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元轟家次女の我が道爆走人生

#1

こうして悪魔が解き放たれたってワケ

 死んで生まれ変わったら、異世界だった。


 ……という訳では無かったが、体感的にはほぼ異世界転生だった。

 知っている年号から少なくとも100以上は経過している上に、“個性”と呼ばれる超常的な力が当たり前のように受け入れられ、“個性により変貌した人間たちが外を闊歩している。

 いくら前世と同水準の文明、同じ性別、同じ国に生まれたとしても、知らん常識があったらもう異世界。
 異論は認めるけど、聞き入れはしない。


 そして、困惑すると同時に「面白そうだ」と思った。

 人類の生き残りのために好奇心を受け入れたホモサピエンスを祖に持つ我ら人類、どうしようもなく好奇心には逆らえないのだ。
 まぁ、そのせいで色々虎の尾を踏んづけた前世でしたけどね。はははは……。



「……はぁ」



 ぺいっと、与えられた幼児用ドリルを放り投げて寝転がる。
 もう既に家にある本も読み尽くしたし、与えられた分のドリルも終わらせてしまったので、やることがないので昼寝でもしようかと思ったが………



「焦凍ォオオオ!!!」



 バキバキ、どっかーん。
 道場から聞こえる叫び声、鳴き声。そして、暴力の音。

 今日も今日とても双子の片割れは泣いても吐いても止まらない地獄の訓練を受けていることだろう。しかして、うるさい。

 苦情の一つでも入れてやりたいが、生憎今の私ではあの父親を止めることは出来ない。


 だって、今の私は実質的な“無個性”だもの。


 この現代社会で受け入れられている"個性"は基本的に4~5歳までには発現する。
 もちろん、発現しない場合もあるが、5歳を過ぎてしまうと“個性”の発言は絶望的となる。

 そして、私は現在6歳。
 小学校入学を控えた幼稚園の年長さん。

 テレビによると今年、“個性”が確認されている6歳の子供の数は9割超だそうだ。
 総人口の2割が“無個性”だけど、そのほとんどがお爺ちゃんおばあちゃんで、私たちのような若年世代はほとんど時全員個“個性”を持っている。

 つまり、私は立派な少数派というワケ。

 まぁ元々“個性”なんて存在しない世界にいたので、これっぽっちも気にしていませんがね。……と、言うのは流石に強がりすぎか。
 年齢が上がってくると共に、面倒なことも増えてきた。
 超常黎明期で有個性が迫害されていたように、いつだって少数派は冷遇される運命にある。

 実際、父親からは基本的に無視されてるし、兄や姉たちとも喧嘩はしてないがギクシャクしている。
 双子の弟は……最近会ってないなあ。お母さんとも話さないし。

 だから、兄と姉たちの遊びの中に入るのも少し申し訳なくて、いつも自室にこもって与えられた自室の中で読書やドリル、あとはもっぱら昼寝とお絵描きで時間を潰していた。

 が、それもいい加減飽きてきた。
 小学生にでもなったら活動範囲が広くなるんだけどなぁ……と、思っていたその日の夜。



















「雪花、お前を養子に出すことになった」



 珍しく父親に呼び止められたと思ったら、海外に養子に出されることになったらしい。

 言語の問題とかどうするつもりなんだろ。まぁ、昔ならぬ前世取った杵柄ってことで英語いけるけどさぁ。
 なんて、考えたりしたけど一番に感じるのは、やっぱり「面白そ〜」って事だよね。

2026/01/17 23:39

篝火
ID:≫ 6yTgHEMno8sog
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