『かぐや姫〜〜〜』
5人の貴公子の車持皇子、大納言、中納言、その他諸々は、かぐや姫の名を呼びながら、対面の場へとやってきた。御簾の後ろでは、私とかぐや姫がこらえながらも爆笑していることも知らず。
「皆様、よくぞここまでおいでくださいました」
「もちろんでございます。かぐや姫様にお会いできるのならば、たとえ地の果てまでも......」
喋り続ける大納言を無視し、話を続けた。
「もしも、本当にわたくしが文に書いてあったように、本当に大切な存在ならば、わたくしが言う食べ物を持ってきてくださいますね?」
『はい!!』
やる気に満ちた小学1年生のように、素晴らしい返事が返ってきた。
「なら、車持皇子様はチョコレートを、大納言様はシーフードラーメンを、中納言様はクッキーを、右大臣様はカレーライスを
石作皇子様はアイスクリームをお持ちください」
車、大納、中納、右、石、の順番に、顔色が一気に青っぽくなっていった。ついでにいうと、かぐや姫の世話役一同、そだての親様も、真っ青になっていた。
「以上です。今日のところはお引き取りください」
かぐや姫の断固とした意思が通じたのか、5人は一気に去っていった。
「あははははははははっ!」
かぐや姫は寝転がり、大声で笑った。目の端には涙が光り、こころから楽しんでいることがわかる。
「桜子、こんなに楽しいだなんて信じられないわ!!」
「ほんとに楽しい。面白い」
ひとしきり笑った。空はいつの間にか暗くなっていた。
「少し、外で涼みましょう」
二人で外に出た。カサコソと怪しげな音がなり、涼しさが増す。後ろに気配を感じ、振り返った。
「わああああああああ」
雄叫びとともにいかついおじさんが現れた。
「かぐや姫、大納言様のもとへ参られよ」
太い綱をもち、じりじりとこちらへ近づいてくる。私は覚悟を決めた。
「姫、助けを呼んで」
助けを頼む。なるべく急いで。もし、今日が最期でも楽しかった、ありがとう。この思いを込めた。
「この野郎!!」
叫びながら、回し蹴りを食らわせた。袿姿の上の上着っぽいやつをねじって綱代わりにし、力いっぱい縛る。あとになっておじさんの綱を使えばよかったことに気づいたのは、とても些細な問題だ。
思ったより、弱かった。私の回し蹴り一発で伸びてしまった。姫をさらいに来るような猛者なら、もっと強大な力を有すると思っていた。が、それは先入観だと気づいた。なめられたもんだ。
「こっちです!早く!」
援軍が目にしたのは、ぼんやりと考え込む私と、伸びて布で縛られたおっさんだった。このときの念力疑惑を解くのには苦労した。
かぐや姫のご両親に直訴し、そのまま中納言たち諸々の反感を買った大納言は、申し出を辞退した。
「ざまぁ見ろ!」
小さく呟いた。やっぱり今日も、小さく笑うのだった。
外では、夕日が池に反射し、美しく輝いていた。
5人の貴公子の車持皇子、大納言、中納言、その他諸々は、かぐや姫の名を呼びながら、対面の場へとやってきた。御簾の後ろでは、私とかぐや姫がこらえながらも爆笑していることも知らず。
「皆様、よくぞここまでおいでくださいました」
「もちろんでございます。かぐや姫様にお会いできるのならば、たとえ地の果てまでも......」
喋り続ける大納言を無視し、話を続けた。
「もしも、本当にわたくしが文に書いてあったように、本当に大切な存在ならば、わたくしが言う食べ物を持ってきてくださいますね?」
『はい!!』
やる気に満ちた小学1年生のように、素晴らしい返事が返ってきた。
「なら、車持皇子様はチョコレートを、大納言様はシーフードラーメンを、中納言様はクッキーを、右大臣様はカレーライスを
石作皇子様はアイスクリームをお持ちください」
車、大納、中納、右、石、の順番に、顔色が一気に青っぽくなっていった。ついでにいうと、かぐや姫の世話役一同、そだての親様も、真っ青になっていた。
「以上です。今日のところはお引き取りください」
かぐや姫の断固とした意思が通じたのか、5人は一気に去っていった。
「あははははははははっ!」
かぐや姫は寝転がり、大声で笑った。目の端には涙が光り、こころから楽しんでいることがわかる。
「桜子、こんなに楽しいだなんて信じられないわ!!」
「ほんとに楽しい。面白い」
ひとしきり笑った。空はいつの間にか暗くなっていた。
「少し、外で涼みましょう」
二人で外に出た。カサコソと怪しげな音がなり、涼しさが増す。後ろに気配を感じ、振り返った。
「わああああああああ」
雄叫びとともにいかついおじさんが現れた。
「かぐや姫、大納言様のもとへ参られよ」
太い綱をもち、じりじりとこちらへ近づいてくる。私は覚悟を決めた。
「姫、助けを呼んで」
助けを頼む。なるべく急いで。もし、今日が最期でも楽しかった、ありがとう。この思いを込めた。
「この野郎!!」
叫びながら、回し蹴りを食らわせた。袿姿の上の上着っぽいやつをねじって綱代わりにし、力いっぱい縛る。あとになっておじさんの綱を使えばよかったことに気づいたのは、とても些細な問題だ。
思ったより、弱かった。私の回し蹴り一発で伸びてしまった。姫をさらいに来るような猛者なら、もっと強大な力を有すると思っていた。が、それは先入観だと気づいた。なめられたもんだ。
「こっちです!早く!」
援軍が目にしたのは、ぼんやりと考え込む私と、伸びて布で縛られたおっさんだった。このときの念力疑惑を解くのには苦労した。
かぐや姫のご両親に直訴し、そのまま中納言たち諸々の反感を買った大納言は、申し出を辞退した。
「ざまぁ見ろ!」
小さく呟いた。やっぱり今日も、小さく笑うのだった。
外では、夕日が池に反射し、美しく輝いていた。