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こちらはBL作品です。性的な描写は一切ございませんが、苦手な方はご遠慮頂くようお願い致します。
また、部分的に自殺描写を含めました。露骨な表現はありませんが、ご注意下さい。

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冥刻の子守唄 〜シニガミコモリ〜

#6

第一章 蛍の光 〜鈴の音(1)〜


卒業式を終えて帰宅した蛍は、祖母の家に下宿するための準備を始めていた。祖母の家までは最寄りの駅から急行で1時間、そして駅前のバス停からバスで40分程度。蛍が通うことになる中高一貫校は、ありがたいことに祖母宅の真向かいにあった。始業時刻ギリギリまで寝ていられることに魅力を感じて、その学校を目指したとは誰にも言えなかった。

蛍の父親が受験直前の12月に買い与えた、黒の大きなリュックサック。蛍はその中に、早速学校から郵送されてきた春休み中の宿題一式を入れた。

今まで算数と呼んでいたものは数学に。今までは優しいタッチの動物の絵が載っていた国語の表紙は、何だかよく分からぬ地味な抽象画に。それらをすべて入れたリュックを試しに片腕で持ち上げてみると、ズシリと重かった。

蛍の部屋に差し込む夕方の光。燃えるようなオレンジ色の西日が、蛍の横顔を照らす。

蛍の視界の隅にチラリと光るものがあった。それは部屋の隅に寂しく置かれた、もう使わなくなったランドセルの金具だった。

「俺…言わなきゃ」
蛍の視線の先には、ランドセルから下げられた緑色の学業成就のお守りが。蛍は胸の奥に何か詰まっているような感覚を覚えた。焦燥と後悔と、安堵と不安と。混ざりに混ざった濁った思いに駆り立てられ、蛍は堪らず部屋を飛び出した。

「ちょっと走ってくる!」
蛍は玄関のサンダルに足を入れながら、居間で誰かと電話していた母親に叫んだ。母親は蛍に視線を向けると小刻みに首を縦に振った。


西日に照らされて茜色に染まった住宅街を走る。蛍が走る度、靴底から乾いた音がする。突き当たりを右へ、そして左へと曲がり、竹林沿いの階段を駆け下りていく。竹林をグルリと囲むように走っている道に沿って建てられた何軒かの家々。太陽の光は竹林に遮られ、空気はいささか涼しかった。

横隔膜が痛くなってきて、蛍は立ち止まり、息を整えながら家々の表札を確かめた。
「田辺…中西…あれ…?ここらへんじゃなかったっけ」
息も落ち着いてきた頃、蛍は後ろを振り向いた。太陽は、はるか遠くに見える山脈の奥へと姿を消し始めていた。真っ黒な影絵みたいな山脈のシルエットが目に焼き付く。竹林の隙間から差し込む針のように細い夕日の光に蛍は思わず目を細めた。

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2025/11/27 17:35

花火
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