俺が所属しているのは想造部のみで、兼部はしていない。していたら和義に殺される。いつだったか忘れたが、俺が冗談半分で兼部をしようかとつぶやいたら、
「なに、アンタ!アタシに内緒で浮気するっていうの!?」
とか、妙に甲高い気持ち悪いオネエ口調で言うから、流石にやめた。それ以降、想造部の間では兼部のことを”浮気”と呼んでいる。これだと、世間話の中で使うには、
「なあ、知ってるか?サッカー部の川口って実は杖道部と浮気してるらしいぜ」
と、少々誤解を招きかねない会話になってしまうが。もちろん、兼部を批判しているわけではないのでご安心を。どちらかと言えば和義の想造部に対する執着が強いだけだ。
さて、その問題の想造部へと向かうために、二号棟へと続く空中廊下を渡る。いつもここを通ると思うのだが、この渡り廊下の壁には週に二、三回ほどかわるグラフィティアートがある。これもどっかの部活のものなのだろうか。芸術センスのカケラもない俺からしてみれば、ただの落書きにしか見えず、右下に書かれたサインもよくわからない。なんだ、BIBINBAって。もう少しマシな名前があったとは思うが。
この先を右に曲がって四つ教室を数えたところに見える一番端っこにあるのが想造部。和義が美術部に頼んで書いてもらったという、現代アートみたいな感じの看板がドアに掛けてある。
ここが俺達の砦であり、第二の家であり、とにかくいろんなものが詰まった場所だ。
ドアを開けるとまだ誰も来ていなかった。一番乗りだ。
この教室はもともと更衣室のようなものだったらしく、それが補修室に、そして想造部の部室になった。だから、部屋自体は普通の教室の半分もない大きさだ。
室内には部屋の奥にある窓沿いに、使わなくなった教員用の机が向かい合うように二つ置かれている。簡素な三段の棚と五箱の段ボールが右の壁沿いにきちんと置かれ、部屋の中央には、理科室で余っていた椅子を拝借し、二つくっつけてそこに布を重ね長椅子になったものを三組、丸テーブルを囲むように置いてある。左側には、小さなテレビが壁に沿って置かれていて、コイツはどっかのおっさんからもらって修理したものらしい。気付いたらそこにあった。
「なに、アンタ!アタシに内緒で浮気するっていうの!?」
とか、妙に甲高い気持ち悪いオネエ口調で言うから、流石にやめた。それ以降、想造部の間では兼部のことを”浮気”と呼んでいる。これだと、世間話の中で使うには、
「なあ、知ってるか?サッカー部の川口って実は杖道部と浮気してるらしいぜ」
と、少々誤解を招きかねない会話になってしまうが。もちろん、兼部を批判しているわけではないのでご安心を。どちらかと言えば和義の想造部に対する執着が強いだけだ。
さて、その問題の想造部へと向かうために、二号棟へと続く空中廊下を渡る。いつもここを通ると思うのだが、この渡り廊下の壁には週に二、三回ほどかわるグラフィティアートがある。これもどっかの部活のものなのだろうか。芸術センスのカケラもない俺からしてみれば、ただの落書きにしか見えず、右下に書かれたサインもよくわからない。なんだ、BIBINBAって。もう少しマシな名前があったとは思うが。
この先を右に曲がって四つ教室を数えたところに見える一番端っこにあるのが想造部。和義が美術部に頼んで書いてもらったという、現代アートみたいな感じの看板がドアに掛けてある。
ここが俺達の砦であり、第二の家であり、とにかくいろんなものが詰まった場所だ。
ドアを開けるとまだ誰も来ていなかった。一番乗りだ。
この教室はもともと更衣室のようなものだったらしく、それが補修室に、そして想造部の部室になった。だから、部屋自体は普通の教室の半分もない大きさだ。
室内には部屋の奥にある窓沿いに、使わなくなった教員用の机が向かい合うように二つ置かれている。簡素な三段の棚と五箱の段ボールが右の壁沿いにきちんと置かれ、部屋の中央には、理科室で余っていた椅子を拝借し、二つくっつけてそこに布を重ね長椅子になったものを三組、丸テーブルを囲むように置いてある。左側には、小さなテレビが壁に沿って置かれていて、コイツはどっかのおっさんからもらって修理したものらしい。気付いたらそこにあった。