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鋼鉄の時空:ミッドウェー1942(第二次世界大戦編)

#8

第8話:鋼鉄のカーテン・2026

ミッドウェーの海は、沸騰していた。
1942年の米海軍第16、第17任務部隊は、人知を超えた「未来の力」を目の当たりにしながらも、そのプライドゆえに、持てる全ての火力を投げ打つ総攻撃を選択した。
「艦長、敵駆逐艦の肉薄を許すな! 距離10,000! 5インチ砲、対舟艇射撃開始!」
護衛艦「はぐろ」の艦長、匠人三等海佐の怒号が響く。だが、多勢に無勢。百戦錬磨の米駆逐艦群は、仲間を盾にするかのように、ジグザグ走行で魚雷発射距離まで強引に詰め寄ってくる。
「……数が多い! 『あたご』『あしがら』だけでは阻止線が突破されます!」
オペレーターの悲鳴が上がったその時だった。
[太字][大文字]第1章:時空の奔流、再来[/大文字][/太字]
「……!? 艦長、後方海域に強力な電磁波反応! あの時と同じ……磁気嵐です!」
「何だと……!? まだ来るのか!」
海面が再び紫色の電光に包まれ、空間が大きく歪んだ。
そこから、一隻、また一隻と、灰色の鋭利なシルエットが「湧き出す」ように出現した。
「個艦識別……出ました! 護衛艦『あきづき』『てるづき』『すずつき』『ふゆづき』! あきづき型、全4隻、健在!」
「続いて……『もがみ』『くまの』『のしろ』『みくま』……! もがみ型フリゲート、現時点で12隻全てを確認!」
「さらに……『あさひ』『しらぬい』! あさひ型も全艦合流!」
艦橋に歓喜と驚愕が混じる。
2026年、日本の海を守る最新鋭の防空・多機能護衛艦たちが、歴史の裂け目を通ってこの瞬間に集結したのだ。
さらに、水平線の彼方から、圧倒的な質量感を持って現れたのは、既に合流していた「いずも」「かが」の同型艦――。
「……『いずも』型全艦、そして演習に参加していた全護衛艦群、集結完了!」
これで、ミッドウェーの海には、2026年の海上自衛隊の主要水上戦闘艦がほぼ全て揃ったことになる。まさに「未来の日本海軍」そのものが、1942年にタイムスリップしたのだ。
[太字][大文字]第2章:全艦、対空戦闘[/大文字][/太字]
「全艦より入電! 『我ら、これより「はぐろ」の指揮下に入る。命令を!』」
匠人は震える拳を握りしめた。これだけの戦力があれば、歴史を書き換えるどころか、世界を平らげることさえ可能だ。だが、今の目的はただ一つ。
「全艦へ、匠人より命ずる! 敵の総攻撃を、一滴の血も流さず完封するぞ! ――全艦、対空戦闘用意! イージス・システムおよびFCS-3、全稼働!」
その瞬間、ミッドウェーの空は「未来」に支配された。
あきづき型4隻の「僚艦防空」システムが、僚艦のレーダー網を一つに統合する。もがみ型12隻のステルス艦体が、米軍の目をごまかしながら、精密な誘導弾を放つ。
「ターゲット、米軍機および飛来する砲弾、総数500以上! ……全目標、ロックオン!」
「撃てッ!!」
「はぐろ」「あたご」「あしがら」「まや」のVLSから、そして新着した「あきづき型」「あさひ型」のセルから、無数の対空ミサイルが垂直に跳ね上がった。
空は白い煙の筋で埋め尽くされた。
1942年の米軍パイロットたちが見たのは、自分たちの放った爆弾や魚雷が、着弾するはるか手前で、目に見えない「神の指」に弾かれるように次々と空中で粉砕されていく光景だった。
[太字][大文字]第3章:2026年の「盾」[/大文字][/太字]
「CIWS、火を噴け!」
肉薄してきた数機のドーントレスに対し、新着した「もがみ型」護衛艦群が一斉に20mm機関砲を起動させた。
バリバリバリバリ――ッ!!
20隻近い護衛艦が放つ「鉄の雨」が、空中に巨大なドーム状の防壁を作り出す。
米軍の攻撃は、文字通り「無効化」された。
一発の爆弾も、一発の魚雷も、自衛隊の艦隊には届かない。それどころか、守られているはずの日本海軍「大和」や「長門」にさえ、破片一つ飛ばさせない。
「……これが、84年後の防衛力か」
「大和」の艦橋で、山本五十六はその光景を茫然と見つめていた。
一万発の矢を、一振りの剣も抜かずに全て叩き落とすような、神業に近い防御。
米艦隊の旗艦「エンタープライズ」の艦橋では、スプルーアンス少将が双眼鏡を落とした。
「……勝負にならない。我々は、神を相手に戦争を仕掛けたのか……?」
匠人は、モニターに映る米艦隊の絶望を読み取っていた。
「全艦、砲撃を止めろ。……もう一度、彼らに通信を送る。今度は『降伏』ではない。……『共存』を提案する」
現代の全艦隊が集結し、圧倒的な平和の壁を築いたミッドウェー。
しかし、これほどの戦力が歴史に干渉した代償は、まだ誰も知らない。

2026/02/12 17:45

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
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