文字サイズ変更

鋼鉄の時空:ミッドウェー1942(第二次世界大戦編)

#9

第9話:鋼鉄の苗床

ミッドウェーの海を「沈黙」させた令和の艦隊。しかし、匠人三等海佐は冷徹な現実を直視していた。
ミサイル、高性能火薬、そしてガスタービン燃料。これらが尽きれば、現代艦はただの「浮き鉄クズ」と化す。
「……全艦、一時戦線を離脱。これより日本本土、横須賀および呉へ向かう」
匠人は、歴史の歯車を「防衛」から「生産」へと強制的に回し始めた。
[太字][大文字]第1章:時空を超えた工廠[/大文字][/太字]
1942年6月の日本本土。そこへ突如として現れた全長250メートルの「いずも」型、そして鋭利なイージス艦群。
横須賀鎮守府の将兵が腰を抜かす中、匠人は山本五十六を通じて、当時の日本が持つ全工業力を結集させた「未来兵器の再生産」を命じた。
「……いいか、半導体はないが、真空管ならある。現代の回路図を、この時代の技術で再現(リバースエンジニアリング)するんだ」
匠人は自衛隊の技術幹部を総動員し、三菱重工や呉海軍工廠の技術者たちに「2026年の設計図」を叩き込んだ。
127mm砲弾の量産ライン、ガスタービン燃料の精製法、そしてESSM(発展型シースパロー)の推進薬。80年の時を飛び越えた技術移転が、驚異的なスピードで進む。
「匠人艦長、燃料の精製、第1陣完了。……弾薬の互換性も、暫定的に確保しました!」
数ヶ月後。横須賀のドックには、1942年の鉄で補強され、1942年の火薬を積み込んだ「令和の艦隊」が再びその牙を研ぎ終えていた。
[太字][大文字]第2章:虚偽の和睦[/大文字][/太字]
生産ラインが整い、補給を終えた匠人は、再びミッドウェー、そしてハワイ沖へと向かった。
圧倒的な武力を見せつけられた米海軍は、表向き「日米和睦」のテーブルに着いた。スプルーアンス、そしてニミッツとの極秘会談。
「我々に抗う術はない。……和睦を受け入れよう」
スプルーアンスの声は力なかった。
だが、匠人の直感は警鐘を鳴らしていた。米国の「自由の精神」が、これほどの屈辱を無条件で受け入れるはずがない。
和睦の署名を終え、日本艦隊が祝砲を上げながら本土へ帰投の途についた、その夜だった。
[太字][大文字]第3章:星条旗の逆襲[/大文字][/太字]
日本近海まで戻った護衛艦「はぐろ」のCIC。
突如、フェーズドアレイレーダーが不気味な光点を捉えた。
「……感あり! 方位090、高度500、数……300以上! 敵機、急接近!」
「和睦したはずだぞ!? どこの機体だ!」
モニターを解析したオペレーターが叫ぶ。
「……形状確認! B-29 スーパーフォートレス! 本来ならまだ実戦配備されていないはずの機体です! 米軍、和睦を隠れ蓑に、秘密裏に開発を加速させていたのか……!」
米国の恐るべき「物量」と「開発力」が、未来の技術を目の当たりにしたことで異常な進化を遂げていたのだ。歴史上よりも2年以上早く現れた空の要塞が、日本本土の空を埋め尽くそうとしていた。
「艦長、B-29編隊、本艦および横須賀工廠を目標に爆撃体勢!」
匠人は唇を噛み切り、叫んだ。
「……甘かったか! 全艦、対空戦闘! 1942年製の火薬(メイドイン・ジャパン)を詰め込んだミサイル……その威力を見せてやれ!」
和睦は一瞬で崩れ去った。
2026年の技術で補強された「帝国日本」と、未来を知り狂気に駆られた「合衆国」。
真の地獄が、日本本土の上空で幕を開けた。

作者メッセージ

なにか、ご意見などあったら、よろしくお願いしま〜す

2026/02/12 17:46

taku203503
ID:≫ 17/UklnAAecq6
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はtaku203503さんに帰属します

TOP