私達は大納言を失脚させた。私は前世では一応弁護士を目指していた。だから、弁論力には自信があった。
「桜子、今日も暑いわね」
うんうん、と頷く。しかし、令和の夏に比べたら、これはそこまででもないように感じる。
「かぐや姫様!中納言様と車持皇子様がいらっしゃいました!」
のどかな時に、水が差された。
「お引き取り願います」
少々青い顔をしたかぐや姫はそういった。
「造(みやつこ)様のご命令です。どうか」
「わかりました。すぐに」
面倒くさそうに言う。意味ありげな目配せには、不安が含まれていた。
対面の場に移った。二人はやけに神妙な顔をして佇んでいた。
「どういったご用件でしょうか」
役場の役員を思い出させる口調だった。
「はい。今回の申し出を辞退させていただこうと思い、今日は参上いたしました」
辞退?もうもとの話からかなり外れてきた気がした。
「中納言様は?」
「私も申し出の辞退に参上いたしました」
こちらとしては好都合だ。一方で、かぐや姫両親&世話係一同の顔色は、白っぽかった。
「ええ、もちろんです。貴方がたの辞退を認めます。.............一つ、質問をさせてください」
ためらうかぐや姫に続きを促すよう目配せする。
「わたくしは、とっては捨てられる運命なのですか?わたくしはそんなに軽い人間なのですか?」
その問いは純粋な思いと不安、辛さを物語っていた。中納言一同は、困ったように顔を歪めた。
「姫と言うものはそういったものでしょう?」
かぐや姫の顔は、衝撃に耐えるように俯いていた。
「お帰りください」
意思を感じる言葉に、ふたりはすごすごと帰っていった。
「姫、この世界はおかしい。変えなきゃいけない。耐えて」
励ます。そうでもしないと、姫は、月に帰ってしまう。ふと、思った。姫は、自分が月のものだということを、今の時点でどのくらい知っているのだろうか。
「姫」
「桜子」
『聞いて』
「桜子、今日も暑いわね」
うんうん、と頷く。しかし、令和の夏に比べたら、これはそこまででもないように感じる。
「かぐや姫様!中納言様と車持皇子様がいらっしゃいました!」
のどかな時に、水が差された。
「お引き取り願います」
少々青い顔をしたかぐや姫はそういった。
「造(みやつこ)様のご命令です。どうか」
「わかりました。すぐに」
面倒くさそうに言う。意味ありげな目配せには、不安が含まれていた。
対面の場に移った。二人はやけに神妙な顔をして佇んでいた。
「どういったご用件でしょうか」
役場の役員を思い出させる口調だった。
「はい。今回の申し出を辞退させていただこうと思い、今日は参上いたしました」
辞退?もうもとの話からかなり外れてきた気がした。
「中納言様は?」
「私も申し出の辞退に参上いたしました」
こちらとしては好都合だ。一方で、かぐや姫両親&世話係一同の顔色は、白っぽかった。
「ええ、もちろんです。貴方がたの辞退を認めます。.............一つ、質問をさせてください」
ためらうかぐや姫に続きを促すよう目配せする。
「わたくしは、とっては捨てられる運命なのですか?わたくしはそんなに軽い人間なのですか?」
その問いは純粋な思いと不安、辛さを物語っていた。中納言一同は、困ったように顔を歪めた。
「姫と言うものはそういったものでしょう?」
かぐや姫の顔は、衝撃に耐えるように俯いていた。
「お帰りください」
意思を感じる言葉に、ふたりはすごすごと帰っていった。
「姫、この世界はおかしい。変えなきゃいけない。耐えて」
励ます。そうでもしないと、姫は、月に帰ってしまう。ふと、思った。姫は、自分が月のものだということを、今の時点でどのくらい知っているのだろうか。
「姫」
「桜子」
『聞いて』