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《参加型》空の上で送るのんびりまったり(?)スローライフ

#2

【main #0】 Prologue

「魔法使いなんてもういらないんだよ! 田舎に帰れ!」

 酒場で急に怒鳴り散らす勇者。
 いつもなら「またか・・・」と思えることなのに、今日だけは目を瞠る。

「は?」

 思わずキレ気味で声をこぼす。

「だから! もういらねぇっつってんだよ! さっさと田舎に帰れ!」

 勇者の隣に座るシスターと斥候、戦士も驚いたような顔をしている。
 こいつらは、私の重要性を理解しているようだ。

「金を貪るだけの役立たずはいらねぇんだよ! なぁ!?」

 勇者は酒場の民衆に問いかける。
 だが、民衆は静まり返るだけ。

「ちょっと・・・」
「流石に・・・な。」
「うんうん」

 民衆はヒソヒソと話している。

「分かったよ、故郷に帰るから」

 ガタン、と机を立つ。

「その代わり、金払え。慰謝料と、私の所有物壊した分と、パワハラの慰謝料と、毎回払わされた酒代と、宿代と、通行料もろもろを含めて5000万クレッカ。今すぐ払え」

「バカじゃねぇの!? 役立たずに払う金は1クレッカもねぇよ」

「なら仕方ないな。半殺しにしてやる」

「ハッ、できるものならやってみろよ。できるわけないくせによく言うぜ!」

 勇者は椅子から立ち上がった。

「[漢字]転移[/漢字][ふりがな]クラティア[/ふりがな]」

 勇者の真上に転移、頭上から全体重をかけて蹴りを落とす。

「なっ!? がっ・・・」

 反応速度が遅い。先代勇者はこの程度じゃなかった。

 勇者の頭を蹴って後ろに飛び退き、着地。勇者は倒れかけたが、ヨロヨロと体勢を立て直した。

「[漢字]攻撃魔法[/漢字][ふりがな]セラノロアーテ[/ふりがな]」

 魔法陣が展開され、瞬時に攻撃が飛ぶ。
 勇者は対応しきれず、腕で防ごうとするが直撃。
 後方に吹っ飛んだ勇者のもとへ転移し、首を絞める。

「これが実力だ。お前は弱い。人の実力も分からない。今代勇者はハズレだな」

 民衆は先程までどよめいていたが、クスクス笑いを始める。

 勇者は息ができず、反論もできない。苦しそうにもがいている。

「先代勇者はこの程度じゃなかったんだがな・・・。こんな奴を勇者に指名するなんて、国王もとち狂ってんのか?」

 ここぞとばかりに罵倒する。

「ああ、あとお前は私の故郷を『田舎』だと言ったな。あそこは帝国との国境。国防の最前線だ。
 さらに、王国唯一の雪シルクの生産地だ。お前は二度と王子の服を纏えない。
 地理もできない、人の実力を見極められない、勇者の任を全うできない、弱い。そしてそのクズな性格。
 何にせよ、貴族失格だ」

 流石にヤバイと思ったのか、勇者パーティの他の皆が駆け寄ってきた。
 が、無視して続ける。

「次はないぞ。次会った時は殺す。覚えておけ」

 首からスッと手を離し、立ち上がる。

「ああ、あと、他のパーティメンバーに手を出すな。出したら、すぐに駆けつけて殺してやるから」

 足音をカッカッとわざと響かせ、酒場を後にした。





 さーて、とりあえず故郷に帰るか。

2026/01/12 13:37

シロツメクサと朝ぼらけ
ID:≫ 1rbH5j8ImDtsI
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