文字サイズ変更

想造部の最悪な駄作

#4

一章 停滞する大捜索線 4

 あまり気乗りはしないが、負の空気を御長寿番組で中和しようとしたこの部室には、俺にしかわからないであろうなんとも言えぬ空気の悪さがあった。そりゃあ、俺一人だけだが、今は少しだけ外に出たい。でなければ、延々と時計の針の音が響き渡り、眺めていても面白くないボードのあるあの部屋で他二人を待つことになる。
 廊下に出てみると、文化部の代表である吹奏楽部の耳を左から右へと通り抜けるような、よく鼓膜に伝わる金管楽器が聞こえてくる。残念ながら、うちの部活には楽器にたしなみがある人間が一人もいないため、曲も最近の流行りぐらいしか知らない。
 クラシックなんて聞いたら退屈すぎて俺は寝てしまう。だから、中学のときに掃除の時間に流れるクラシックが嫌いだった。どうせならデスボイスの効いたメタルロックを流してくれないかなと毎日思っていた。それならばノリノリで掃除に取り組めたんだが。
 さて、ここからはまさに探偵にありがちな聴き込み調査とやらをやるか。拓弥は家に戻ったらしいから、捜索願い届は和義だな。どっちかというと、こういった飼い猫調査ライクは別でやって欲しいものだが。
 検討をつけろと言うのならば、教室か職員室か、もしくはどこかですれ違ってもう部室にいるかだ。
 まずは教室へと向かうことにする。なんせ一番近いというのもあるが、まだクラスメイトが残っている確率が高いからだ。誰か一人でも有力情報を持っていれば捜査は進展する。その小さじ一杯にも満たない希望で向かう俺の足取りは、いち早く見つける気持ちが大きいのか、自然と駆け足になってしまう。獲物を狙うイタチのごとく移動したおかげか、行きよりも5分くらいは早く着いたぞ。
 チラッと見た感じでは、教室内には五、六人程度の女子が残っているだけだった。さすがに教室にはいないよな。そうなると和義についての聴き込みなのだが…。なんとも言えぬ光景に俺は数秒フリーズした。
 残留集団の中に聞いたほうがいいのか悪いのかわからない、あの小林さんがいるではないか。
 これは吉と出るか凶と出るか。

2024/10/27 09:49

ゐぬい
ID:≫ 18yayKY/7LFxA
コメント

この小説につけられたタグ

ギャグコメディ高校生

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はゐぬいさんに帰属します

TOP