閲覧前に必ずご確認ください
君の優しさに甘えたい私は。 を読んでから読むことをおすすめします。
この物語に出てくる病気は現実とは関係ありません。
続 君の優しさに甘えたい私は。
君がいなくなってから、俺は何か掴めない感じだった。
いつでもぼーっとしていて、気がついたら妹のお墓に行っていた。
俺は、この先どうしたらいいのだろう。
その時、俺を救ってくれたのは君の存在だった。
また君に助けられてしまったな。と、自分にも呆れてしまったけれど
それでもいいかなと思う自分が少しいた。
ー悠凪が亡くなってから約10年後
「一誠くん!!ちゃんと検査受けてね。」
毎日毎日、疲れた。
北島一誠と俺の名前が書かれた検査票をみてため息が出た。俺は、中3だ。本来なら受験に向けて頑張っているお年頃だろう。でも、俺は病院にいた。
灯尽病にかかったから。
灯尽病は、昔は治らなかった。
でも、今は治るようになった。が、その治療には2年かかる。俺は灯尽病にかかってからまだ半年しか経っていない。俺は、正直もう死にたい。2年も自由が奪われるのはごめんだ。そう思ったけれど、なんだかんだ生きたい自分がいた。
(高校って楽しいのかな。)
そう、心が不安定な生活をずっと送っていた。
「一誠くん!!検査、うけた??」
俺の隣のうるせー看護師の声を耳に入れないようにしながら、生返事で、
「受けてねーよ。」
と答えた。すると看護師に無理やり検査室に連れて行かれ、
「ちゃんと受けるんだよ?」
と念押しされ、渋々検査を受けることにした。
「じゃあ、次……。北島一誠くん。」
「……はい。」
看護師に呼ばれ、検査室に入ると、一人の若い男の先生がいた。
「こんにちは。一誠くん。体調はどう?」
そう聞かれ、気分は最悪だけれど体は元気なので、
「大丈夫っす。」
と、視線をそらしていった。そんな俺をみて
「……。一誠くん。検査はやめてお話しよっか。」
と言った、先生の言葉に、検査なくなってラッキーと思いながら検査室の奥に行った。
「一誠くん。悩み事あるでしょ?」
ある……。と言ったらあるのか。
「……はい。」
珍しく正直に答えてしまった。この先生なら何でも話せそうな気がしてそう答えたのかもしれない。
「悩み、聞かせてくれる?」
先生と目があって少し柔らかい気持ちになった。
口を開けるとバカみたいにいろいろな言葉が出てきた。
「俺は、2年も治療に当てたくないです。昔みたいに3ヶ月立ったら死にたいです。でも、まだ死にたくない自分もいます。」
俺が、今思っていることを全部吐き出した。
この先生なら、俺が思っていることを理解してくれそうだったし、大丈夫だよ。という安易な言葉を言わないと思った。
「……そっか。一誠くん。お願いなんだけど俺の昔話、聞いてくれる?」
「…はい。」
そう始まった先生の話は、正直言って残酷だった。
「俺はね、昔こんなに優しくないし、明るくなかったんだ。口数が少なくて伝えたいことも伝えられなかった。」
「……明るくなくて、優しくない先生なんて想像できません。」
こんなに、俺のことを思ってくれる先生なのに。
「ははっ。そうだよね。でも、俺、昔はマジで喋らなかったんだ。でも、妹はめっちゃ明るくて可愛くて俺の自慢の妹だった。」
だった。に引っかかりを覚えながらも静かに次の話を聞いた。
「妹はね、小学生だった。灯尽病で亡くなったんだ。明るくて元気な妹が痛い、寒い。って夜中に泣いてるのに俺は見ているだけしかできなかった。口数も少なかったからなにも言えなくて、そんな自分が嫌だった。妹が亡くなってから俺はもっと喋らないようになっちゃったんだ。」
俺は、それ以上何も言えなくなってしまい黙っていた。
「で、俺が高校生になったとき、クラスに灯尽病の女の子がいたんだ。」
また、この人が苦しい思いをするんじゃないかと嫌な予感がしてしまった。
「その子はね、毎日生きるのが嫌なはずなのに友達の前では笑顔で笑ってるんだ。」
その子と同じ思いをしていると感じた俺は、少し身を乗り出して話を聞いた。
「俺はその子を助けたくて、必死に注射をしてあげてたんだ。でも、また助からなかった。2ヶ月で死んじゃったんだ。」
「…2ヶ月?3か月じゃないんですか。」
灯尽病は確か3ヶ月後に亡くなる病気だ。
「その子はね、間違って灯尽病と診断されたんだ。本来は一ヶ月以内に見つけたら治る病気だったのに、2ヶ月ほったままにしたから病状が悪化して亡くなった。」
俺には、なんにも関係ない話なのに俺は沸々と間違って診断をした医者に怒りが湧いた。
「俺は、少しその子の違和感に気づいてたんだ。灯尽病とは少し違う症状がその子に見られたから。でも、俺はまた言えなかった。俺が言ってたらその子は助かってたかもしれないのに、俺は口数が少ないだけの理由で誤魔化してその子の命を助けなかったんだ。」
先生の顔が少し悔しそうな、悲しそうな顔になる。
そんな顔を見て居ても立っても居られなくなった俺は、
「……俺が、言う問題じゃないのは分かっています。でも1つだけ。先生は今、そう思っているのだったら決して悪い人ではないと思います。忘れないで、妹とその子の分までしっかり前を向いて生きて、恩返ししてください。」
さっきまで、死にたいとか言ってたやつが何いってんだ。と思われるかもしれないけれど俺はそう思った。
そう先生に言いたかった。
先生は少し目を見開いて
「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。」
俺は先生話す前とは少し違う気持ちになっていることに気がついた。先生のおかげだろう。
「先生は、だから灯尽病を治そうと努力したんですか。」
ずっと気になっていたことを問いかけると、先生は少し笑って、
「うん。妹とその子にすこしでも償いたいなと思って。」
俺はそんなかっこいい先生に死にたいと言ってしまったことを申し訳なく思った。
「さ、話は終わりにして検査しよっか。」
「はい。」
俺は、検査に前向きな気持ちで先生について行った。
ー1年半後
「一誠くん、退院おめでとう!!!」
大勢の看護師に見送られながら笑顔な一誠くん。
治ってよかったなとみんなを見守っていると、一誠くんがこちらにやってきて、
「先生。俺の心を変えてくれて、俺の病気を直してくれてありがとうございました。」
と、深々と頭を下げてくれた。
「そんなのいいよ。医者なんだから。」
そう焦って言うと、一誠くんは
「先生は医者でも1人の人間です。」
そう笑って一誠くんは、退院していった。
月島さん。君のおかげでまた1人の病人を助けることができたよ。ありがとう。
「矢代先生ー。患者さんがお呼びでーす。」
「はい。」
いつでもぼーっとしていて、気がついたら妹のお墓に行っていた。
俺は、この先どうしたらいいのだろう。
その時、俺を救ってくれたのは君の存在だった。
また君に助けられてしまったな。と、自分にも呆れてしまったけれど
それでもいいかなと思う自分が少しいた。
ー悠凪が亡くなってから約10年後
「一誠くん!!ちゃんと検査受けてね。」
毎日毎日、疲れた。
北島一誠と俺の名前が書かれた検査票をみてため息が出た。俺は、中3だ。本来なら受験に向けて頑張っているお年頃だろう。でも、俺は病院にいた。
灯尽病にかかったから。
灯尽病は、昔は治らなかった。
でも、今は治るようになった。が、その治療には2年かかる。俺は灯尽病にかかってからまだ半年しか経っていない。俺は、正直もう死にたい。2年も自由が奪われるのはごめんだ。そう思ったけれど、なんだかんだ生きたい自分がいた。
(高校って楽しいのかな。)
そう、心が不安定な生活をずっと送っていた。
「一誠くん!!検査、うけた??」
俺の隣のうるせー看護師の声を耳に入れないようにしながら、生返事で、
「受けてねーよ。」
と答えた。すると看護師に無理やり検査室に連れて行かれ、
「ちゃんと受けるんだよ?」
と念押しされ、渋々検査を受けることにした。
「じゃあ、次……。北島一誠くん。」
「……はい。」
看護師に呼ばれ、検査室に入ると、一人の若い男の先生がいた。
「こんにちは。一誠くん。体調はどう?」
そう聞かれ、気分は最悪だけれど体は元気なので、
「大丈夫っす。」
と、視線をそらしていった。そんな俺をみて
「……。一誠くん。検査はやめてお話しよっか。」
と言った、先生の言葉に、検査なくなってラッキーと思いながら検査室の奥に行った。
「一誠くん。悩み事あるでしょ?」
ある……。と言ったらあるのか。
「……はい。」
珍しく正直に答えてしまった。この先生なら何でも話せそうな気がしてそう答えたのかもしれない。
「悩み、聞かせてくれる?」
先生と目があって少し柔らかい気持ちになった。
口を開けるとバカみたいにいろいろな言葉が出てきた。
「俺は、2年も治療に当てたくないです。昔みたいに3ヶ月立ったら死にたいです。でも、まだ死にたくない自分もいます。」
俺が、今思っていることを全部吐き出した。
この先生なら、俺が思っていることを理解してくれそうだったし、大丈夫だよ。という安易な言葉を言わないと思った。
「……そっか。一誠くん。お願いなんだけど俺の昔話、聞いてくれる?」
「…はい。」
そう始まった先生の話は、正直言って残酷だった。
「俺はね、昔こんなに優しくないし、明るくなかったんだ。口数が少なくて伝えたいことも伝えられなかった。」
「……明るくなくて、優しくない先生なんて想像できません。」
こんなに、俺のことを思ってくれる先生なのに。
「ははっ。そうだよね。でも、俺、昔はマジで喋らなかったんだ。でも、妹はめっちゃ明るくて可愛くて俺の自慢の妹だった。」
だった。に引っかかりを覚えながらも静かに次の話を聞いた。
「妹はね、小学生だった。灯尽病で亡くなったんだ。明るくて元気な妹が痛い、寒い。って夜中に泣いてるのに俺は見ているだけしかできなかった。口数も少なかったからなにも言えなくて、そんな自分が嫌だった。妹が亡くなってから俺はもっと喋らないようになっちゃったんだ。」
俺は、それ以上何も言えなくなってしまい黙っていた。
「で、俺が高校生になったとき、クラスに灯尽病の女の子がいたんだ。」
また、この人が苦しい思いをするんじゃないかと嫌な予感がしてしまった。
「その子はね、毎日生きるのが嫌なはずなのに友達の前では笑顔で笑ってるんだ。」
その子と同じ思いをしていると感じた俺は、少し身を乗り出して話を聞いた。
「俺はその子を助けたくて、必死に注射をしてあげてたんだ。でも、また助からなかった。2ヶ月で死んじゃったんだ。」
「…2ヶ月?3か月じゃないんですか。」
灯尽病は確か3ヶ月後に亡くなる病気だ。
「その子はね、間違って灯尽病と診断されたんだ。本来は一ヶ月以内に見つけたら治る病気だったのに、2ヶ月ほったままにしたから病状が悪化して亡くなった。」
俺には、なんにも関係ない話なのに俺は沸々と間違って診断をした医者に怒りが湧いた。
「俺は、少しその子の違和感に気づいてたんだ。灯尽病とは少し違う症状がその子に見られたから。でも、俺はまた言えなかった。俺が言ってたらその子は助かってたかもしれないのに、俺は口数が少ないだけの理由で誤魔化してその子の命を助けなかったんだ。」
先生の顔が少し悔しそうな、悲しそうな顔になる。
そんな顔を見て居ても立っても居られなくなった俺は、
「……俺が、言う問題じゃないのは分かっています。でも1つだけ。先生は今、そう思っているのだったら決して悪い人ではないと思います。忘れないで、妹とその子の分までしっかり前を向いて生きて、恩返ししてください。」
さっきまで、死にたいとか言ってたやつが何いってんだ。と思われるかもしれないけれど俺はそう思った。
そう先生に言いたかった。
先生は少し目を見開いて
「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。」
俺は先生話す前とは少し違う気持ちになっていることに気がついた。先生のおかげだろう。
「先生は、だから灯尽病を治そうと努力したんですか。」
ずっと気になっていたことを問いかけると、先生は少し笑って、
「うん。妹とその子にすこしでも償いたいなと思って。」
俺はそんなかっこいい先生に死にたいと言ってしまったことを申し訳なく思った。
「さ、話は終わりにして検査しよっか。」
「はい。」
俺は、検査に前向きな気持ちで先生について行った。
ー1年半後
「一誠くん、退院おめでとう!!!」
大勢の看護師に見送られながら笑顔な一誠くん。
治ってよかったなとみんなを見守っていると、一誠くんがこちらにやってきて、
「先生。俺の心を変えてくれて、俺の病気を直してくれてありがとうございました。」
と、深々と頭を下げてくれた。
「そんなのいいよ。医者なんだから。」
そう焦って言うと、一誠くんは
「先生は医者でも1人の人間です。」
そう笑って一誠くんは、退院していった。
月島さん。君のおかげでまた1人の病人を助けることができたよ。ありがとう。
「矢代先生ー。患者さんがお呼びでーす。」
「はい。」
クリップボードにコピーしました