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4月
私立星稜中学校。受験を突破した生徒が集まるこの学校で、●●は入学早々、学年一の有名人になっていた。
整った顔立ちに、どこか冷めたような大人びた雰囲気。女子たちは遠巻きに彼を眺め、廊下ですれ違うたびに歓声が上がる。しかし、当の●●は、自分に向けられる視線に興味がなかった。
「……あ、これ。プリント配りきれなかった分」
「あ、ありがと、●●くん……!」
必要があれば普通に喋る。だが、それ以上の深入りはさせない。その絶妙な距離感が、女子たちの独占欲を余計に煽っていることに、彼は全く無自覚だった。
そんな教室の空気をかき乱すのは、いつも彼女だ。
「●●くぅんっ この問題、わかんなぁい。教えてぇ?」
語尾にハートマークが見えそうな甘い声。クラスの女子からは完全に白い目で見られているが、男子からは「可愛いからアリ」と甘やかされているぶりっ子のマイだ。
「……教科書の12ページにあるけど」
「えぇ〜、冷たぁい! もっと優しくしてくれたっていいじゃんっ」
周りの男子たちが「おいマイちゃん、俺が教えてやるよ!」と割り込んでも、マイは「やだぁ。あんたたちは後で行ってあげるぅ!」と一蹴。そして再び●●に密着しようと身を乗り出す。
●●はそれを「……そうか。じゃあな」と、事務的な返事だけでかわした。
放課後。●●は誰よりも早く校門を抜け、人影のない道でスマホを取り出した。
無機質な画面を見つめる●●の目は、学校でのクールな姿とは別人のように必死だ。
相手は、中学受験で離ればなれになった彼女、◆◆。
小学校の終わりに●●から必死にアタックして、ようやく「……別にいいけど」とOKをもらった、憧れの女の子だ。
●●: 「部活終わった。◆◆は? 今日のテストどうだった?」
送信してから数分。既読はつくが、返信はない。
さらに10分後、ようやく届いたのは一言だけ。
◆◆:「寝るわ」
●●:「……寝るのかよ」
●●は苦笑いしながらも、そのそっけない返信を何度も読み返した。
彼女は恋愛に興味がない。自分と付き合っているのだって、もしかしたら気まぐれかもしれない――。
学校では女子から崇められ、マイからも猛烈なアタックを受けている●●だが、彼の心は、自分に見向きもしない一人の少女に振り回されっぱなしだった。
自分が「学年一のモテ男」だなんて自覚を持つ余裕など、今の彼には一ミリもない。
私立星稜中学校。受験を突破した生徒が集まるこの学校で、●●は入学早々、学年一の有名人になっていた。
整った顔立ちに、どこか冷めたような大人びた雰囲気。女子たちは遠巻きに彼を眺め、廊下ですれ違うたびに歓声が上がる。しかし、当の●●は、自分に向けられる視線に興味がなかった。
「……あ、これ。プリント配りきれなかった分」
「あ、ありがと、●●くん……!」
必要があれば普通に喋る。だが、それ以上の深入りはさせない。その絶妙な距離感が、女子たちの独占欲を余計に煽っていることに、彼は全く無自覚だった。
そんな教室の空気をかき乱すのは、いつも彼女だ。
「●●くぅんっ この問題、わかんなぁい。教えてぇ?」
語尾にハートマークが見えそうな甘い声。クラスの女子からは完全に白い目で見られているが、男子からは「可愛いからアリ」と甘やかされているぶりっ子のマイだ。
「……教科書の12ページにあるけど」
「えぇ〜、冷たぁい! もっと優しくしてくれたっていいじゃんっ」
周りの男子たちが「おいマイちゃん、俺が教えてやるよ!」と割り込んでも、マイは「やだぁ。あんたたちは後で行ってあげるぅ!」と一蹴。そして再び●●に密着しようと身を乗り出す。
●●はそれを「……そうか。じゃあな」と、事務的な返事だけでかわした。
放課後。●●は誰よりも早く校門を抜け、人影のない道でスマホを取り出した。
無機質な画面を見つめる●●の目は、学校でのクールな姿とは別人のように必死だ。
相手は、中学受験で離ればなれになった彼女、◆◆。
小学校の終わりに●●から必死にアタックして、ようやく「……別にいいけど」とOKをもらった、憧れの女の子だ。
●●: 「部活終わった。◆◆は? 今日のテストどうだった?」
送信してから数分。既読はつくが、返信はない。
さらに10分後、ようやく届いたのは一言だけ。
◆◆:「寝るわ」
●●:「……寝るのかよ」
●●は苦笑いしながらも、そのそっけない返信を何度も読み返した。
彼女は恋愛に興味がない。自分と付き合っているのだって、もしかしたら気まぐれかもしれない――。
学校では女子から崇められ、マイからも猛烈なアタックを受けている●●だが、彼の心は、自分に見向きもしない一人の少女に振り回されっぱなしだった。
自分が「学年一のモテ男」だなんて自覚を持つ余裕など、今の彼には一ミリもない。