2026年の日本列島が1942年の太平洋に完全定着したという超常現象は、世界の勢力図を瞬時に塗り替えた。しかし、それは匠人三等海佐が望んだ「対話による終結」とは程遠い、さらなる混沌の始まりだった。
[太字][大文字]第1章:大いなる離反[/大文字][/太字]
「艦長、欧州およびアジアから信じがたい入電です……!」
護衛艦「はぐろ」のCICで、通信士が震える手で電文を差し出した。
「ソ連、中国、自由フランス、そして南米諸国……これまで連合国側にいた国々が、一斉にアメリカ・イギリスとの同盟を破棄。ナチス・ドイツ、イタリアら枢軸国側に合流しました!」
匠人は絶句した。
「……アメリカとイギリスだけを、世界から孤立させただと?」
理由は明白だった。未来の日本の圧倒的な技術力を前に、ナチス・ドイツは即座に「日本への服従と軍事同盟」を宣言。それを見た他の連合国諸国も、未来の日本という「勝ち馬」に乗るため、そしてアメリカの覇権を恐れて、次々と枢軸国側に寝返ったのである。
今や、世界は「日本・ドイツを中心とする新秩序(新枢軸)」と、それに抗う「米英同盟」の二極に分裂した。
[太字][大文字]第2章:2026年式・大東亜共栄圏[/大文字][/太字]
「報告! 日本本土各地の自衛隊基地に、ドイツ、ソ連、イタリアから『技術供与』を求める使節団が殺到しています! 陸上自衛隊は各駐屯地で彼らの封じ込めに追われています!」
匠人は苦々しくモニターを眺めた。
横須賀や呉の港には、最新鋭の護衛艦の隣に、場違いなドイツのUボートやイタリアの戦艦が並ぼうとしている。彼らは「盟友」の顔をしながら、2026年の技術を盗もうと血眼になっていた。
「艦長、市ヶ谷の統合幕僚監部より極秘指令です。『我々は枢軸国側に担ぎ上げられたが、ナチスの暴走を許すつもりはない。だが、まずは執拗に攻撃を続ける米英艦隊を沈黙させることが先決だ』とのことです」
「……結局、我々は戦わねばならんのか。米英という、かつての、そして未来の友軍を相手に」
[太字][大文字]第3章:鋼鉄の裁決[/大文字][/太字]
1942年冬。ハワイ沖。
アメリカとイギリスは、国家の存亡をかけ、残存する全戦力を結集させた。
空母「エンタープライズ」「サラトガ」「ヴィクトリアス」、戦艦「ワスプ」「キング・ジョージ5世」。それは「自由主義」の最後を賭した、悲壮な突撃だった。
「報告! 方位080、米英連合艦隊を確認。総数150隻! 上空には米英混成の戦闘機隊、数400!」
匠人は「はぐろ」の艦橋で、冷徹に号令を下した。
「……相手は死ぬ気だ。だが、こちらには日本列島全ての防衛力がついている。全艦、誘導弾発射用意」
日本の各基地から発進したF-15JとF-2の編隊が、大空を埋め尽くす。
そして、日本本土のミサイル基地から放たれた12式地対艦誘導弾の群れが、成層圏を越えてハワイ沖へと降り注ぐ。
「……命中。敵空母、次々と大破炎上」
「F-35B隊、英戦艦の機関部をピンポイントで撃破! 航行不能に追い込みました!」
それは戦闘ですらなかった。2026年の自衛隊という「未来の暴力」が、1942年の「勇気」を一方的に粉砕していく。匠人は、火を噴き沈みゆく英米の艦艇を見つめながら、強い吐き気を覚えた。
「艦長、枢軸国側の観戦武官(ドイツ軍将校)たちが、我が方の戦果を見て狂喜乱舞しています……。彼らは『次はワシントンに核を落とせ』と……!」
「黙らせろ!」
匠人は拳をコンソールに叩きつけた。
「……我々はナチスの手先ではない。これ以上、歴史を汚させてたまるか」
匠人は、ある決意を固めた。この歪んだ「世界対米英」の構造を壊すには、もはや敵味方を超えた「第三の道」しかない。
[太字][大文字]第1章:大いなる離反[/大文字][/太字]
「艦長、欧州およびアジアから信じがたい入電です……!」
護衛艦「はぐろ」のCICで、通信士が震える手で電文を差し出した。
「ソ連、中国、自由フランス、そして南米諸国……これまで連合国側にいた国々が、一斉にアメリカ・イギリスとの同盟を破棄。ナチス・ドイツ、イタリアら枢軸国側に合流しました!」
匠人は絶句した。
「……アメリカとイギリスだけを、世界から孤立させただと?」
理由は明白だった。未来の日本の圧倒的な技術力を前に、ナチス・ドイツは即座に「日本への服従と軍事同盟」を宣言。それを見た他の連合国諸国も、未来の日本という「勝ち馬」に乗るため、そしてアメリカの覇権を恐れて、次々と枢軸国側に寝返ったのである。
今や、世界は「日本・ドイツを中心とする新秩序(新枢軸)」と、それに抗う「米英同盟」の二極に分裂した。
[太字][大文字]第2章:2026年式・大東亜共栄圏[/大文字][/太字]
「報告! 日本本土各地の自衛隊基地に、ドイツ、ソ連、イタリアから『技術供与』を求める使節団が殺到しています! 陸上自衛隊は各駐屯地で彼らの封じ込めに追われています!」
匠人は苦々しくモニターを眺めた。
横須賀や呉の港には、最新鋭の護衛艦の隣に、場違いなドイツのUボートやイタリアの戦艦が並ぼうとしている。彼らは「盟友」の顔をしながら、2026年の技術を盗もうと血眼になっていた。
「艦長、市ヶ谷の統合幕僚監部より極秘指令です。『我々は枢軸国側に担ぎ上げられたが、ナチスの暴走を許すつもりはない。だが、まずは執拗に攻撃を続ける米英艦隊を沈黙させることが先決だ』とのことです」
「……結局、我々は戦わねばならんのか。米英という、かつての、そして未来の友軍を相手に」
[太字][大文字]第3章:鋼鉄の裁決[/大文字][/太字]
1942年冬。ハワイ沖。
アメリカとイギリスは、国家の存亡をかけ、残存する全戦力を結集させた。
空母「エンタープライズ」「サラトガ」「ヴィクトリアス」、戦艦「ワスプ」「キング・ジョージ5世」。それは「自由主義」の最後を賭した、悲壮な突撃だった。
「報告! 方位080、米英連合艦隊を確認。総数150隻! 上空には米英混成の戦闘機隊、数400!」
匠人は「はぐろ」の艦橋で、冷徹に号令を下した。
「……相手は死ぬ気だ。だが、こちらには日本列島全ての防衛力がついている。全艦、誘導弾発射用意」
日本の各基地から発進したF-15JとF-2の編隊が、大空を埋め尽くす。
そして、日本本土のミサイル基地から放たれた12式地対艦誘導弾の群れが、成層圏を越えてハワイ沖へと降り注ぐ。
「……命中。敵空母、次々と大破炎上」
「F-35B隊、英戦艦の機関部をピンポイントで撃破! 航行不能に追い込みました!」
それは戦闘ですらなかった。2026年の自衛隊という「未来の暴力」が、1942年の「勇気」を一方的に粉砕していく。匠人は、火を噴き沈みゆく英米の艦艇を見つめながら、強い吐き気を覚えた。
「艦長、枢軸国側の観戦武官(ドイツ軍将校)たちが、我が方の戦果を見て狂喜乱舞しています……。彼らは『次はワシントンに核を落とせ』と……!」
「黙らせろ!」
匠人は拳をコンソールに叩きつけた。
「……我々はナチスの手先ではない。これ以上、歴史を汚させてたまるか」
匠人は、ある決意を固めた。この歪んだ「世界対米英」の構造を壊すには、もはや敵味方を超えた「第三の道」しかない。
- 1.第1話:群青の予兆
- 2.第2話:鋼鉄の洗礼
- 3.第3話:邂逅、そして混迷
- 4.第4話:深海の静かなる狩人
- 5.第5話:集結、そして決断
- 6.第6話:巨艦、対峙
- 7.第7話:ミッドウェー・フリーズ
- 8.第8話:鋼鉄のカーテン・2026
- 9.第9話:鋼鉄の苗床
- 10.第10話:蒼焔の翼、本土防衛
- 11.第11話:降臨、大いなる列島
- 12.第12話:孤立する「自由の砦」
- 13.第13話:蒼穹の騎士道
- 14.第14話:ワシントンの邂逅
- 15.第15話:巨神降臨、ハワイ沖
- 16.第16話:鋼鉄の怒涛、ノルマンディー
- 17.第17話:黒十字の幻影と「陸の王者」
- 18.第18話:狂気の終焉、ベルリンの落日
- 19.最終話:鋼鉄の黎明
- 20.番外編:鋼鉄の福音 ―植民地主義の終焉―