夢小説設定
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体育大会を翌日に控えた日曜日。リリは隣町のショッピングモールを歩いていた。
「あーあ、明日の体育大会、マジで楽しみだなぁ。あの雑魚がアンカーで絶望してメンタル死んでる顔、絶対動画撮っとこw」
そんな独り言をこぼしながら広場に出た時、リリの足が止まった。
少し離れたベンチのそばに、見覚えのある少年が立っている。●●だ。
「●●くん!? 奇遇だなぁっ声かーけよ」
リリが駆け寄ろうとした瞬間、●●の隣に一人の少女が現れた。
リリは、その場に釘付けになった。
腰まで届く艶やかな黒髪は、毛先だけが鮮やかな赤に染まっている。ダボッとした黒いパーカーを着こなし、首元には太めの銀色のチェーンネックレスが鈍く光っている。
(な、何あの可愛い子……!? ●●くんの彼女……? モデルさんかなにか!?)
リリは●●のことなど完全に忘れ、吸い寄せられるようにその少女の後を追った。やがて●●が駅の改札へと消え、少女が一人で自販機の前に立った瞬間、リリはたまらず声をかけた。
「あ、あのっ! すみませんっ!」
少女がゆっくりと振り返る。その少女の正体は◆◆。至近距離で見るその顔立ちは、人形のように整っていて、学校にいる「地味な◆◆」とは比較にならないほど、華やかで圧倒的に可愛かった。
「ん……自分になんか用?」
その可憐な見た目からは想像もつかない口調。
そして「自分」という一人称。そのあまりのギャップに、リリの心臓は激しく跳ねた。
「えっ……あ、あの……あまりにも可愛かったので、つい声をかけてしまいましたっ! 私、リリって言います。あの、お名前、聞いてもいいですか……?」
少女……◆◆は、リリの顔をじっと見つめた。
学校で自分を散々いじり倒し、明日も笑いものにしようと企んでいるリリ。だが、今の彼女は、憧れで目をキラキラさせて自分を見上げている。
◆◆は不敵に口角を上げた。
しかし、その名前を明かすことはない。
「別に、名乗るほどのもんじゃねぇし。自分、明日大事な用事があるから帰らんといけんし」
「えっ、あ、待ってくださいっ! せめてLINEとか、教えてもらえませんか……!」
「まぁいいけど」
LINEの裏アカでLINEを交換した◆◆。
◆◆はその後立ち去って行った。
振り返ることなく去っていく背中を、リリは頬を染めたまま、いつまでも見つめ続けていた。
「名前も教えてくれないなんて……ミステリアスすぎる。でも、『自分』って言うの、めっちゃカッコよかった……。明日の体育祭なんて、もうどうでもいいよぉ……」
リリはまだ気づいていない。
自分が一目惚れしたその「最高に可愛い女の子」が、明日、自分を絶望の淵に叩き落とすことになる、あの「地味な◆◆」本人であることを。
「あーあ、明日の体育大会、マジで楽しみだなぁ。あの雑魚がアンカーで絶望してメンタル死んでる顔、絶対動画撮っとこw」
そんな独り言をこぼしながら広場に出た時、リリの足が止まった。
少し離れたベンチのそばに、見覚えのある少年が立っている。●●だ。
「●●くん!? 奇遇だなぁっ声かーけよ」
リリが駆け寄ろうとした瞬間、●●の隣に一人の少女が現れた。
リリは、その場に釘付けになった。
腰まで届く艶やかな黒髪は、毛先だけが鮮やかな赤に染まっている。ダボッとした黒いパーカーを着こなし、首元には太めの銀色のチェーンネックレスが鈍く光っている。
(な、何あの可愛い子……!? ●●くんの彼女……? モデルさんかなにか!?)
リリは●●のことなど完全に忘れ、吸い寄せられるようにその少女の後を追った。やがて●●が駅の改札へと消え、少女が一人で自販機の前に立った瞬間、リリはたまらず声をかけた。
「あ、あのっ! すみませんっ!」
少女がゆっくりと振り返る。その少女の正体は◆◆。至近距離で見るその顔立ちは、人形のように整っていて、学校にいる「地味な◆◆」とは比較にならないほど、華やかで圧倒的に可愛かった。
「ん……自分になんか用?」
その可憐な見た目からは想像もつかない口調。
そして「自分」という一人称。そのあまりのギャップに、リリの心臓は激しく跳ねた。
「えっ……あ、あの……あまりにも可愛かったので、つい声をかけてしまいましたっ! 私、リリって言います。あの、お名前、聞いてもいいですか……?」
少女……◆◆は、リリの顔をじっと見つめた。
学校で自分を散々いじり倒し、明日も笑いものにしようと企んでいるリリ。だが、今の彼女は、憧れで目をキラキラさせて自分を見上げている。
◆◆は不敵に口角を上げた。
しかし、その名前を明かすことはない。
「別に、名乗るほどのもんじゃねぇし。自分、明日大事な用事があるから帰らんといけんし」
「えっ、あ、待ってくださいっ! せめてLINEとか、教えてもらえませんか……!」
「まぁいいけど」
LINEの裏アカでLINEを交換した◆◆。
◆◆はその後立ち去って行った。
振り返ることなく去っていく背中を、リリは頬を染めたまま、いつまでも見つめ続けていた。
「名前も教えてくれないなんて……ミステリアスすぎる。でも、『自分』って言うの、めっちゃカッコよかった……。明日の体育祭なんて、もうどうでもいいよぉ……」
リリはまだ気づいていない。
自分が一目惚れしたその「最高に可愛い女の子」が、明日、自分を絶望の淵に叩き落とすことになる、あの「地味な◆◆」本人であることを。