閲覧前に必ずご確認ください

殺し、虐殺の描写があります(描写、下手です)。

文字サイズ変更

バグ

#5

第四章

 そうして、ひと通り見回った後。少年は、てきとうに、あるいは狙って、死体の山から複数体の死体を取り出し、ズルズルと村の中心へ集めた。
 集めた死体に囲まれながら、少年は何かをしている。
 そこへ――少女は現れた。
「白い髪の少年」
「うわっ……」
 少年は、とっさに刀を構えたが、混乱したようすだった。さっき見た時はいなかったはずなのに……、などと、ぶつぶつつぶやいている。
「なに、だれ……、お前?なんで話しかけ……どこにいたんだ?」
 どうやら、さきほど見つけられなかった理由を知っておきたいらしい。
 少女は、指で示した。
「ああ……、あの祠みたいなとこ。人形かと思ってスルーしたんだよな……」
 一度横を向いて、また少女の方へ向き直った。
「……で?お前は、俺に何しようと思って、話しかけたんだ?」
「少年が、死体を集めて何かしてたのが、うまく見えなくて、気になったから」
「年下から少年呼ばわり……。いや、エルフだから、年上かも?……だとしても、少年はヤだな」
 と、露骨に嫌そうな顔をした。
「何をしようとしていたんだ?」
「……」
 少年は、少女から目をそらした。おそらく、通常ならば、少年はそんなことしないのだろう。敵かもしれない者の前で、隙を見せるなんて、そんなこと。
 でも少年は、目をそらした。
 ――何を考えたのだろう……。
 少年が、口を開いた。
「俺は、人間?魔族?エルフ?どれに見える?」
 少女は、少年の全身を見つめる。
「人間?」
「筋肉質な人はともかく……、こんな俺みたいなひょろひょろな人間、エルフ一人だって、殺せないだろうね」
 確かに、少年にそんな力があるようには見えない。
「じゃあ魔族?」
「俺は、ツノ生えてないよ」
 少年は、自分の前髪を上げ、おでこを見せた。特に何もない。
「じゃあエルフ?」
「俺は、耳長くないよ」
 少年は、少し長い横髪をかき分け、耳を見せた。長いわけではない。
「じゃあ何?からかわないで、教えて」
 少女は、ほほえんでいる少年に対して、少し厳しめに言った。
「……俺は、魔族なんだよ」
「ツノがないのに?」
 少年は少し嫌そうな、少しホッとしたような、複雑な笑みをうかべながら、前髪の上からおでこをさわった。
「魔族の中でも、俺は変わってるからな」
「そういうもの……?」
「そういうもの。じゃ、この質問はおしまい。殺すね?」
 少年は、グ、と刀を握る力を強めたようだった。
「ちょっと待って!質問したのは、『何をしていたのか』。『少年の正体』は、聞いてない」
「……」
 また、目をそらした。と、同時に刀をおさめた(鞘はないため、少女に刃先を向けるのをやめたという意味だ)。少女が少年への敵意はないと気づいたようだ。
「……俺は、魔族なんだ。それだけじゃ、伝わらない?」
 少女は、こくりとうなずいた。
「これは、俺の恥だから、言いたくねぇんだけどなあ……」
「でも、知りたい。だから、教えて?」
 少年は、その場にどかりと座り込んで、少女を見た。
「魔族が、人を襲うのは知ってるな?」
「うん」
「じゃあ、なんで人を襲うかは知ってる?」
「楽しむためと、食べるため……」
「よく知ってんのな。じゃあ、魔族の俺が、エルフを襲った理由は?」
 少女は、そこまで言われて、やっと気づいた。
「その、集めた死体、もしかして食べるの?」
「そういうこと……」
 とてつもなく嫌そうに、肯定した。
 なんでそんな嫌そうに……?
「人が人を食べるなんて、気持ち悪いだろ?だからだ」
「……今、口に出してた?」
「は?お前が聞いたんじゃんか」
 話し慣れてないからかな……。
「……これで、質問には答えたことになるだろ?もういい?」
「少女を殺すの?」
 少年は、おどろいた顔をした。
「……その、少女って、一人称?」
「いち……?」
 一人称って、なんだろう?
「その、俺が、自分のことを俺って呼ぶやつのこと」
「ああ、……そうだけど。だってみんな、少女のこと、少女って呼ぶし」
「少女が名前なのか……」
 少年は、なんだろう、何かの感情がこもった目で、少女を見てくる。
「はあー……。まあどうせ、俺が殺して死ぬんだし……。幸せは他人が決められるものではない、……か」
 ボソボソと、つぶやいている。
「少年?それで、今から少年は少女を殺す?少女は死ぬ?」
「ま、そうだな……。だから、正直に話したってところあるし」
「ねえ、」
 少女は、ずっと思っていた気持ちを、伝える。
「殺さずに、一緒に旅に連れて行ってくれないかな?」

作者メッセージ

読んでくださりありがとうございます!
今回は、少女が出ました。
やっぱりちょっと、おかしい子なんです。

2026/08/01 17:52

楓ひなた
ID:≫ 72f7ySuR6WeuU
コメント

この小説につけられたタグ

幸せ少年少女異能力異世界連載小説

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は楓ひなたさんに帰属します

TOP