閲覧前に必ずご確認ください
殺し、虐殺の描写があります(描写、下手です)。
そうして、ひと通り見回った後。少年は、てきとうに、あるいは狙って、死体の山から複数体の死体を取り出し、ズルズルと村の中心へ集めた。
集めた死体に囲まれながら、少年は何かをしている。
そこへ――少女は現れた。
「白い髪の少年」
「うわっ……」
少年は、とっさに刀を構えたが、混乱したようすだった。さっき見た時はいなかったはずなのに……、などと、ぶつぶつつぶやいている。
「なに、だれ……、お前?なんで話しかけ……どこにいたんだ?」
どうやら、さきほど見つけられなかった理由を知っておきたいらしい。
少女は、指で示した。
「ああ……、あの祠みたいなとこ。人形かと思ってスルーしたんだよな……」
一度横を向いて、また少女の方へ向き直った。
「……で?お前は、俺に何しようと思って、話しかけたんだ?」
「少年が、死体を集めて何かしてたのが、うまく見えなくて、気になったから」
「年下から少年呼ばわり……。いや、エルフだから、年上かも?……だとしても、少年はヤだな」
と、露骨に嫌そうな顔をした。
「何をしようとしていたんだ?」
「……」
少年は、少女から目をそらした。おそらく、通常ならば、少年はそんなことしないのだろう。敵かもしれない者の前で、隙を見せるなんて、そんなこと。
でも少年は、目をそらした。
――何を考えたのだろう……。
少年が、口を開いた。
「俺は、人間?魔族?エルフ?どれに見える?」
少女は、少年の全身を見つめる。
「人間?」
「筋肉質な人はともかく……、こんな俺みたいなひょろひょろな人間、エルフ一人だって、殺せないだろうね」
確かに、少年にそんな力があるようには見えない。
「じゃあ魔族?」
「俺は、ツノ生えてないよ」
少年は、自分の前髪を上げ、おでこを見せた。特に何もない。
「じゃあエルフ?」
「俺は、耳長くないよ」
少年は、少し長い横髪をかき分け、耳を見せた。長いわけではない。
「じゃあ何?からかわないで、教えて」
少女は、ほほえんでいる少年に対して、少し厳しめに言った。
「……俺は、魔族なんだよ」
「ツノがないのに?」
少年は少し嫌そうな、少しホッとしたような、複雑な笑みをうかべながら、前髪の上からおでこをさわった。
「魔族の中でも、俺は変わってるからな」
「そういうもの……?」
「そういうもの。じゃ、この質問はおしまい。殺すね?」
少年は、グ、と刀を握る力を強めたようだった。
「ちょっと待って!質問したのは、『何をしていたのか』。『少年の正体』は、聞いてない」
「……」
また、目をそらした。と、同時に刀をおさめた(鞘はないため、少女に刃先を向けるのをやめたという意味だ)。少女が少年への敵意はないと気づいたようだ。
「……俺は、魔族なんだ。それだけじゃ、伝わらない?」
少女は、こくりとうなずいた。
「これは、俺の恥だから、言いたくねぇんだけどなあ……」
「でも、知りたい。だから、教えて?」
少年は、その場にどかりと座り込んで、少女を見た。
「魔族が、人を襲うのは知ってるな?」
「うん」
「じゃあ、なんで人を襲うかは知ってる?」
「楽しむためと、食べるため……」
「よく知ってんのな。じゃあ、魔族の俺が、エルフを襲った理由は?」
少女は、そこまで言われて、やっと気づいた。
「その、集めた死体、もしかして食べるの?」
「そういうこと……」
とてつもなく嫌そうに、肯定した。
なんでそんな嫌そうに……?
「人が人を食べるなんて、気持ち悪いだろ?だからだ」
「……今、口に出してた?」
「は?お前が聞いたんじゃんか」
話し慣れてないからかな……。
「……これで、質問には答えたことになるだろ?もういい?」
「少女を殺すの?」
少年は、おどろいた顔をした。
「……その、少女って、一人称?」
「いち……?」
一人称って、なんだろう?
「その、俺が、自分のことを俺って呼ぶやつのこと」
「ああ、……そうだけど。だってみんな、少女のこと、少女って呼ぶし」
「少女が名前なのか……」
少年は、なんだろう、何かの感情がこもった目で、少女を見てくる。
「はあー……。まあどうせ、俺が殺して死ぬんだし……。幸せは他人が決められるものではない、……か」
ボソボソと、つぶやいている。
「少年?それで、今から少年は少女を殺す?少女は死ぬ?」
「ま、そうだな……。だから、正直に話したってところあるし」
「ねえ、」
少女は、ずっと思っていた気持ちを、伝える。
「殺さずに、一緒に旅に連れて行ってくれないかな?」
集めた死体に囲まれながら、少年は何かをしている。
そこへ――少女は現れた。
「白い髪の少年」
「うわっ……」
少年は、とっさに刀を構えたが、混乱したようすだった。さっき見た時はいなかったはずなのに……、などと、ぶつぶつつぶやいている。
「なに、だれ……、お前?なんで話しかけ……どこにいたんだ?」
どうやら、さきほど見つけられなかった理由を知っておきたいらしい。
少女は、指で示した。
「ああ……、あの祠みたいなとこ。人形かと思ってスルーしたんだよな……」
一度横を向いて、また少女の方へ向き直った。
「……で?お前は、俺に何しようと思って、話しかけたんだ?」
「少年が、死体を集めて何かしてたのが、うまく見えなくて、気になったから」
「年下から少年呼ばわり……。いや、エルフだから、年上かも?……だとしても、少年はヤだな」
と、露骨に嫌そうな顔をした。
「何をしようとしていたんだ?」
「……」
少年は、少女から目をそらした。おそらく、通常ならば、少年はそんなことしないのだろう。敵かもしれない者の前で、隙を見せるなんて、そんなこと。
でも少年は、目をそらした。
――何を考えたのだろう……。
少年が、口を開いた。
「俺は、人間?魔族?エルフ?どれに見える?」
少女は、少年の全身を見つめる。
「人間?」
「筋肉質な人はともかく……、こんな俺みたいなひょろひょろな人間、エルフ一人だって、殺せないだろうね」
確かに、少年にそんな力があるようには見えない。
「じゃあ魔族?」
「俺は、ツノ生えてないよ」
少年は、自分の前髪を上げ、おでこを見せた。特に何もない。
「じゃあエルフ?」
「俺は、耳長くないよ」
少年は、少し長い横髪をかき分け、耳を見せた。長いわけではない。
「じゃあ何?からかわないで、教えて」
少女は、ほほえんでいる少年に対して、少し厳しめに言った。
「……俺は、魔族なんだよ」
「ツノがないのに?」
少年は少し嫌そうな、少しホッとしたような、複雑な笑みをうかべながら、前髪の上からおでこをさわった。
「魔族の中でも、俺は変わってるからな」
「そういうもの……?」
「そういうもの。じゃ、この質問はおしまい。殺すね?」
少年は、グ、と刀を握る力を強めたようだった。
「ちょっと待って!質問したのは、『何をしていたのか』。『少年の正体』は、聞いてない」
「……」
また、目をそらした。と、同時に刀をおさめた(鞘はないため、少女に刃先を向けるのをやめたという意味だ)。少女が少年への敵意はないと気づいたようだ。
「……俺は、魔族なんだ。それだけじゃ、伝わらない?」
少女は、こくりとうなずいた。
「これは、俺の恥だから、言いたくねぇんだけどなあ……」
「でも、知りたい。だから、教えて?」
少年は、その場にどかりと座り込んで、少女を見た。
「魔族が、人を襲うのは知ってるな?」
「うん」
「じゃあ、なんで人を襲うかは知ってる?」
「楽しむためと、食べるため……」
「よく知ってんのな。じゃあ、魔族の俺が、エルフを襲った理由は?」
少女は、そこまで言われて、やっと気づいた。
「その、集めた死体、もしかして食べるの?」
「そういうこと……」
とてつもなく嫌そうに、肯定した。
なんでそんな嫌そうに……?
「人が人を食べるなんて、気持ち悪いだろ?だからだ」
「……今、口に出してた?」
「は?お前が聞いたんじゃんか」
話し慣れてないからかな……。
「……これで、質問には答えたことになるだろ?もういい?」
「少女を殺すの?」
少年は、おどろいた顔をした。
「……その、少女って、一人称?」
「いち……?」
一人称って、なんだろう?
「その、俺が、自分のことを俺って呼ぶやつのこと」
「ああ、……そうだけど。だってみんな、少女のこと、少女って呼ぶし」
「少女が名前なのか……」
少年は、なんだろう、何かの感情がこもった目で、少女を見てくる。
「はあー……。まあどうせ、俺が殺して死ぬんだし……。幸せは他人が決められるものではない、……か」
ボソボソと、つぶやいている。
「少年?それで、今から少年は少女を殺す?少女は死ぬ?」
「ま、そうだな……。だから、正直に話したってところあるし」
「ねえ、」
少女は、ずっと思っていた気持ちを、伝える。
「殺さずに、一緒に旅に連れて行ってくれないかな?」