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《参加型》空の上で送るのんびりまったり(?)スローライフ

#3

【main #1】乗船


「とりあえず故郷帰るかぁ」

 そう思い立ったが・・・。
 路銀が足りない。

(どうしたものか・・・。)

 勇者の旅なんかに同行したくなかったのに・・・。
 金は払わされる、時間は奪われる、尊厳は踏みにじられるだぁ?

 誰が進んで参加するか!!
 あー、次会ったら殺そ。

 ふと、宣伝のベルの音が耳に入る。

「フェルシュ王国行きの馬車はこれで最後だよー、さあいかがー!?」

 現在地は、大陸最北端の街ゲルニカ。
 そして目的地は、大陸最南端に位置するアドベル王国の北側。
 フェルシュ王国は、ゲルニカの南西にある国だ。最短ルートから外れてしまう。

 馬車が並べられたところを渡り歩くが、アドベル王国行きの馬車は見つからない。

(まあ、遠いしなぁ。)

 ゲルニカとアドベル王国のちょうど真ん中、エランドール公国行きも探したが、見つからなかった。

「あのさ、君、どこ行きたいの?」

 急に肩に手をかけられ、振り向くと、異様な気配がした。
 危機を察知し、すぐに飛び退く。

「え、あれ、そんなに嫌? えー、誘ってあげようとしたのになぁー」

 この気配、まず人ではない。私より確実に強い。

「あ、自己紹介するんだっけ。わたしはプエル。よろしく」

 そんな名前、魔法史に一切登場しない。もしや天使か?

「そんなに警戒しないでよ。拗ねちゃうよ」

 頬を膨らませる彼女。敵意がないのであれば、敵を作るケースは避けるべきだ。

「で、どこか行きたいの? ここにいるってことはそういうことでしょ?」
「・・・アドベル王国へ」
「なら、ちょうどいい。ついてきて」

 彼女は軽い足取りで街を歩き始めた。急いでそれに続く。



 結構長いこと歩くと、飛行船が見えた。
 かなりでかめの。

「アレに乗るよ。
 誰かー! ロープ下ろしてー!」
「あいよ!」

 男の声がして、すごい勢いで長いロープが下ろされる。
 登るなら、魔法を使ったほうが楽だ。

「[漢字]飛行[/漢字][ふりがな]カルリア[/ふりがな]」

 ロープにしがみつくプエルを横目に、高速で船の高さまで飛ぶ。

「お前、誰だ?」
「あの方に連れてこられて」
「プエルー! コイツお前の客かー!?」
[小文字]「そうだよー!」[/小文字]

 遠くから小さい声が聞こえる。

「アドベル王国まで頼みたいんだが、いくらだ?」
「タダだが?」
「え?」

 思わずキョトンとする。

「よいせっと。え、これ何どういう状況?」

 プエルが船の縁に乗り上げた。

「この船って運賃タダ?」
「そうだけど?」

 プエルにも尋ねるが、当たり前かのように言い返された。

「あ、けどめっちゃ時間かかるよ?」
「それはいいんだけど・・・」
「じゃあ、船を案内しないとね。
 空き部屋は・・・母船にはないや。ちょっと小型船出すから待ってて」

 プエルは床ハッチをこじ開け、その下の階段を降りていってしまった。

 「タダ」?「母船」?「小型船」?
 疑問ばかりが頭を廻る。

 まあ楽しそうだしトラブルとかなさそうだし別にいっか。
 私は思考を放棄した。

2026/01/12 20:51

シロツメクサと朝ぼらけ
ID:≫ 1rbH5j8ImDtsI
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