7月、蝉が鳴き始める頃。
親友の理衣は、蝉にも劣らない程のビッグボイスでわーわー騒ぐ。
「習い事!始めたの!」
「はいはい、で、だから?」
私が氷の温度で対応すると、理衣はもっと温度を上げる。
「出会いを探すために!始めたい!の!」
「なんて邪な…まぁいいや、痛い目見ても知らないわよ」
そう言うと理衣は、急にもごもごしだした。
「でさ、美湖氏にもその習い事に入ってほしくて、」
「ふぅん…って、はぁぁ!?」
そんな無茶な…
「無理に決まってるでしょ!」
「え〜、由紀子さんに話せば分かってくれ…」
「んなわけ、あるかい!」
由紀子さんというのは、私のお母さん。お母さんは個人営業のケーキ屋さん、スノーレイクの店長であり、パティシエだ。私は習い事をやっていないから(昔は合気道と空手もしていたけど)、毎日ケーキ屋さんでバイトを(お小遣いが倍になるから)やっている。
「そんなことしたらスノーレイクは人員不足で潰れちゃうよ…今従業員はお母さんと私とリリナさんとミカしかいない状況だし…」
リリナさんとは、私の8つ上のいとこで、ミカとは同い年のいとこだ。
「あのね、美湖氏。私が行くのはスノーレイクだよ」
「何言ってんの」
意味不明にも程がある。ケーキ作り教室を開くなんて聞いてない。
「だからね、由紀子さんに頼めば、きっとケーキ教室を開いてくれ…」
「ありえないわ!」
頭が痛い。鎮痛剤はあったか?
いや、鎮痛剤で治るもんじゃないよな…
「お母さんが1番重要なパティシエなの、抜けられるわけないじゃない。まあ従業員として働くなら歓迎だけど…」
「じゃあ、そうする!」
「…うげ」
つい数秒前の自分の迂闊な発言を恨んだ。
「理衣ちゃんが従業員になってくれるなんて、嬉しい!時給1.5倍にしちゃう!」
きゃあきゃあ騒ぐ自分の母を、冷たい目で見つめる。
「落ち着いてお母さん…」
「あら、もちろん美湖の時給も同じにするわよ!」
「ありがとう…けど違う…」
話してもわかってくれないだろうな…
とりあえず、理衣の初仕事が始まった。
親友の理衣は、蝉にも劣らない程のビッグボイスでわーわー騒ぐ。
「習い事!始めたの!」
「はいはい、で、だから?」
私が氷の温度で対応すると、理衣はもっと温度を上げる。
「出会いを探すために!始めたい!の!」
「なんて邪な…まぁいいや、痛い目見ても知らないわよ」
そう言うと理衣は、急にもごもごしだした。
「でさ、美湖氏にもその習い事に入ってほしくて、」
「ふぅん…って、はぁぁ!?」
そんな無茶な…
「無理に決まってるでしょ!」
「え〜、由紀子さんに話せば分かってくれ…」
「んなわけ、あるかい!」
由紀子さんというのは、私のお母さん。お母さんは個人営業のケーキ屋さん、スノーレイクの店長であり、パティシエだ。私は習い事をやっていないから(昔は合気道と空手もしていたけど)、毎日ケーキ屋さんでバイトを(お小遣いが倍になるから)やっている。
「そんなことしたらスノーレイクは人員不足で潰れちゃうよ…今従業員はお母さんと私とリリナさんとミカしかいない状況だし…」
リリナさんとは、私の8つ上のいとこで、ミカとは同い年のいとこだ。
「あのね、美湖氏。私が行くのはスノーレイクだよ」
「何言ってんの」
意味不明にも程がある。ケーキ作り教室を開くなんて聞いてない。
「だからね、由紀子さんに頼めば、きっとケーキ教室を開いてくれ…」
「ありえないわ!」
頭が痛い。鎮痛剤はあったか?
いや、鎮痛剤で治るもんじゃないよな…
「お母さんが1番重要なパティシエなの、抜けられるわけないじゃない。まあ従業員として働くなら歓迎だけど…」
「じゃあ、そうする!」
「…うげ」
つい数秒前の自分の迂闊な発言を恨んだ。
「理衣ちゃんが従業員になってくれるなんて、嬉しい!時給1.5倍にしちゃう!」
きゃあきゃあ騒ぐ自分の母を、冷たい目で見つめる。
「落ち着いてお母さん…」
「あら、もちろん美湖の時給も同じにするわよ!」
「ありがとう…けど違う…」
話してもわかってくれないだろうな…
とりあえず、理衣の初仕事が始まった。