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かぐや姫は絶対に返しません!

#3

始まった日常の中で目指す無双

「かぐや姫様。これから先のことを見越して護身術を学びましょう」
 私達は、中庭で護身術の練習をしていた。
「もし、人に後ろから捕まったらどうしますか?」
「大声をあげます」
 問から始める授業。それが良いと令和の時代に読んだ気がする。
「はい、それも大切ですね。その後に、こう、思いっきり体を前に倒して、相手が後ろに引っ張ろうとするよう誘導してください。そして思いっきり体を後ろにそらす!これで、相手の鼻を攻撃できます!」
 これも何処かで読んだ知識だ。あの知識がこんなところで役立つとは......。少し感慨深い。
「では、やってみて遊ばせ」
 難しい言葉遣いはいまだに慣れない。ここでは令和の若者言葉や、はやりの言葉は全く通じない。うっかり口にすると怪訝な顔をされてしまう。それだけに、言葉遣いは難しい課題だった。
 必死に動くかぐや姫。前へ後ろへ。それが様になっているのは意外だった。
「そうそう、良いですね。その調子でございます。日もくれてきたので、今日は終わりにしましょう」
 お腹すいた。意外とここのご飯は美味しいから、毎日欠かさない。
「ありがとうございました」
 かぐや姫のやんちゃな一面も見れたことだし、今日はゆっくりと食べよう。
「今日の夕餉は桜子様もご一緒に」
 は?まさかかぐや姫から直々にお誘いがあるとは。
「はい。もちろんでございますます」
 ちょっと噛んでしまった。それをきいたかぐや姫がふっと微笑んだ。
「桜子さん、もう普通に喋っていいですわよ」
 多分、令和で言う、タメ口OKって意味だと思う。好感持ってもらえたんじゃない?ちょっと調子にのってえへへと笑う。この短期間で信頼を少し勝ち取れた気がした。
「ところで桜子さん」
 声量が一気に落ちる。
「桜子さん、この世界の者ではないのでしょう?」
 心臓が止まるかと思った。実際息をするのを忘れた。
「え、あ、いやあ」
 意味をなさない文字列が口から飛び出す。
「本当のところは?私は誰にも言わないから」
 その天使の微笑みに負けてしまった。
「私は1000年先の未来から来ました」
 静かに告げる。こんなに早くバレるとは思わなかった。会って1週間。もう、バレた。
「なんで、わかったの.......?」
「知らない言葉を使ったり、おかしな挙動をするからよ」
 自覚があった。「ガチやマジ」や「とか弁」が口からうっかり出てしまったことが何回かあった。牛車に乗るときは、てっきり牛に乗るのだと思って、牛に飛び乗ってしまった。これは単なる無知なだけかもしれないが。
「ふふふ、楽しくなりそうね。色々教えてくださいね」
 怪しげな笑みに騙された。しかし、目的はなんとか隠し通した。目的を言ってしまうと絶対遠慮されるだろう。
 でも、確かに、楽しそう。
 二人怪しげに笑うのだった。

2026/02/12 17:51

美鳥
ID:≫ 28NihWQevjlUw
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転生転移無双?時代

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