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鋼鉄の時空:ミッドウェー1942(第二次世界大戦編)

#10

第10話:蒼焔の翼、本土防衛

和睦の誓約書は、B-29の爆音とともに紙屑と化した。
1942年の技術を無理やり底上げして製造された国産ミサイルが、護衛艦「はぐろ」のVLSから吸い込まれるように発射される。夕闇の横須賀沖に、オレンジ色の噴射炎が幾筋も走った。
「命中! 敵初動編隊、5機撃墜!」
「ダメです、数が多すぎる! レーダーが飽和します! 敵は高高度から絨毯爆撃の構え!」
匠人三等海佐は、モニターに映る無数の光点を見つめ、奥歯を噛み締めた。米軍は未来の技術を目の当たりにした恐怖から、マンハッタン計画を凌駕する速度でB-29を実戦投入してきたのだ。歴史の修正力というには、あまりに冷酷な「進化」だった。
その時、艦隊を再びあの「紫の嵐」が包み込んだ。
[太字][大文字]第1章:平成の「平成」を越えた援軍[/大文字][/太字]
「……!? 艦長、磁気嵐の中からIFF(味方識別信号)を受信! この信号パターンは……自衛隊機です!」
雲を割り、落雷とともにその機影は現れた。
洋上迷彩に身を包んだ、力強いフォルム。
「……F-2戦闘機! 築城、あるいは三沢の部隊か!?」
1機、2機ではない。嵐の中から次々と飛び出してきたのは、総勢20機以上のF-2戦闘機隊だった。彼らもまた、演習中あるいはスクランブル中に時空の歪みに飲み込まれ、この決戦の空へと導かれたのだ。
「こちらF-2編隊長。……状況は把握した。横須賀(ホーム)を焼かせるわけにはいかない。F-35B隊、共闘するぞ!」
「はぐろ」の甲板から発艦していた「いずも」「かが」のF-35B編隊と、突如現れたF-2編隊。令和と平成の最強の翼が、1942年の空で合流した。
[太字][大文字]第2章:成層圏の虐殺[/大文字][/太字]
B-29のパイロットたちにとって、それは「死神の舞」だった。
F-2が放つ空対空ミサイルが、B-29の巨大なエンジンを次々と正確に射抜く。F-35Bはステルス性を活かし、敵の死角から機関砲を叩き込む。
「なんだあの速さは……! 弾が当たらない! 奴らは化け物か!」
高度1万メートル。本来B-29が独壇場とするはずの聖域が、自衛隊機の蹂躙の場と化した。
F-2の旋回性能は、直線の重爆撃機を赤子のように翻弄する。1機、また1機と、米国の希望を乗せた「空の要塞」が、火を噴きながら太平洋へと墜ちていく。
[太字][大文字]第3章:匠人の決断[/大文字][/太字]
「はぐろ」の艦橋で、匠人はその光景を冷徹に見届けていた。
「……米軍は本気だ。和睦など、時間を稼ぐための罠に過ぎなかった」
「艦長、敵の後続編隊が反転、撤退を開始しました。……ですが、このままでは第2波、第3波が来ます」
匠人は海図を睨んだ。
「……F-2、F-35Bの両隊に告げる。帰還する必要はない。空中給油機(KC-767)が来ていない以上、燃料は限界のはずだ。だが、その前に……米艦隊の空母を叩く。彼らの『基地』を海に沈め、二度と日本を狙えないようにする」
「しかし艦長、それは歴史を決定的に破壊することになります!」
「……向こうが先に仕掛けたんだ」
匠人の瞳に、かつてない険しい光が宿る。
「平和を請い願う段階は終わった。これからは、我々がこの時代の『秩序』そのものになる。全艦、ハワイ沖へ急行。米機動部隊を壊滅させる!」
護衛艦「はぐろ」を先頭に、集結した全自衛隊艦艇が、ふたたび東へと舵を切った。
それは、自衛隊という名の組織が、初めて「攻勢」へと転じる瞬間だった。

2026/02/12 17:56

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
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