今、俺の中で理科のテスト最高八七点の高性能コンピューターがフル稼働していた。これは聞いたほうがいいものなのか。あまり刺激するのもよくはない。藪蛇になりかねない状況はどうしても避けたい。と、CPUがピンと音を立てたような気がして一つの考えが浮かんだ。なんだ、簡単なことじゃないか。
教室に背を向けると、ポケットからするりとスマホを取り出した。今までなぜ気づかなかったのか。いないなら、連絡すればいいじゃない。
さっそく電話をしてみよう。誕生日プレゼントの包み紙を開ける純粋な子どものような気持ちでコールボタンを押す。さあ、一体どこにいるんだ?
突然、背後からやけに高い音が聞こえた。認識するのに数秒はかかったが、スマホの着信音『ヨーデル』だった。狙ったかのようなタイミングで来たから、もしやと思って電話を切る。すると、かすかなバイブレーションとともに教室にけたたましく鳴り響いていた音はピタッと止まった。
つまりは、和義はスマホを持っていなくて、さらにはそのスマホが女子集団のいる教室内にあるということだ。
俺の小学生のときの自由研究なみに浅い考察だが、これが何を意味するのかをわざわざ考える必要はいらなかった。いや、今はそれどころじゃないかもしれない。冷静に考えてみよう、と知的な教授の声が聞こえてくる。
確実に今の音は教室から聞こえた、これは紛れもない事実だ。そして、数分前に確認したのは女子の集団が教室に残っているということ、これも事実だ。更にはその集団の中に小林さんがいる。すると、これはトンデモない核融合反応が起きてしまう。
和義はスマホのロックを掛けないことにしている。セキュリティ的にどう考えたって危ないが、本人曰く“面倒だから”らしい。この歯周病の歯茎ぐらいガバガバなセキュリティが、今まさに自業自得として和義に牙をむこうとしている。
何を言っているかわからないって?
和義のスマホがすべて女子に見られてしまうということだよ。
これは一種の伏線回収とも言うべきなのだろうか、まさか凶が出るとは。
君たちは知らないだろう。俺がなぜこんなに焦っているか。所詮は他人のスマホだろうと言うだろう。それにトモダチという大義名分をかけるのか、なんて疑問符のついた声が聞こえそうだが、もし、その他人のスマホの中に自分の写真があったら?決して開けてはならない、これこそまさにパンドラの箱になってしまう。
開けた瞬間、俺には絶望の二文字が重くのしかかる。最後に残ったのは女子集団の笑い声だけ。
あの写真はアメリカの国家機密文書よりも重要だ。例え七十五年経っても公開されてはいけないのだ。さて、どうするか…。
俺が思い悩んでいたとき、手に持っていたスマホが振動しているのに気づいた。電話か?
通話を志願するその相手を確認してみると、俺がサブクエストで捜していたもう一人の人物、拓弥だった。
教室に背を向けると、ポケットからするりとスマホを取り出した。今までなぜ気づかなかったのか。いないなら、連絡すればいいじゃない。
さっそく電話をしてみよう。誕生日プレゼントの包み紙を開ける純粋な子どものような気持ちでコールボタンを押す。さあ、一体どこにいるんだ?
突然、背後からやけに高い音が聞こえた。認識するのに数秒はかかったが、スマホの着信音『ヨーデル』だった。狙ったかのようなタイミングで来たから、もしやと思って電話を切る。すると、かすかなバイブレーションとともに教室にけたたましく鳴り響いていた音はピタッと止まった。
つまりは、和義はスマホを持っていなくて、さらにはそのスマホが女子集団のいる教室内にあるということだ。
俺の小学生のときの自由研究なみに浅い考察だが、これが何を意味するのかをわざわざ考える必要はいらなかった。いや、今はそれどころじゃないかもしれない。冷静に考えてみよう、と知的な教授の声が聞こえてくる。
確実に今の音は教室から聞こえた、これは紛れもない事実だ。そして、数分前に確認したのは女子の集団が教室に残っているということ、これも事実だ。更にはその集団の中に小林さんがいる。すると、これはトンデモない核融合反応が起きてしまう。
和義はスマホのロックを掛けないことにしている。セキュリティ的にどう考えたって危ないが、本人曰く“面倒だから”らしい。この歯周病の歯茎ぐらいガバガバなセキュリティが、今まさに自業自得として和義に牙をむこうとしている。
何を言っているかわからないって?
和義のスマホがすべて女子に見られてしまうということだよ。
これは一種の伏線回収とも言うべきなのだろうか、まさか凶が出るとは。
君たちは知らないだろう。俺がなぜこんなに焦っているか。所詮は他人のスマホだろうと言うだろう。それにトモダチという大義名分をかけるのか、なんて疑問符のついた声が聞こえそうだが、もし、その他人のスマホの中に自分の写真があったら?決して開けてはならない、これこそまさにパンドラの箱になってしまう。
開けた瞬間、俺には絶望の二文字が重くのしかかる。最後に残ったのは女子集団の笑い声だけ。
あの写真はアメリカの国家機密文書よりも重要だ。例え七十五年経っても公開されてはいけないのだ。さて、どうするか…。
俺が思い悩んでいたとき、手に持っていたスマホが振動しているのに気づいた。電話か?
通話を志願するその相手を確認してみると、俺がサブクエストで捜していたもう一人の人物、拓弥だった。