明日からからゴールデンウィーク___そんな日の学校。
「こないだ春奈と握手した理由なんだけどね!」
そこに、唐突な理衣の言葉。
「春奈と握手した理由ぅ〜?」
そんなの、知らなくていい。むしろ知らぬが仏って感じだ。
「ゴールデンウィークに、貝川兄弟と遊ぶ約束を取り付けてくれたの!それでその代わりに春奈に野川先輩との映画チケットをあげることになってね!まぁ大した映画じゃないんだけど」
「ちょろ…」
あんなに固執していた野川をそんなあっさり離すとは。いや、単に春奈ちゃんに負けたくなかっただけなのか?
あと、大した映画じゃないって、映画作った人たちに失礼…
頭の中でそんなことをぼんやりと考える。
「取り付けてもらったといっても3人きりじゃないんだけど!私たち、遊ぶ約束してたでしょ?その時についてきてもらうことにね!」
「はぁー…」
男がついてくるのかよ…。まあ、貝川兄弟は同級生だし、知らん男よりかはマシだけど…
「まぁ、行ってあげる。キャンセルしようと思ったけど」
「美湖氏神ぃ!」
他に来るのは、なさん、彩ちゃん、実華ちゃんだ。
せっかく楽しみな遊園地だったのに…
「はぁー…」
私は本日2回目のため息をついた。
《次の日》
なんでこんな目に…
私は家で服を選びながら、ぼんやり考えていた。
元はと言えば春奈ちゃんが悪いでしょ。あんな約束を理衣に取り付けるし…
やっぱり休もうかな…でもなぁ…行きたいなぁ…
私は水色のTシャツとジーンズを選んだ。
《遊園地にて》
「おはよー」
私が行くと、他のみんなはすでに来ていた。
「遅れてごめんね!」
私が駆け寄ると、理衣が手を振った。
「美湖氏、待ってたよ〜!今日は絶叫系攻めるでしょ?」
「もちろん!」
私は胸を張った。絶叫系は大好きだ。むしろ、これが楽しみで来たようなものだ。
「じゃあ、まずはジェットコースターね!」
理衣がチケットを掲げると、なさんが顔を引きつらせた。
「え、ちょっと待って…私、そういうの苦手なんだけど…」
「大丈夫だって!美湖氏が隣に乗ってくれるから!」
(なんで私が安心材料みたいになってるんだ…)
貝川兄弟はというと、余裕の笑みを浮かべていた。
「俺ら、絶叫系は平気だし。むしろ楽しみ」
「……だろうな」
私は心の中でため息をついた。
《ジェットコースター乗り場》
「きゃー!」「うわー!」
理衣の声が響く中、私は風を切る感覚に笑みを浮かべていた。
(やっぱり最高!)
隣ではなさんが必死にバーを握りしめている。
「美湖ちゃん…これ…終わる…?」
「もうすぐ!」
私は叫びながら答えた。
降りたあと、震えるなさんを慰めながら理衣達の方へ向かう。
私が行くと理衣はもうすでにいて、
「美湖氏、顔色一つ変わらないとか強すぎ!」
と笑った。
《理衣視点・観覧車》
どっちと乗ろうかな…?
私がドキドキしていると、兄弟が口を開く。
「じゃあ、俺ら二人で乗るわ」
兄弟がそう言った瞬間、私の世界は終わった。
(えぇぇぇぇ!? なんで!? 私、どっちかと乗る予定だったのに!)
声に出したけど、もう遅い。ゴンドラは動き始めている。
兄弟二人で、楽しそうに笑ってる。
(いやいやいや、なんで私置いてかれてんの!?)
「美湖氏、一緒に乗ろうよ!」
最後の希望を美湖氏に託したけど___
「ごめん、なさんと乗るって決めてるから」
その言葉で、私の心は完全に折れた。
(……終わった。私、今日何しに来たんだろ)
彩ちゃんと実華ちゃんはもう別のゴンドラに乗ってる。
私は、ぽつんと残された。
「……一人で乗るしかないじゃん」
係員に促されて、私はゴンドラに乗り込む。
《ゴンドラの中》
静かすぎる。
外では夕焼けがきれいで、遊園地のライトが輝いてるのに、私の心は真っ暗だ。
(兄弟と乗って、キャーキャー言いながら写真撮る予定だったのに…)
スマホを取り出して、自撮りしてみる。
……虚しい。
「はぁぁぁぁぁ……」
ため息がゴンドラに響いた。
(次は絶対、計画練ってから来る。もうこんな失敗しない)
そう心に誓いながら、私は一人で観覧車の頂上を迎えた。
《美湖視点・帰り際》
出口に向かう人の波に乗って歩いていたら、後ろで理衣がきょろきょろしてる。
「……あれ?兄弟どこ?」
(あー、やっぱり送るつもりだったんだな)
「理衣、もう見えないでしょ」
なさんが言った瞬間、理衣がダッシュした。
「ちょっと待って!まだ帰ってないでしょ!?」
(いや、もう分かれ道だよ…)
案の定、兄弟の姿はどこにもない。
理衣は立ち止まって、肩をガクーンと落とした。
「……うそでしょ」
声が小さすぎて、遊園地のBGMに負けてるし。
私は横に並んで、軽く言った。
「理衣、もう帰ったんだよ。送るとか無理でしょ」
「……わかってるけどさぁ」
理衣、スマホ握って何か打とうとしてやめる。
(絶対『今どこ?』って送ろうとしたでしょ)
「ほら、電車間に合わなくなるよ」
私が歩き出すと、理衣が小さくため息。
「はぁぁぁぁぁ……」
その声、ジェットコースターより長いでしょ。
「理衣、今日の絶叫より絶叫してるじゃん」
私が笑うと、理衣は「うるさい!」って言いながら追いかけてきた。
(ほんと、恋愛って体力使うんだな)
「こないだ春奈と握手した理由なんだけどね!」
そこに、唐突な理衣の言葉。
「春奈と握手した理由ぅ〜?」
そんなの、知らなくていい。むしろ知らぬが仏って感じだ。
「ゴールデンウィークに、貝川兄弟と遊ぶ約束を取り付けてくれたの!それでその代わりに春奈に野川先輩との映画チケットをあげることになってね!まぁ大した映画じゃないんだけど」
「ちょろ…」
あんなに固執していた野川をそんなあっさり離すとは。いや、単に春奈ちゃんに負けたくなかっただけなのか?
あと、大した映画じゃないって、映画作った人たちに失礼…
頭の中でそんなことをぼんやりと考える。
「取り付けてもらったといっても3人きりじゃないんだけど!私たち、遊ぶ約束してたでしょ?その時についてきてもらうことにね!」
「はぁー…」
男がついてくるのかよ…。まあ、貝川兄弟は同級生だし、知らん男よりかはマシだけど…
「まぁ、行ってあげる。キャンセルしようと思ったけど」
「美湖氏神ぃ!」
他に来るのは、なさん、彩ちゃん、実華ちゃんだ。
せっかく楽しみな遊園地だったのに…
「はぁー…」
私は本日2回目のため息をついた。
《次の日》
なんでこんな目に…
私は家で服を選びながら、ぼんやり考えていた。
元はと言えば春奈ちゃんが悪いでしょ。あんな約束を理衣に取り付けるし…
やっぱり休もうかな…でもなぁ…行きたいなぁ…
私は水色のTシャツとジーンズを選んだ。
《遊園地にて》
「おはよー」
私が行くと、他のみんなはすでに来ていた。
「遅れてごめんね!」
私が駆け寄ると、理衣が手を振った。
「美湖氏、待ってたよ〜!今日は絶叫系攻めるでしょ?」
「もちろん!」
私は胸を張った。絶叫系は大好きだ。むしろ、これが楽しみで来たようなものだ。
「じゃあ、まずはジェットコースターね!」
理衣がチケットを掲げると、なさんが顔を引きつらせた。
「え、ちょっと待って…私、そういうの苦手なんだけど…」
「大丈夫だって!美湖氏が隣に乗ってくれるから!」
(なんで私が安心材料みたいになってるんだ…)
貝川兄弟はというと、余裕の笑みを浮かべていた。
「俺ら、絶叫系は平気だし。むしろ楽しみ」
「……だろうな」
私は心の中でため息をついた。
《ジェットコースター乗り場》
「きゃー!」「うわー!」
理衣の声が響く中、私は風を切る感覚に笑みを浮かべていた。
(やっぱり最高!)
隣ではなさんが必死にバーを握りしめている。
「美湖ちゃん…これ…終わる…?」
「もうすぐ!」
私は叫びながら答えた。
降りたあと、震えるなさんを慰めながら理衣達の方へ向かう。
私が行くと理衣はもうすでにいて、
「美湖氏、顔色一つ変わらないとか強すぎ!」
と笑った。
《理衣視点・観覧車》
どっちと乗ろうかな…?
私がドキドキしていると、兄弟が口を開く。
「じゃあ、俺ら二人で乗るわ」
兄弟がそう言った瞬間、私の世界は終わった。
(えぇぇぇぇ!? なんで!? 私、どっちかと乗る予定だったのに!)
声に出したけど、もう遅い。ゴンドラは動き始めている。
兄弟二人で、楽しそうに笑ってる。
(いやいやいや、なんで私置いてかれてんの!?)
「美湖氏、一緒に乗ろうよ!」
最後の希望を美湖氏に託したけど___
「ごめん、なさんと乗るって決めてるから」
その言葉で、私の心は完全に折れた。
(……終わった。私、今日何しに来たんだろ)
彩ちゃんと実華ちゃんはもう別のゴンドラに乗ってる。
私は、ぽつんと残された。
「……一人で乗るしかないじゃん」
係員に促されて、私はゴンドラに乗り込む。
《ゴンドラの中》
静かすぎる。
外では夕焼けがきれいで、遊園地のライトが輝いてるのに、私の心は真っ暗だ。
(兄弟と乗って、キャーキャー言いながら写真撮る予定だったのに…)
スマホを取り出して、自撮りしてみる。
……虚しい。
「はぁぁぁぁぁ……」
ため息がゴンドラに響いた。
(次は絶対、計画練ってから来る。もうこんな失敗しない)
そう心に誓いながら、私は一人で観覧車の頂上を迎えた。
《美湖視点・帰り際》
出口に向かう人の波に乗って歩いていたら、後ろで理衣がきょろきょろしてる。
「……あれ?兄弟どこ?」
(あー、やっぱり送るつもりだったんだな)
「理衣、もう見えないでしょ」
なさんが言った瞬間、理衣がダッシュした。
「ちょっと待って!まだ帰ってないでしょ!?」
(いや、もう分かれ道だよ…)
案の定、兄弟の姿はどこにもない。
理衣は立ち止まって、肩をガクーンと落とした。
「……うそでしょ」
声が小さすぎて、遊園地のBGMに負けてるし。
私は横に並んで、軽く言った。
「理衣、もう帰ったんだよ。送るとか無理でしょ」
「……わかってるけどさぁ」
理衣、スマホ握って何か打とうとしてやめる。
(絶対『今どこ?』って送ろうとしたでしょ)
「ほら、電車間に合わなくなるよ」
私が歩き出すと、理衣が小さくため息。
「はぁぁぁぁぁ……」
その声、ジェットコースターより長いでしょ。
「理衣、今日の絶叫より絶叫してるじゃん」
私が笑うと、理衣は「うるさい!」って言いながら追いかけてきた。
(ほんと、恋愛って体力使うんだな)