文字サイズ変更

鋼鉄の時空:ミッドウェー1942(第二次世界大戦編)

#7

第7話:ミッドウェー・フリーズ

戦艦「大和」の艦橋で、山本五十六大将から全権を託された匠人三等海佐は、内火艇で急ぎ護衛艦「はぐろ」へと帰還した。
「艦長、おかえりなさい! 状況は?」
「『大和』の全砲門を沈黙させた。これより、我々のやり方でこの海戦を凍結(フリーズ)させる。……総員、対空戦闘用意!」
匠人の檄がCICに響き渡る。モニターには、米空母「エンタープライズ」「ホーネット」から発艦したSBDドーントレス急降下爆撃機とTBDデバステーター雷撃機の混成編隊、計100機以上が映し出されていた。
[太字][大文字]第1章:イージス・ウォール[/大文字][/太字]
「『あたご』『あしがら』『まや』とデータリンク。多標的同時交戦(多重交戦)を開始しろ。……ミサイル、CIWS、全ての兵装の使用を許可する。ただし、コクピットは狙うな。エンジンと翼を削げ!」
「了解! ターゲットロック、数104! システム、オートマチック!」
護衛艦4隻のVLS(垂直発射装置)から、白い煙を引いてESSM(発展型シースパロー)が次々と飛び出した。それは1942年の兵士たちにとっては、意志を持った「空飛ぶ稲妻」にしか見えなかっただろう。
「……命中! 1番機から12番機、無力化!」
「次弾装填なしでいけます! 5インチ砲、対空精密射撃開始!」
空中で、米軍機が次々と翼をもぎ取られ、あるいはエンジンから火を噴いて高度を下げていく。しかし、一発も「爆発」はしない。現代の射撃管制システムが、致命傷を避けつつ機体だけを飛行不能に追い込んでいた。
「バカな……なんだあの弾幕は!? 高角砲の破片が見えないのに、俺たちの翼が次々ともげているぞ!」
米軍パイロットたちの絶望的な叫びが、無線傍受を通じてCICに流れる。
「距離500! 撃ち漏らしが来ます!」
「右舷CIWS、火を噴け!」
バリバリバリバリ――ッ!!
「はぐろ」のCIWS(20mm機関砲)が、文字通り「鉄のカーテン」を空に展開した。肉薄した爆撃機が投下した爆弾は、着弾する前に20mm弾によって空中で粉砕され、ただの鉄屑となって海に落ちた。
[太字][大文字]第2章:拒絶された「平和」[/大文字][/太字]
米軍の攻撃隊が全滅に近い損害(死者はゼロだが全機不時着)を受けた頃、司令艦「いずも」より、米機動部隊へ向けて全世界共通の緊急周波数で通信が飛ばされた。
『米第16、第17任務部隊へ。我々は未来から来た日本国海上自衛隊である。貴軍の攻撃は全て無力化した。無益な殺生を避けるため、直ちに戦闘を停止し、降伏せよ』
「降伏」という言葉に、海域は一瞬、静まり返った。
しかし、その沈黙を破ったのは、米軍の回答ではなく、さらなる咆哮だった。
「報告! 米艦隊、こちらの要求を黙殺! 逆に……残存する全艦艇、全予備機を投入し、全速力でこちらへ突っ込んできます!」
「何だと……?」
匠人は絶句した。常識的に考えれば、これほどの圧倒的な技術差を見せつけられれば、戦意を喪失するのが当然だ。だが、相手は1942年の「最強の民主主義の守護者」たちだった。
「……彼らは、我々を『神』とも『悪魔』とも思っていない。ただの『倒すべき強大な敵』としか認識していません。米国のプライドが、未来からの降伏勧告を撥ね退けました!」
[大文字][太字]第3章:星条旗の総攻撃[/太字][/大文字]
水平線の彼方。
煙を吐き、満身創痍のエンタープライズを中央に据えた米艦隊が、死を恐れぬ突撃を開始した。彼らは知っている。自分たちが負ければ、自由の世界が「未知の怪物」に支配される。その恐怖が、彼らを狂気じみた勇気へと駆り立てていた。
「艦長、敵巡洋艦、駆逐艦より主砲射撃! 距離15,000! ……さらに、潜水艦からの雷撃も感知!」
「……そうか。ならば、手加減は終わりだ」
匠人は、冷徹な艦長の顔に戻った。
「我々が『平和』を望んでも、彼らが『戦争』を望むなら……我々の盾がどれほど強固か、その身に刻んでやるしかない」
「『あたご』『あしがら』、前方へ出ろ! 現代の『陣形(フォーメーション)』を見せてやれ!」
2026年の最強艦隊と、1942年の決死の米艦隊。
ミッドウェーの海は、歴史上類を見ない「総力戦」の幕が開こうとしていた。

2026/02/12 17:35

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はtaku203503さんに帰属します

TOP