冒険者ランク"、ギルドが言うパーティーとは、"5人パーティー"の事である。
 有名なパーティーの"勇者の神道"は4人だが、これには理由があり、
 ユウキが密かに恋焦がれている青髪ですんごい速い女の子をパーティーに入れるためだとか、
 話は脱線したが、つまりは、"5人がBランクでやっと勝てる"モンスターの、"攻撃をたった一人で捌き切った"のだ。
 これは彼女のランクがA相当、いや、それ以上だと言われる所以である。
 ちなみに爀灼竜の事を彼女は"暑っ苦しいトカゲ"としか思っていない。
 それと、彼女は把握していないが、
 どこぞの娘大好きな天を割るお父さんや、娘大好きな海を氷に変えるお母さんなども、彼女の実力を聞いている。
 だがしかし、彼女は攻撃力が皆無なのである。
 そこのみ、人々に改変されて伝わっているのだっ!
 攻撃力が皆無にしろ囮役として強すぎるからどっちもどっちだと作者は思う。

ラーズ)まぁ!、なんにしろ、ボクの友達を傷つけるのは許されざる行為だからね!、本気でお相手するよ。

 蹴りの構えを取る。
 今の彼女の攻撃方法がほぼ蹴りか串しかない事は彼女の身内と深い冒険者の知り合い以外、誰も知らない。
 よって、彼女の蹴りの構えは周りから見たら手加減している様にしか見えないのである。
 その結果、どうなるのかと言うと、

親衛隊隊長)な、何が伝説の蒼き閃光だ!、舐めやがって!、こんな少女に、こんな少女に負けるほど俺は落ちぶれてねぇぇ!!!

 親衛隊隊長は煽られていると勘違いし、激昂。
 己が剣を構え、

------------------ー製作中-----------------------

作者メッセージ

特に無し

2025/09/26 15:27

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