すると、男の人が入ってきた。
私たちと同じくらいの年齢だろうか。
そんな男性に、理衣は目をハートにして、目の玉が飛び出るようなことを言った。
「この焼き菓子美味しいですよ♡私が萌え萌えきゅんきゅんしてあげま…むぐっ!」
「[小文字]何言ってるの!ここはメイドカフェじゃないのよ![/小文字]お求めの商品はなんでしょうか?」
私は理衣を小声で叱りつけてから、営業スマイルを浮かべた。
すると、男性は戸惑ったような声色で言った。
「え、ああ…いちごショートケーキのホールケーキを…」
「ありがとうございます。またお越しください」
私はそう言って頭を下げた。
「なんで口を塞ぐのよ!チャンスだったじゃん!」
お客さんがいなくなった途端、ぎゃあぎゃあ騒ぐ理衣。
「逆ギレしないの。」
こうして、理衣に初の接客は失敗に終わったのだった。
「美湖さん、本日のケーキは何がおありですの?」
「ええ、春奈!?」
「あら、理衣さんもいらしたのですか?」
なんとなく不穏な空気を感じ、慌てて営業台詞を吐いた。
「本日、いちごショートのホールは売り切れです。ホールはフルーツタルト、チョコケーキ、季節のショートケーキになっています。それ以外は店頭に並んでいる通りです」
「まあ、そうですの…いちごショートのホールを買おうと思っていたのですけど…」
「それなら、一時間後くらいに完成するので、その際電話しましょうか?」
しかし、春奈ちゃんはかぶりを振った。
「いいえ、それでは拓也の誕生日パーティーに間にあいませんわ。それならチョコケーキをいただきます」
「お買い上げありがとうございます。またのお越しを」
「ええ、また来ますわ」
春奈がチョコケーキを受け取ると、理衣がすぐに声をかけた。
「春奈、拓也の誕生日パーティー、私も行きたいんだけど?」
春奈は微笑んだまま答える。
「申し訳ありませんけれど、理衣さん。今回はお招きしておりませんわ。」
「理由は?」
「理衣さんがいらっしゃると、拓也が落ち着きませんの。」
淡々と、当然のことのように言う。
「それ、私が邪魔ってこと?」
「ええ。」
即答だった。
「拓也の誕生日ですもの。主役が心地よくない要素は、排除するべきですわ。」
理衣は一瞬言葉を失い、すぐに笑った。
「へぇ……ずいぶんはっきり言うんだ。」
「遠回しは好みませんの。」
春奈は一礼する。
「それでは失礼しますわ。静かなお祝いになりますように。」
春奈が去ったあと、理衣は唇を噛んだ。
「……絶対どっかズレてる。」
私はため息をつく。
「理衣、やめときなって。」
「無理。」
理衣はきっぱり言った。
「自分が一番分かってる顔してる人ほど、穴だらけだから。」
その目は、完全にライバルを見る目だった。
私たちと同じくらいの年齢だろうか。
そんな男性に、理衣は目をハートにして、目の玉が飛び出るようなことを言った。
「この焼き菓子美味しいですよ♡私が萌え萌えきゅんきゅんしてあげま…むぐっ!」
「[小文字]何言ってるの!ここはメイドカフェじゃないのよ![/小文字]お求めの商品はなんでしょうか?」
私は理衣を小声で叱りつけてから、営業スマイルを浮かべた。
すると、男性は戸惑ったような声色で言った。
「え、ああ…いちごショートケーキのホールケーキを…」
「ありがとうございます。またお越しください」
私はそう言って頭を下げた。
「なんで口を塞ぐのよ!チャンスだったじゃん!」
お客さんがいなくなった途端、ぎゃあぎゃあ騒ぐ理衣。
「逆ギレしないの。」
こうして、理衣に初の接客は失敗に終わったのだった。
「美湖さん、本日のケーキは何がおありですの?」
「ええ、春奈!?」
「あら、理衣さんもいらしたのですか?」
なんとなく不穏な空気を感じ、慌てて営業台詞を吐いた。
「本日、いちごショートのホールは売り切れです。ホールはフルーツタルト、チョコケーキ、季節のショートケーキになっています。それ以外は店頭に並んでいる通りです」
「まあ、そうですの…いちごショートのホールを買おうと思っていたのですけど…」
「それなら、一時間後くらいに完成するので、その際電話しましょうか?」
しかし、春奈ちゃんはかぶりを振った。
「いいえ、それでは拓也の誕生日パーティーに間にあいませんわ。それならチョコケーキをいただきます」
「お買い上げありがとうございます。またのお越しを」
「ええ、また来ますわ」
春奈がチョコケーキを受け取ると、理衣がすぐに声をかけた。
「春奈、拓也の誕生日パーティー、私も行きたいんだけど?」
春奈は微笑んだまま答える。
「申し訳ありませんけれど、理衣さん。今回はお招きしておりませんわ。」
「理由は?」
「理衣さんがいらっしゃると、拓也が落ち着きませんの。」
淡々と、当然のことのように言う。
「それ、私が邪魔ってこと?」
「ええ。」
即答だった。
「拓也の誕生日ですもの。主役が心地よくない要素は、排除するべきですわ。」
理衣は一瞬言葉を失い、すぐに笑った。
「へぇ……ずいぶんはっきり言うんだ。」
「遠回しは好みませんの。」
春奈は一礼する。
「それでは失礼しますわ。静かなお祝いになりますように。」
春奈が去ったあと、理衣は唇を噛んだ。
「……絶対どっかズレてる。」
私はため息をつく。
「理衣、やめときなって。」
「無理。」
理衣はきっぱり言った。
「自分が一番分かってる顔してる人ほど、穴だらけだから。」
その目は、完全にライバルを見る目だった。